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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

【ゴースト・イン・ザ・シェル感想】実写化するならガイ・リッチー監督でやってほしかった…。


攻殻機動隊をやれば、宗教戦争が起こるけど、戦争するためにみんな見に行く

 

「攻殻機動隊」とつくと、それが押井守版だろうが、OVAだろうが、一応見ないと我慢できないから見に行ってきた。

 

「というわけで、攻殻機動隊ファンはSSS辺りから一貫して【攻殻】とつけば、とりあえず見に行っては、文句を言って【結局ピークは(原作/押犬/笑い男)】とか言い合ってると…。」

 

融合する以前に、実態がない脳内彼女(以下、彼女)「それ、めんどくさいガノタが結局は『富野しか認めない』とか言い出すくせに、呪われたように、新シリーズを必ず見ると同じスパンに入ってるってことやで??…偏見やけど。」 

 

俺「限りなく同類だよ?万が一攻殻機動隊オフ会とかやったら、コアな原作ファンが数で勝る神山アニメファンで殺し合いが始まるだろうし…。」

 

彼女「そのオフ会、多分押井守ファンだけ隅っこで男だけで固まってそうw」

 

俺「わかるwwもしそのオフ会あったら、東のエデンから神山作品に逆流して攻殻ファンになったやつか、原作ファンのガチガチなやつしか女がいない…まぁ、偏見だけど。」

 

彼女「そして、そういう偏ったコミュニティで新作ができる度に、それが冲方丁やろうが、ハリウッドやろうが、文句言うし、それなりにわかったフリをしながら喋るんやろww」

 

俺「そうそうwwそして、それをやりたいから、どう見ても面白くなさそうな新作でも絶対見に行く…と。」

 

彼女「めっちゃ趣味悪いww」

だからこそ、ある程度攻殻機動隊が好きな人しか、新作を作らない

俺「今回のゴーストインザシェルなんて、まさにそうで…アニメ版の攻殻機動隊ファンがむしろ細部はもちろん、押井守作品や日本の映画をある程度見たからこそ…というシーン、キャストが多々ある」

 

彼女「初見の人には伝わらないどころか、初見バイバイやろ!それ。」

 

俺「初見の人が見たら全く面白くないくせに、原作・アニメ・周辺作品を見た人には【つまんないけど、やりたいという気持ちだけは伝わる】という。」

 

彼女「ファンアートやん。アニメ楽しんだ後に読む、蛸壷屋みたいなもんやろw」

 

俺「女の子が蛸壷屋とか言い出すの色々ダメだろww…そうだけどさ。単発で見るとあんま面白くないけど、つなげてみると面白くなるファンアートだけどさ…。」

 

彼女「制作費110億円…吹き替えには押井版、神山版でおなじみの声優が登場するファンアート #とは」

 

俺「しかも、映像の豪華さが思いっきり、攻殻の良さをぶち壊してるから【11億でいいから、押井守本人に実写作らせろ!】とか思ったわ…。」

 

彼女「押井で、実写とか死亡フラグでしょw紅い眼鏡みたいなやつ11億円分見に来る人がいる?絶対ないわ~」

 

俺「でも、映像版の攻殻機動隊って、押井守が作った時代劇だからなぁ~【時代劇】な感じが再現できる人じゃないと難しいよ。」

 

彼女「難しい問題を語り合っているように見えて、最終的には水戸黄門の印籠顔負けの様式美めいた暴力で解決するところ??」

 

俺「そういうところも時代劇臭いんだけど…この場合は、押井守の生きた時代を時代背景として設定や世界観を作っているという意味。ちなみに、神山作品は押井が作った世界観を土台に押井哲学の代わりに、洋画オマージュと、SFらしい未来予測と、わかりやすさを継ぎ足して見やすくした作品。

 

彼女「なんか、ウイスキーやと飲めへんけど、ハイボールやと飲みやすいとかそういう風に言われているように聞こえる。」

 

