ぼくは「街のブログ屋さん」になりたいし、そういう人を東京に200人ほど作りたい。

はじめに

僕じゃなかったら「金を取らないと聞けないぐらい大事なネットに未来」の話を書く。

僕自身・僕に近い人・僕が尊敬するほど理解してくれるし、もうすでに歩き出している。
だから、本当は金なんか貰わなくても
一度形にして、志を共にしてくれる人のために書きたいという気持ちは前々からあった。

でも、これを話してもはてなやツイッターでは笑われるネタだから書けずにいた。

それを一昨日、あるウェブ関係者と川崎のおでん屋で飲んだ。

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その際に、「これからそうなっていくよ」と言ってくださった方と意気投合してお店をはしごして終電ギリギリまで飲むほどにハッスルしたから「このネタは書くしかないでしょ!!」と自信を持つことができたので、このネタを書くことにした。

 

 街のブログ屋さんが強いと、観光地でもない所に観光しに来る。

今年ももうすぐ終わるが…今年、僕に会いに川崎を訪れたり、川崎でご飯をおごってくれた人はリピートも一人と数えると、30人ぐらいいた。

その人達に川崎の町並みを案内したり、場合によっては映画を見たり川崎大師をお参りしてもらったりもした。

それでも、大半の人はランチと喫茶代だけ…たまにお酒を呑む人もいたから一人平均3000円ぐらいを川崎に落としていった。

それが30人だから9万円ほど川崎の経済に貢献してる。しかも、多くの場合は俺がおごってもらってるからこの倍の金額を来た人に落としていただいている。

それも、観光地としては貧弱な川崎・武蔵小杉の飲食店を美味しい美味しいと言わせながら、これだけのお金を落とさせた俺は川崎のイメージアップに相当貢献してる。

観光地でもない、用事もない人にはとことんない川崎に人を呼び込んでいる。

近年、「街のブログ屋さん」ガチ勢も誕生しつつある。

とはいえ、僕が川崎にいることの経済効果なんて9万とか18万程度の観光収入。

これは僕だからその程度だけど…これがOREGADGETの岡部さんや、イケダハヤトだったらどうだろう?

オレガジェットというサイトは、はてなではあまりメジャーじゃないが、僕はブロガーフェスティバルで岡部さんが地元「三鷹」での活動をプレゼンしてくれたことが、地元紹介記事をブログ上で増やす直接のきっかけ。…いわば彼は先駆者だ。

その岡部さんは地元「三鷹」に根ざしたブログ活動をして、飲食店を紹介したり、地元の情報誌にライターもしてるため…僕なんかとは比較にならないほど地元に経済効果を生んでいるじゃないかな?

ちょくちょく登壇やライターとして三鷹での活動を宣伝してるから、そのことで彼の活動や彼の紹介をきっかけに三鷹を訪れる人は多いんじゃないかな?

はてなブロガーで言うと、面白ハンターがオレガジェットのと同じタイプ。

北海道内でPR記事を幾つか書いてる人で最近では、北海道の小さい町にも短期間移住する活動もFacebook越しに何度か見させていただいた。

もっと確実に効果を生んでいるであろう人物が、高知県に移住したイケダハヤト氏。

イケダハヤトに会いに高知に来るブロガーさんはたくさんいて、有名所だとLIGは企業ぐるみで行ってイケダハヤトのシャツを燃やすという不可解な記事まで書いてる。

さらに、木村すらいむさんみたいに高知に住んでイケダハヤトを手伝いつつ別の仕事も…と一人の人生・ライフスタイルまで変えるほど影響された人も…。

あんな限界集落、最果ての地である高知県に若者を呼び込んだイケダハヤトはそれだけでもかなり評価されるべきだと思うぞ?誰にだってできることじゃないもの!!

