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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

横浜DeNAベイスターズがクライマックスシリーズに出場できた理由を監督・フロントの戦略から分析する!!

野球

やきうの話します。
それまで10年連続Bクラスだったベイスターズが、ついにクライマックスシリーズ(CS)進出を確定させた。

 

そこで、ここ数年の横浜が優勝を成し遂げた戦略について、監督とフロントの話を中心に語っていく。

  

結構長いので、「手っ取り早く今年の横浜の強さだけ言えよ」という人は4と5だけ読むことを推奨。3もラミレス監督自身が語った戦略の話だけど、実際の結果やデータは4と5にまとめてるから、4・5だけ読めば横浜の強さは理解できるはず。

1〜3は時間がある人・ここ数年のベイスターズを知らない人・逆に野球談義が大好きな人向け。書いた人間としては読んでくれる方が嬉しいけど、おまかせします。

現役監督の中で一番選手としてすごいのはラミレス!もっと注目されるべき

(他のチームの監督である)金本も由伸も谷繁も緒方も真中もみんなすごい選手であることは90年代00年代に野球を見るか、パワプロをした人ならみんな知ってる事実だろう。

 

それでも!!
僕は一番「選手としてすごかった現役監督」はラミレスだと思う。

 

だから、シーズン初期から
「(監督が)ラミレスなら勝ちますわ
と言い続けてきたことが、現実になった。

 

もっと評価されてほしいからこそ言うよ!
まず、選手時代に限りなく三冠王に近づいたこともある(03年に本塁打、打点、最多安打のタイトルを取りながらも、打率は今岡選手に負けたから三冠王を逃した)人。

 

…ラミレスよりも三冠王に近かったのは松井秀喜*1か、イチロー*2か…三冠王を取っちゃった人ぐらいなんじゃないか?というぐらいに近くまで行った。

 


さらに打点王に4回。これはセリーグだけなら王貞治以来。両リーグをまたいだ記録では落合博満以来。

そして、打点王を4回以上取ってる人は王貞治長嶋茂雄、落合、野村克也山内和宏(一弘)の5人。

野球知らん人は「山内って誰?」にお答えすると「野村克也が打撃で参考にした元ネタであり、落合の師匠」というすごい人。*3


歴代で最強の外国人助っ人を挙げさせたら、トップ5には絶対に入るであろうお人!
メジャー時代くすぶってたのも、監督とのウマがあわないからだし、23歳で年間80試合のメジャー出場なら、ほっといてもメジャーリーガーとしてやっていけた可能性が高い有望選手だったラミレス。
でも、日本に長期滞在してくれたから外国人としてはもちろん、日本人選手を含めても大記録と言えるものをいくつも成し遂げてる。

 

そりゃ、タイトル=選手の凄さとは言い切れないよ?*4

こと得意分野だけなら落合以来の選手!!

だから、
落合クラスに勝負強く、しかも日本も外国も色んな野球を経験してる勉強家の(日本の野球を勉強しながら大成した)ラミレスが監督やるなら前年度最下位のベイスターズでもやる!
オリックス・西武・阪神・巨人みたいなしがらみの強いチームならラミレスの意見が通らなくてうまくいかない危険があるけど、今の横浜は必死だから落合クラスの野球の感覚をそのままチームの野球に浸透させることができるはず
と予想と期待をしてたら見事にあたり、CS進出を果たした。

 

…今年の野球は興味があって、順位予想を色々見てたが、阪神を一位二位と予想する声に「だったら、今年は横浜だべさ」と言ってたら、本当に来た!!(逆に、ヤクルトがよみほど伸びず、広島が読みよりも伸びてびっくりしたんだけどね…。)

 

でも、横浜の真骨頂はラミレスの前に、中畑を監督にして四年間もやらせたところ

ちなみに、その前にベイスターズの監督をしてた中畑清に長期間監督をさせていたのも、かなり勇気のある行動。*5

 

まず、中畑清は全日本の監督をして、プロ野球のオールスターチームを使っても銅メダルしか取れなかったことで「監督としての資質」に疑問を持たれていた人。

それがなかったら、巨人のヘッドコーチ…ヘタしたら監督にもなってたであろう人ではあるけどね…。
でも、中畑の歴史位置は巨人軍でのキャリアアップしてゴールした人ではなく、自身の出世どころか日本の野球もろとも転がり落ちた人*6

 


マイナスの実績がある上に、野球の監督にしては高齢
そんな人に「チームの若返り」というすごく大変な仕事をさせている。

外国人監督に二の足を踏みがちななかで、ラミレスを監督に据えたのもすごい!
だけど、それを言うなら中畑を監督にしてる時点で、横浜DeNAの人事は相当おもいっきりがいい。

 

確かに、結果がよくなかったこともあって、中畑の評価はよくないよ?