俺「そのたとえならソーダ割りされたウイスキーをミックスジュースかなんかでさらに割ったのが今回の映画」

 

彼女「うわ~味が喧嘩しそう…。」

 

俺「ただ、どういう仕上がりになっていようが、攻殻とつくと飲まずにいられないのが、攻殻ファン。」

 

彼女「それ、ファンちゃう!中毒や!!!」

押井守は時代劇。

俺「せっかくだから、押井守版の攻殻機動隊の影響を受けても…外国人がやると押井守にならない理由をしっかりさせておきたい」

 

彼女「あんなにひねくれてる方が難しいからやろw」

 

俺「否定できない(´・ω・`)」

 

彼女「…せやけど、外人がやっても、神山作品ぐらいには…」

 

俺「だから、神山作品自体が押井守をいい塩梅に薄め直したようなもんだからなぁ…。」

 

彼女「あんたの言う押井守ってなんなん?」

 

俺「学生運動の時代の空気感。…もといその時代の熱量をねじ伏せようとする国家権力や同調圧力。と、国家や社会システムが膨張して個人を代替可能にしようとしている時代に個や生命を求めて生きようとしている人間のアイデンティティの再定義」

 

彼女「すごく昭和~。」

 

俺「それを、SFとか、兵器のビジュアルとかで薄めて若い人でも見られるようにしているのが押井アニメ。*1

 

彼女「いわゆる、中二アニメってやつですな。」

 

俺「すごく雑に言うと、中二アニメやロボットアニメって、圧倒的な暴力が必要だから、それを保有する国家だったり、悪用する権力の存在が必ず出てくる。」

 

彼女「中二病アニメが勢いを失ったのは国家権力や政治への関心…個人の無力感みたいなものが小さくなった結果でもある…と。萌え系ならいちいち大きな暴力も、暴力的な権力や雑踏の中で個を見出すとかいちいち考えなくていいし。」

 

俺「そして、そういう世界の中の個人って、笑い男や草薙素子みたいなトリックスターでもひっくり返せない。ひっくり返せそうなほど強いけど、暴力を前に従うか泣き寝入りしてる。」

 

彼女「GIGで、公安9課の弱点は【数】だと言ってるね。大きなシステムを前に思い悩むトリックスター…という題材が多いのが押井・神山作品の特徴やね」

 

俺「特に攻殻機動隊って、アニメもマンガもネットが普及しきってない時代の作品だからね。一人で大儲けするIT長者、インフルエンサーに対応する手段が出てくることを想定してない…ITや科学技術も国が掌握した世界でのお話だから…。」

 

彼女「神山健治版はその辺、世論とか電脳世界で支持を得ているクゼ・ヒデオの存在があるから、今のSNSにどっぷり浸かった子が見てもわかりやすいけど…押井守の攻殻機動隊はSNSがないくせに、先にロボットやら自動操縦ができちゃってるよね。*2

 

俺「しかも、自動操縦までされたロボは、軽量化もされてないごつい感じのロボットで、メカ特有の重厚感があるし、色彩もLEDっぽいライトではなく、昔からある濁った色の物が多い…と。」

 

彼女「もし、今の技術の延長で多脚戦車とか出てきたらもっと薄型だよねぇ…」

 

俺「で、それを本当にやっちゃったのが、実写版ゴースト・イン・ザ・シェルなんだよ…」

 

彼女「うわぁ~重厚感がなさそ~。」

 

俺「攻殻機動隊に出てくる車両とか、ロボットは基本的にゴツいし、角ばってる。これは80年代90年代のメカのデザインの延長にあることだから。」

 

彼女「神山健治版はかなり丸くしてるけど、それでも重たそうな質感にするために分厚さは失ってないものがおおいよね。」

 

俺「lainとか見てもそうなんだけど…ネットがリアルを侵食して物理現象にまでなってるところとかが出てくるんだけど…出てくるメカはもろに90年代。パソコンはもろブラウン管だし、配線がぐじゃぐじゃだし、LINE(SNSでもチャットでもなく)じゃなくてメールだし…。」