「街のブログ屋さん」は顔出し・会える人だけではない

と、いろんな事例を説明してみたけど、きっとネット的でバーチャルな人はこう反論するだろう。

「街のブログ屋さんじゃなくて、会いにいけるブロガーがたまたまその街にいるだけじゃないか!!そんなスタイルのブロガーの方が少ないから、そんな特殊な奴らの話を出すな」

いやいや、まだあるんだよ。これはまだ「直接、ブロガーの働きかけで、地元にお金が落ちた事例」話だけ。

間接的な部分を入れると、もっと大きく、色んな人がやってるんだよ。

自分が紹介したお店に行ってくれた人もたくさんいるし、地元の温泉や動物園の記事をきっかけに川崎を懐かしんで川崎の紹介記事を書いてくれた人もいる。

色んなジャンルについて記事を書きすぎて…地元紹介記事なんか1割もない僕でさえ、川崎に住んでる人・住んだことのある人・川崎まで来た人には僕をグルメブロガーだと思ってる人…川崎のグルメコーディーネーターみたいに思ってる人もいるぐらいだ。

「会いに行けなくても地域のことをキチッと書く人」という定義で考えると…色んなブロガーさんが当てはまるようになるんだよねぇ…。

東京散歩ぽぐるりみち。みたいな種類の地域縛りがゆるめな代わりに、その時々のスポット紹介をしてる「お出かけブロガー」も含めて「街のブログ屋さん」と呼んでいいんじゃないかな?

青二才「南武線で言えば、川崎〜武蔵小杉メインで紹介するので、武蔵中原より向こうは誰か別の人に頼んで」

人にこのやり方を紹介するときに、僕が冗談半分に行ってるフレーズは

自分の最寄り駅から半径5キロ〜10キロ(田舎なら半径30キロ)程度の範囲を重点的に紹介すればいい。それこそ、僕は川崎〜小杉…店があれば中原までは面倒見てやるけど、武蔵新城のお店は用事もないし、研究するのも大変だから、僕とは別に武蔵新城によく行くブロガーさんにやってほしい。(川崎も僕一人じゃ手に負えないから、蒲田〜鶴見や、川崎〜小島新田までのラインに強い人がいたらもっと面白いから京急・大師線ブロガーがそれぞれ出てきてほしい

そんな感じで、首都圏の街には5〜10キロおきにブロガーがいて、地元の美味しいところを開拓して紹介していくネットワークができてくれたら僕はすごく嬉しい。

そんでこう続けてる

「グルメや地域紹介メインじゃなくたっていいけど、ブロガーがブロガー同士のつながりと地域のつながりとそれぞれを持っとくとすごく得。

実際に関わった事例では、お店紹介している人が地元にいて横つなぎにブロガーさん同士につながっていることを町の人が知っていると【新装オープンするから同じようなブロガーさんが集まって、お店をPRしてほしい】という依頼だって周り回ってきたりすることもあるし、逆に応援を頼むことだってできる。

参照:【PR】横浜中華街まで行くなら、敢えて「ミルキー鉄男のかき小屋byTYCOON」へ行け!! – かくいう私も青二才でね

あるいは、趣味が同じブロガーさん同士がオフ会やイベントをやりたい時にも飲食店や地域の人と繋がってると有利なことはある。

参照:というわけで27歳になりました。(誕生会編) – かくいう私も青二才でね
この誕生会をやったお店が実はたっけくんという僕が教えているブロガーが働いているバー。ネットワークがあったおかげで、読者との楽しい懇親会ができた。」

そのため、僕がブログを教えているあきさねゆうさんや、たっけくんには街のブログ屋さんを目指すように言ってるし、そのカテゴリに初期段階にいた事がブログを成長させる上で役立っていると思う。

結果的にはあきさねさんは二郎ブロガーになってしまったのが計算外だったけど、ブログでの情報発信力で横つなぎになることの重要性はきちっと理解してくれていて、野球や二郎の記事を書くときにはネットでの人脈を使っていくことや持ちネタを交換する重要性を理解して、よくよく会った時に情報交換をしてる。

