『すべてはモテるためである』は「ねーよw」と嗤ったヤツにこそ読んで欲しい!

僕はむっつりスケベにしてツンデレにしてシャイだ。だから、言い訳をさせて欲しい。

僕は腹の底からこの本を見下してました

僕は読み終わった今でもこの本のタイトルについては「こんな本をおおっぴらに広げていた奴がいたら、それだけでキモい。男なら痛いやつ扱いだし、女なら男にだらしのないバカ女のように見下す」と断言してもいい。

生理的に受け付けなくて「喜んで手に取った奴らと同類だと思われたくない」と思いながらカバーをかけて読んだ。タイトルもさることながら、パッケージがより一層恥ずかしい。

すべてはモテるためである

 

言うまでもないが、僕はこの本を「ゲヘヘ、俺もコレでモテモテ!」という気持ちでお買い上げしてない。

「そのうち読めばいいや」ぐらいの気持ちで、僕のほしい物リストに入れただけ。

元々は青柳さん(id:ao8l22)さんから二村ヒトシさんの本を女性に向けて書いた本「なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか」を勧められ、対を成していた本だから入れただけ。

ところが、誕生日に上記の「ほしい物リスト」をブログに載せてプレゼントを募ったところ、なんと中川龍(id:noabooon)さんから誕生日プレゼントしてセットでお届けされ、彼とは何度も何度も会っているから「読まないと『せっかくあげたのに』という話になりかねない」と厄介さから読み始めた。

だが、そんな僕でも面白い。

いや、僕ぐらいモテ本と聞いただけで、食あたり気味・誤解されたくないから500文字以上の言い訳をしないとこの本について話せないぐらいシャイなやつにこそ読んで欲しい!

 この本を最初から最後まで読める人はモテる「はず」

…「面白い」「モテ本なんてと思ってる人におすすめ」と言ったが、この本ほど冒頭100ページで腹が立った本がないのも事実だ。

本の内容全体を通してみれば、誠実にして真摯なものだと思う。

真摯だからこそ、ナンパブログやモテ本にありがちな「お手軽にモテる方法」は書いてない。お手軽で具体的な方法論を書いていないことで、僕が思う「モテ本なんか読んでいる奴」を見事に除外する(本の通りのテクニックが役に立つというふぬけた根性を叩き直す)本。

だからこそあまり直視したくない現実を見るところから始まり、コレがモテ本を読まない人にとっても辛い。

とりあえず、2章までは我慢しようね

「なぜモテないかというと、それはあなたが気持ち悪いでしょう」

と読みはじめて2ページ目でいきなり突き放される。

その後もことあるごとに理不尽に感じるような内容が続く。

女性がどのように男性を気持ち悪いと思っているか、

気持ち悪いと思われていると同じ行動をしたり、自分に落ち度がないと断言できるほどに特に悪いこともしてない人に「きもちわるい」という態度を取るか、

などが語られる。

「やっぱり女なんかめんどくせーじゃねーか!」

とシャウトしたくなるような記述が続いた後に、矛先は男に向かってくる。

きもちわるい男の種類分けとして「バカ」「臆病」など人をラベリングし、何がダメなのかやそれを説教がましく罵る小言が本のかなりの部分を占める。

…特にバカの部分を読んでいるうちは「こんな単純バカはいないだろう」と冷笑したくなるほどバカバカしく、臆病は図星なこともあったが「多かれ少なかれ誰でもあるような人の特徴や思い込みや失敗を、見下した文体でああだこうだ説教されるのは不愉快だ」と読めば読むほどイライラする内容が続く。

しかも、腹が立つことにこの本は女の人の曖昧さや自己矛盾・ダブスタについておかしいとしっかり言うのは後半部分で、前半100ページはフェミニストなのではないかと疑いたくなるほど、気持ち悪い男の特徴とそれがいかに女から気持ち悪がられるかという話しかしてない。

気持ち悪い男に対して女がダブルスタンダードな発言をすることも女へのお咎めや「おかしいですね」というフォローもなく、「気持ち悪がられたお前が悪いんだよ」と言いたげな書き方で読者を罵り続ける。

それを挿絵を書いている女性のイラストレーターが「そうだぞ、気持ち悪い男の諸君。君達は気持ち悪いんだから(この時点ではフェミの手先か、モテたことで調子に載り始めたチャラい男にしか見えない)二村ヒトシのような男になろう」とか書きだしたものだから、本を読みすすめるのが苦痛でしかなかった!

気分屋の母は「母」ではなく「女」だったときづかせてくれた本

私の母は恐ろしいほど気まぐれで気分屋に発言する典型的な「気持ち悪いで態度をコロコロ変える女」で、そんな母が正しいという本が我慢ならなかった。

僕はそうでない女性との関係をきっちりやり直すことで母親の面影から決別したいと思っていた矢先にだ!

「女の人は男をきもちわるいと思えば態度を変えるもんですよ、きもちわるい男はモテないし、モテようがないっすよ。」

と言われちゃったから、僕にとってはアイデンティティークライシスに近いところまで追い詰められた。(だから、「批判されるために読む」という居直りと負けん気で読んでた)

それはもうショックだった。

それはもう、一度僕の中で世界が終わったと言うか、死にたいと思った。

母親の影から決別したいからモテたいと思ってたのに、結果的には母親のような判断と態度を取るのが女というもので、僕が見てきたものは「母」ではなく、「女」だったのだから。

「親をやって欲しかった」と今さら言わないが、僕が向き合わないといけないものは僕がコンプレックスに感じているもので、「そういう女じゃない人となら付き合える」というある種の希望と現実逃避の前に立ちふさがるような内容だったのだから!