でも、結果的に「守れない選手は使わない」「スタメンを固定せず、調子のいい選手をドンドン出していく」と中畑野球は、横浜DeNAの思惑である「チームを若返らせて、新しい選手を育て直したい」という両者の思惑は途中まで一致してる。

だから、「4年間じっくりと監督をさせる」には向いていた。

 

おまけに、中畑清という人が「スケールの小さい長嶋茂雄」みたいな人であることもすごくいい!!(実際、選手としては長嶋のノックで鍛えられた正当後継者だし…)

スケールが大きい長嶋本人だと「ミスター巨人軍が欲しいと言った選手や設備は全部買い与えないといけない」んだけど、中畑の場合それがない。

まぁ、スケール小さいから買い与えても長嶋ほどは勝てないから勝負をかける時には中畑は切られてしまう。
また、DeNAもそのタイミングを見極めたくて中畑とは長期的な契約をしてない。

ただ…野球観が泥臭くて古臭い(本人が体験した多摩川グラウンドとか伊東キャンプみたいなものからあんまり進んでない)から選手を育てたり、若返らせたり、理屈よりも根性や精神みたいなものを叩き込むことには長けてる。
だから、次の監督につなぐには適した監督ではある。


これは巨人軍でも同じ。

長嶋本人が指揮するよりも長嶋が育てたり、獲得した戦力を後任の藤田監督なり、原監督が運用した方が強いんだよ…。
「なら打撃コーチか二軍監督に最適なのでは?」と思うかもしれない。
でも、果たして長嶋の上司なんかできる人がどれだけいるやら…。

 

監督としての中畑とラミレスは欠点を補う相互補完関係

中畑の欠点は「運用」だが、ラミレスは逆に「運用」が神がかりにうまい。

一方で、ラミレスの弱点は「(選手を育てる・枚数を揃える)時間」。
そこは中畑は(巨人軍の生き証人としての)実績とか、人気はあるから監督にすることにためらいはあっても、リスクさえ受け入れてもらえれば、「長く」監督をさせてもらいやすい。

そして、立ち位置としても中畑自身が結果を出してなくても、育ててくれさえすれば良かった。

 

でも、ラミレスにはそれがない。
ただでさえ外人監督少ないし、長く続いた人はもっと少ないから、監督にしようとする人も少ないし、結果に関係なくラミレスを守ろうとする人も少ないだろう。

だから、選手を揃えたり、鍛えたりする時間が必要だった。
それを中畑が肩代わりしてくれたことがラミレスの1年目からの成功と、監督生命の延命につながった。

 

実際、中畑政権最後の1年はすごかった。

結果は最下位だが、途中デットヒートを繰り広げて一時的に首位を取るぐらいには選手が育ちはじめ、もはや万年Bクラスのチームの雰囲気ではなかった。

そこまで盛り立てた上で、雰囲気や精神論だけではない「具体的な戦略・運用力」を持ってるラミレスと交代したことがいい結果につながった。

 

中畑とラミレスの大きな違いは起用法!中畑は発掘し、ラミレスは鍛える

ただでさえ横浜についての記事は少なく…特にラミレスの記事はとにかく少ない。

少ない代わりにラミレスが記事・ニュースの中で言ったことは要所を抑えている記事であることが多い。

 

例えば、この記事。

DeNAが“Aクラス常連”になるために。ラミレス監督が語る終盤戦の指針。 - プロ野球 - Number Web - ナンバー

 

この記事で、ラミレスはスタメンを固定してる話、不調の選手でも辛抱強く使ったり、自分の起用法と合わない選手を会うところにうまく当てはめるまでの苦労が書かれている。

星野仙一みたいな「短期決戦ならともかく、ペナントレースを戦う監督に求められる辛抱強さ」をラミレスが持ち合わせていたことを読んでいて感じる内容だった。

 

そして、それは中畑とは対照的な発想だ。
中畑の場合、当てはめてうまく行った選手は使い続けるけど、その間のどっちつかずな時には選手をコロコロ変える。

そのため、2015年には1.5軍ぐらいの中途半端に出場してる選手がたくさんいた。
そのことが才能を開花させた人がいるため、悪くばかり言えないけど…ペナントレースで勝てる監督はあまりそういうことをしない。