これからのブロガーはそこを目指していくと、10年前のブロガー特有の学者崩れとバーチャルを煮詰めたノリからも脱却できる。

あるいは、現在の大手IT企業が進んでいるキュレーションで情報を拾っていく一見リアルなのに、実態はものすごくバーチャルでこたつ記事的で、ライターと読者の距離がちっとも埋まってない状態からももう一歩進んだ所へ行ける。

キュレーションの限界を知ると、個人ブロガーの活路を見える。

キュレーションという手法は、著作権法上の「引用」さえ満たしているならば、悪い手法ではないと思う。(引用を満たしてない場合、ただの盗用だけどね)

ただ、引用を満たしてもなおキュレーションという手法には弱点があり、それは「新しい情報を取ってこられない」ということだ。

1つの記事でガツッとまとめたキュレーションもあるにはある。
でも、そのサイトを見回しても、そのライターをウォッチしても新しいお店・新しい趣味は開拓できない。

情報にキャラクターも趣向も反映されないことは…言い換えると無難でありふれた情報が溢れかえることこそ企業的であり、キュレーション的なのだ。

それはエビデンス(根拠)をしっかり示せる・精査できる専門機関がまとめるならまだいい。
そういう機関がやる分には彼らこそ検索1位になる…というのはありだと思う。

しかし、その次に表示されたい、人気のサイトを作りたいとブロガーが考えるならば、キュレーションよりも、実際に読まれる記事・役に立つ記事・自分しか書けない記事を目指さなければならない。

「地元民でも知らない穴場のお店」は足で探すか、詳しい知り合いがいないとできないことも盛り込んでいけないと、企業的なキュレーションに勝つのは厳しい。
どの分野でも自分にしか書けない所を狙わなきゃ、個人のサイトまで読みに来る価値なんかない。

でも、地域ブログやグルメ記事は最も顕著に独自性を体現できるからこそ、是非ブロガーをしたいならやってほしいと思う。

最後に

今後のインターネット…特に個人のブロガーが「街のブログ屋さん」化しつつ、街のブログ屋さんが横つなぎになることで生存していくことになる理由を最後にまとめる。

1、初心者がブログをはじめる際、いいテーマ・売れるテーマを狙うよりも最も自分らしい独自の記事をかけるジャンルは地元の話。

2、地元の記事を扱うことで、読者もまた地元の人が増えたり、いい悪いをすぐに判断してもらえるため、ブログと実際の評判が瞬時に結びつきやすいため。ネット上の友達に地元の友達がいる場合、地元紹介がブログの評判を一気に上げる事に繋がる。

3、ブロガー特有のバーチャル感・得体のしれなさ・胡散臭さはブロガー同士で群れてる限り拭えるものではなく、ブロガーはバーチャルなことを学びつつも心はリアルを向いてないと信用されない

4、本当に強いブロガー同士で繋がりたければ、相手が敬意を払って欲しければ、人気やアクセス数だけでなく、独自の記事・ジャンルを持つことこそが一番の近道

5、手数や量、資金的なリソースで勝負すれば、リクルートやヤフーみたいな世界的な企業との勝負になってしまうから、個人ブロガーが目指す所はあくまでもコアな人・現場の人に密着した部分を目指さなければならないため。

6、それでいて濃さと横のつながりで、数や資本に負けないものを作れるような状態だけでも作っておくため。200人ぐらい東京にそういう人がいたら、キュレーションメディアにも当たり負けしないいい情報が首都圏全域に展開されるんじゃないかな?
あるいは、キュレーションメディアに画像や文章を盗用された時でも、みんなで訴えたりできるんじゃないかな?(運が良ければ、200人の本人や知り合いの中に弁護士がいて、かなり良くしてくれることだってあるかも…)

この辺のことを抑えて個人ブログを書き続ける、街やオフ会に出て情報収集するブロガーがこの先10年は増えていくだろうし、面白くなっていくだろう。

もう始まってるけど、独占的な地位を持った人はまだいないので、まずは自分の地元から参加する人が増えていくと嬉しい限りだ。

ご当地グルメの中にはブロガーのちからがあって普及したものもあるとかないとか…。

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