 まぁ、薄々気づいてたけどね♨

認めたくはなかったし、きっと表裏がなくて分け隔てなく優しい筋の通った女の子がいるかもしれないという淡い希望も持ってたことは認める!

だけど、それを「他人の資質・個人差」「酷い女がいる」と思うことで済ませたかった自分がいた。

また、「酷い女じゃありませんように」「彼女が母と同じような人種じゃありませんように」と僕は女の子と仲良くなるたびに常に臆病な部分が顔を見せるようになる。

特に、仲良くなった女性には仲良くなる前にはきっと話さないであろう自分のコンプレックスやココロの闇みたいな部分を承認してもらおうとしてしまう悪いクセがある。

だから、いいところまで盛り上がれても、ある日突然、それも傷つくことに揉めたり、きっぱりと拒絶されることで去られてしまう…というトラウマを何度か経験してる。

その時の態度が今まではまともな人だったはずが、キレた時の母親そっくりになるから僕は恋愛をできない(女性から承認されない)自分にも、キレたら母親のような態度を取る女性にも嫌気と恐怖で「楽じゃないならモテなくていいわ」ぐらいの消極的な態度にならざるを得なくなっていた。

そんな経緯を的確に分析できるようになるところが、この本の大きな魅力だと言える。

この本では気持ち悪さがどういう時に出るかが具体的に出ているところや、気持ち悪いと思われ続けて、悪循環に入ってしまった人間がどうなっていくか、それに対して適度な自信や自分の出し方をどうして行けばいいかをきっちり書いてくれている。

だから、自分の恋愛と、男女関係に於ける失敗や逃げ腰になっているところやないものねだりをしちゃっているところなどを省みることができる!

自分が恋愛でうまく行ってた部分と、失敗した部分、そもそも始めることさえできなかった時に何がいけなかったか…それをマニュアルや女の子のタイプじゃなくて、自分の心のあり方という内面的で自分の力で改善できる部分で教えてくれる・考えるヒントをくれる。

得体が知れないと女の子に首を傾げてる僕に

「ちょっと待って。君は女の子に対して仲良くない時にはコンプレックス出さない努力をしてるけど、仲良くなると女の子に承認されたと思いたくてコンプレックスを背負わせようとする悪癖があるよね?恋愛するならコンプレックスをインチキに自己肯定したり、無理に隠そうとしてもバレるぜ」

「心のふるさと(自分が楽しいと思えること・趣味)があるが、やたらとムキになって口に出すのは良くないね。自分にあればそれでいいのに、余裕も自信ない・その話しかできないように思われるかも知れないから、もっと黙っててもいいんじゃない?」

と自分がうまく行かなかった女の子との関係について、心当たりがあるところを探すように、探したくなるほど慎重になるように本が構成される。

胸くそ悪いこともいっぱい書いてある。

だけど、「薄々気づいていたけど向き合いたくなかったこと」「現象としては他人の変化だから見落としがちだけど、自分が他人にとった態度の失敗」などを自問自答できるように作ってある。

それを元に考えた上で「自分の恋愛はどこでうまく行かなかったか」「自分が気持ち悪いと思われる、気持ち悪さが出る状況はどんな時で、その気持ち悪さは事前にどこまで改善できるか」がドンドン見えるようになっていく。

「すべてはモテるためである」かどうかは知らない。

ただ、恋愛恋愛とうるさい奴、モテるために必死すぎてイタい男を応援できない、どこか諦めた目で見ている人にこそ価値がある本だ。

臆病さゆえにブレーキをかけてたり、他人や環境にばかり原因を見出しているからモテが難しく見えすぎているだけかもしれない…。

ただ、「自分のダメな部分と向き合う不快感」「理不尽にしか思えないほどきもちわるいと女性から蔑視された経験とその理由」「モテや恋愛や女性の得体の知れなさを目の当たりにしたことで考えること挑むことをやめかけている(が、女性からは承認されたいし、ヤッてみたいこともある)という自分の姿」をこの本をきっちり読むことで直視するようになれば、その人はきっと本を読む前よりは、モテる人・相手の女性をきっちりと見て気持ち悪くない振る舞いを判断する余裕がある人になっているんじゃないかな?

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

アマゾンでほとんどいい評価がない理由は「最後まで読める忍耐力がない人はそもそも読むことができないから」です。だから、アマゾンレビューが言うよりも好き嫌いが別れる本だと思います。

・関連記事

恋愛つながり。この本を読んでる時に書いたから、かなり影響を受けてる。

きっかけ。この時、中川龍さんに会ったこと・恋バナを少ししたのがきっかけ。

この本のおかげで「フリーゲームファンはいつもレビューを読んでくれているのに、声をかけてくれないのが寂しい」という悩みが少し晴れた。自信を持ちたいから人の評判や声を欲しがってしまう。逆に陰ながら応援されるのは信用の証と思うことができて余裕のある気持ちや振る舞いに近づけた。恋愛から逸れてるが、そのことに感謝してる。

タイトルとURLをコピーしました