かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

野球ファンなら「ラミ流」を読んだ方がいい!いや、野球関係なくいい本ですよ!!


つい最近、ブックオフで掘り出し物を見つけた。

 

野球の本のつもりで手に取ったが、野球以外のところも含めてとても面白かった。

 

どの辺が掘り出し物?

今、横浜DeNAベイスターズの監督をしているアレックス・ラミレスが選手時代に書いた唯一の著書。

 

選手時代には打点王5回、外国人初の2000本安打所属したチームはだいたい優勝させるという優勝請負人。
監督としては、弱小球団だった横浜ベイスターズを初のAクラス、クライマックスシリーズ進出へと導いた名将。

 

 

そんなラミレスが自身の半生や野球哲学について語った本。

 

まず、ラミレス自身に密着したインタビュー自体が(選手としては外人、監督としては不人気なDeNA、ラミレス自身がネガティブな人を避けてるから)少ない。

つぎに、ラミレスの数奇な人生にスポットを当てたメディアも少ない。

 

だから、ラミレスが日本野球のどこにインスパイアされたか、どんな少年時代を送ってきたかを知っている人は意外と少ない。

 

それを記した数少ない資料がこの本である。
早い人なら1時間もあれば読める内容だし、Amazonで1円で売ってる本だから、興味が湧いた人はぜひ読んでほしい。

野村克也のID野球+中畑清のポジティブさ=アレックス・ラミレス

ラミレスが日本で成功した理由は2つ。

 

1つは、ラミレスが日本の野球を馴染むために色々な努力を重ねたこと。
特にキャッチャーの配球を研究して、次に来るボールを読んで打てるようになったこと。
当時は矢野や谷繁など名捕手揃いだったセ・リーグで研究したり、し返されたりした影の攻防の話をしてる。

 

この経験はDeNAの監督をしてからもインタビューでちょくちょく答えていることでもあり、この体験からDeNAの監督就任後も正捕手が決まる前には監督自らサインを送って、捕手を育てている。

 

日本の選手との交流はチーム内でも盛んで、チーム内の一流選手達・監督とも交流しては、日本の野球を受け入れていった所が描かれている。

特に、日本の選手の中では通算打率が最も高い若松勉監督の教えが成功につながっているようで…最近では、色んな所で言われている「逆方向へのバッティング」をラミレスに教えたのは若松勉監督だという。

 

日本の野球、他人へのアドバイスをを素直に聞き入れた経緯もキチッと描かれている。

まず、キャンプからして日本野球のキャンプは違うらしく、1日目からラミレスは驚いたようだ。

当初は守備位置を「ライト」として契約していたが、当時ライトを守っていたのが(ゴールデングラブ賞を5回取ることになる)稲葉篤紀で、とても稲葉とは争えないと判断してキャンプの数球で、レフトとしてやっていくこと・打撃で貢献することに意識を切り替えたのだという。

 

もう1つはラミレスの人柄がすごくよかったこと。

特に、すごくポジティブな人で、困難へ変化を楽しんで捉えている。
また、ポジティブでかつ素直な人だから、周囲への感謝を忘れなかったり、人のいいところを見つけては褒めているため、ラミレスが所属したチームは精鋭ぞろいでかつ、強い。

 

 

一流の選手に色んなやり方、いいところをキチッと活かすための準備がそれぞれ違う所をまなびつつも、巨人に移籍して若手や日本の野球ならではの弱点にも気づいて「メンタル面での準備の重要性」も説いている。

 

ただ、「だからお前はダメなんだ」みたいな説教がましい言い方ではなく、「試合に出るなら、活躍したいならこうやったほうがいいよ。」「僕はこうやって活躍したよ」という言い方で、違うやり方の選手の存在も、日本的なやり方を受け入れながらも、それでは伸びきれていない選手に手を差し伸べてる。

 

ヤクルトも巨人も精鋭ぞろいだったが、監督を務めているDeNAは精鋭ぞろいどころか突き抜けきれない選手が多く、それをどう変えていったかがよくわかる内容となっている。

 

マスコミに出てくる情報を見ていると、理論派のラミレスと前任の中畑清(通称:絶好調男)は真逆に見えるが、根っこの部分はすごく似てるのが本を読んでわかって面白かった。気持ちで負けないために自分からムードを作っていく所が共通してる。

 

ポジティブの秘訣はキリスト教?

野球以外で面白かったのはラミレスがキリスト教を信仰しているということ。

 

宗教のことは最後の方にチラッと触れただけだけど、ラミレスの生い立ちやメンタルの強さとセットで聞くと「あー宗教って人間のメンタルにこんな影響を及ぼすのか」と納得できるところがあって、勉強になった。

 

ラミレスは野球を続けるのも、学校に行くのも困難なほどの貧乏な家の生まれ。

だから「どうしようもないこと」「どうにもできないこと」を受け入れようというメンタリティを作っていく上でキリスト教とは相性がいい。

 

日本では宗教への信仰は何かとバカにされがちだし、それを学問や哲学の世界に持ち込んだ過去の偉人を馬鹿にする人もいる。

でも、それは電車が5分遅れただけで鉄道会社が謝るほど、近代化してる国…それこそ40年前のベネゼエラからみたら「何もかもが思い通りに行く世界」だから「神なんて信じるのは神を語る人に搾取されている」とか思っちゃうわけ。

 

でも、ベネゼエラで色んな人に支えられながらメジャーリーガーになって、
メジャーリーガーになっても偶然から結婚したり、逆にコーチから冷遇もされ、
ベネゼエラから見るとマイナーリーグとそんなに変わらない日本にビジネス目的で野球しに来たのに、最後には日本で野球の監督になりたがってる。

 

ラミレスの人生は本当に紆余曲折で、色んな偶然と、それまでとは違う常識への順応で成り立ってる。

「塞翁が馬」 なんて言えば簡単だけど、そんなこと逆境や困難の中でいい続けられる強い心を保つのはとても難しい。

 

それをキリスト教を信仰して、いろんなものを受け入れようとしたり立派に振る舞おうとすることでメンタリティを維持していこうとするのは、納得できる。

 

ラミレスほど極端じゃなくても、偶然や違う常識を受け入れて前に進むのは難しい。かくいう私もそういうことで悩むことは多い。

「だから宗教をやれ」というわけではなく、その時の心のあり方を宗教から学んでいく姿勢を見ると「なるほどそういうことか!」と教えられた。

 

変化に対してウジウジ悩んで自信をなくしてしまうのではなく、素直に周囲の意見を聞き入れたり、しっかりと準備をしたり、偉人や一流選手ならどう振る舞うか考えて立ち向かっていく前向きな姿勢は野球にかぎらず大事なことで、学ぶべきだと思えた。

 

そんな気持ちからこの本を紹介させてほしいと思いました。

 

監督辞めてからでいいからもう一回本を書いてほしい。 こういうポジティブな人は日本に必要。

 

 

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