 

どちらかと言うとメンバーは固定して、じっくり育てたり、自覚を持たせて人一倍やらせることが多いが中畑政権ではそれが少なかった。

ラミレスは、中畑がはめ込み切れなかったピースを、シーズン中に使い続けることで埋めることに成功した監督だから、インタビュー記事を読んでると納得することが色々会った。

 

次のラミレスについてのニュースはキャンプの頃まで遡る。

 

ラミレスに密着取材した際、投手を育てることに重きをおいていると語っていた。

なんでも、監督は打者の目線から「横浜バッテリーの配球は弱気だから打ちやすかった」と言い、長く育ってなかったキャッチャーを自分の手で育てはじめた。
…それも配球を捕手に対してサインで送るという前例の少ない試みで、途中まではチーム防御率が2位で、チーム打率が低かった時でも守り勝っていた時期があった。(シーズン終了間近の今データを見てみると、打ち勝ったような成績になってるけどね)

 

 

終わってみるとチーム防御率自体は大したことはなかった。

ただ…他の球団にはない安定感があった。

 

横浜にはエースがいない代わり、枚数が揃ってる!!

去年までの先発投手が試合を作れずに負けていた時とは違い、先発は防御率がよくなってて、中継ぎ・リリーフが打たれてるようなデータが個々の選手ごとにチェックすると残ってる。

中畑政権では逆にリリーフや中継ぎで若い人が台頭してたけど、今年は先発が躍進!



投手の防御率を見てるとラミレス監督の運用の旨さが際立ってる!
先発中継ぎ問わず、全員の防御率がある範囲(2.5〜3.5の間)で安定してる。

 

この記事を書いた9月20日現在のデータでは

 

先発投手(で投球回数が多い4人)

井納 3.50

石田 2.96

山口 2.86

今永 2.69

となっている。(しかも、投球回数がもっと少ない投手にも10勝以上したことのある優秀な先発投手が2人も控えてる)。

 

これが2位巨人の場合だと違う。
菅野の1.90、田口の2.36といったずば抜けて防御率のいい投手もいるけど、登板回数が3番目4番目に多い高木・内海は仲良く4.15、4.17である。

 

そのため、菅野と田口だけがたくさん投げることになって、他の投手は横浜の4人ほど投げてない。

 

これは中継ぎでも同じで横浜でホールドが多い3人は

三上 2.68
須田 2.73
田中 2.55

であるが、他の球団は1位の広島を除けば、ここまで安定していない。

 

エースもいないけど、大きくとられる人もいない
強いて言うならリリーフの山崎がほぼ4。だが、阪神や中日だとそのぐらいの防御率の選手に先発させてるし…巨人は中継ぎの二番手「山口」が5.05というかなり酷い防御率だし…。

横浜は勝利数・防御率奪三振・投球回数全てにおいて「そこそこ」な選手が揃う。

それは地味だからニュースにもなりにくく、数字も話題性も筒香とロペスのホームランが持って行く。
だが、彼らが打つ気になれるのは「誰が投げても安定試合を作ってくれるから、打者全員で4点取れば勝てる!」という安心感あってこそのものかもしれない…。

 

それだけの「選手層」を作った横浜の新人獲得戦略

DeNAの大躍進を支えたのは、「DeNAベイスターズになってから入団した2012年以降の選手たち」である。

 

活躍の場所を与えた中畑・ラミレス両監督もすごいが、DeNAが獲得した選手、そして競合したドラフト1位選手までもが活躍してる。

DeNAになってからのベイスターズは本当に人材の発掘がうまくなっている。

 

これは高田GM含め、フロントの役割がとても大きいだろう。

 

最後はその主な選手を4年分(入団4年以内で、ドラフト指名から入ってきて活躍してる)ピックアップしておしまい。
これを見てもらえると5年前の2012年から、DeNAは地道に準備をして伸びてきたことがよく分かるはず!!

 

2012年

・白崎浩之(ハズレ1位)→内野のスーパーサブ。代打で出てきたり、ショートやサードで出場したり…。

・井納翔一(3位)→今シーズン最も多くのイニングを投げた先発の柱。

・宮崎敏郎(6位)→サードまたはセカンドの主力選手。打撃の巧さから5番6番などを打つことが多い。今年になって定着。

 

東浜巨(希望1位)→現ソフトバンクの4番手先発投手。本当に今年の横浜に入ってたらもっとすごいことになってたかも…。

 

2013年

・三上朋也(4位)→横浜が誇る中継ぎ。2014年ルーキーの時にはストッパーを任されていた時期もあるが、ケガで出遅れた2015年に山崎康がストッパーに定着したため、セットアッパーに転向。

 

松井裕樹(希望1位)→現楽天のストッパー。8月には月間MVPも達成。

 

2014年

・山崎康晃(ハズレ1位)→横浜が誇るストッパー。新人の最多セーブ記録を更新したり、新人なのに侍ジャパンに呼ばれたりして一躍注目を集めた。

・石田健大(2位)→先発の2番手。井納の次に多く投げた選手であり、チームで2番目の勝利数(1番は山口俊)を出すなどの大活躍をした。

・倉本俊彦(3位)→今年がっちりと定着したショート。筒香以外で唯一3割打てる打線の要。

 

※有原航平(希望1位)→現日本ハムの実質的なエース。…スピードや存在感では大谷翔平だが、最も多くのイニングを投げ抜いているのは実はこの人。

 

2015年

・今永昇太(1位)→新人なのに「投げる哲学者」というすごいアダ名がある先発投手。横浜の中では最も防御率が低い先発投手だが、価値に恵めれず不運な人。
詳しくはこちらをどうぞ:DeNAの投げる哲学者・今永の名言集 : De速

 ・戸柱恭孝(4位)→久しぶりに、なおかつ1年目にして定着した横浜の正捕手。横浜投手陣の安定感の何割かは彼のおかげ。

 

 

 

…まとめるとこうだ。

「山口俊以外の先発に加え、中継ぎ、リリーフの重要人物、正捕手と遊撃手という守りの要、さらにサード・セカンドができるレギュラーと、代打要員の10人目のレギュラーが4年以内に入団した若手中の若手

で、まだまだ伸びしろもあるし、今現在でも勢いがある!!それが今の横浜であり、それだけいい選手を計画的に揃えて、クライマックスシリーズを成し遂げた!!

 

だからこれからは横浜に目が離せないとです!!

 

 

 これはすごく見てみたい。今強い球団は広島も横浜も10年前はどんよりしてたから、10年間ファンであり続けてる人やファンをつなぎとめるために球団が何をしてたかはすごく興味がある。

 

 ・関連情報(個人的なメモも兼ねて)

書籍:次の野球(株式会社横浜DeNAベイスターズ) 

元々は職員と選手のために作られた『全選手・全職員から「次の野球」をテーマに募集したアイデア』を厳選してまとめた本。(それを考えなおして、一般でも売ることにしたそうな…。)

12球団1位の伸び率で動員増を成し遂げたアイデアが詰まってるため、「横浜がどう変わったか」に興味がある人におすすめの1冊

 

書籍:ラミ流―how to succeed and be positive(アレックス・ラミレス)

ラミレスの選手時代の著書。著書の名前もさることながら、圧倒的な実績を引き下げて巨人のリーダー的な選手として活躍する所が某三冠王と重なる…。

新品こそないけど、Amazonの評価が恐ろしく高い作品。インタビュー聞いてても人柄・クレバーさを尊敬したけど、この本を読んだ人もそういうコメントで溢れてるからすごく気になる!

 

チケット:横浜DeNA戦のチケット情報 

久しぶりに野球見に行きたい><

特にクライマックスシリーズの巨人・横浜戦はどっちにしろ関東圏でやるんだからすご~く見に行きたい!! 

 

*1:二冠王3回。うち一回は打率二位

*2:ある年にホームラン王以外の打撃タイトルと盗塁王を総なめに。ホームランをあと三本打ってたら三冠王だったため、当時のパワプロではステータスがオールA評価に!!

*3:イチローを2軍に眠らせてた人でもあるし、もし仰木監督が来なかったらイチローは横浜へトレードされて1軍デビューしてたかも…。

*4:もしかして、清原和博ですか?

*5:工藤公康を呼ぶプランがあって交渉してて、中畑の予備だったらしいんだけど、中長期的には中畑の方が良かった気がする…。工藤が指揮するに値するほど横浜に選手が揃ってなかったからね。

*6:日本球界がWBCなんて大会を開いてでも「野球なら世界一なんだ」と言い張らないと気が済まないほどにナショナリズムに駆り立てる原因を作っちゃった人