 

彼女「つまり、押井守に限らず、近未来SFは、時代劇…と。」

 

俺「そう。攻殻機動隊を実写化するなら未来感の再現よりもむしろ、【20年30年前の人が考えた未来だから、20年30年前のモノを部分的に出さないと、かえって違和感が残る】…と。」

 

彼女「その言い分をわかりやすく説明しているのが、エヴァやね。エヴァや都市部には最先端技術だけど、シンジ君が持ってるのはカセットテープだし、新劇場版:破では【これでもか~】ってぐらい昭和歌謡が出てくるし!」

 

俺「映像的や演出は懐古主義なんだよね…。」

 

彼女「でも、実写版ゴースト。イン・ザ・シェルでは、むしろアニメ版のファンアートになってるから内容が懐古主義だった…と。」

 

俺「特に神山健治版の攻殻機動隊は、内容は近未来を言い当ててる。クゼ・ヒデオが仮想通貨の走りみたいな概念で資金集めをしたり、トリックスターが世論や大衆と一緒に動くことで、政治と対峙したり…。」

 

彼女「実写版にそういう未来的なところは??」

 

俺「ほぼなかった。」

 

彼女「うわ~攻殻機動隊ファンの酒の肴以上でも以下でもない映画やねぇ…。」

 

俺「ハリウッド風の勘違い日本、勘違い攻殻をゲラゲラ笑いながらポテチとビールをつまむような映画ですわ…。」

ガイ・リッチー監督とかにやってほしかった

俺「そこに、ビートたけしが演じたせいで、武闘派になっちゃう荒牧…。」

 

彼女「頭脳派の荒牧課長まで、暴力要因かよ…」

 

俺「トグサもどっちかというとそっちになってる。」

 

彼女「刑事の頭脳を活かしてくれているだけAriseの方がまだ攻殻っぽい」

 

俺「Ariseは忠実だよ。ただ、コアすぎるだけで。」

 

彼女「忠実すぎて逆に伝わらないけどね」

 

俺「今回のは、上っ面だけ。せめてアクション多めでやるにしても攻殻はガンアクションよりも格闘技やスロー演出で見せ場を作る作品。そういうことができるガイ・リッチーみたいな人がやってほしかった」

 

彼女「シャーロック・ホームズの映画とかは、推理というよりバトルモノだしね。」

 

俺「原作の、アニメよりは圧倒的に喋るキャラを参考に組むと、けっこういい感じになると思うんだけどなぁ~」

 

彼女「ますますネット感なくなるんじゃない?」

 

俺「ガイ・リッチーもSNSっぽい要素を映画に持ち込まないし、暴力・権力の間を漂う個人の話多いから、押犬先生とあうと思うんだけどなぁ…。実現してくれないかな~」

 

彼女「面白くはなるかもしれへんよ?でも、それが見たいの、日本中であんただけやとおもうで??」

 

俺「それを、プロジェクト2501として、水面下で実行してほしい」

 

彼女「攻殻ファンに殺されても知らんぞ…。」

 

 

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ちなみに、00年代後半~2010年代のぼくと同じ時代を最も「時代劇」に落とし込んでるのは朝井リョウだと思う。面白くはないけど、今がどういう時代かを説明できてると思う

*1:押井は高度成長に近い時代だけど、宮﨑駿は戦前・戦中ぐらいも含めた世界観をファンタジーで割ってる。時代劇という表現が当てはまるのは実は押井も宮崎も一緒。年寄りが年寄りの話をそのまま言っても若者が聞き入れないから、若者が好きそうなユーモアで中和して説教たれてるのがアニメ映画

*2:ちなみに、ガッチャマンクラウズの中村健治まで行くと、国家の権力装置としての説得力がグズグズになって、SNSの部分がメインになってるSFができちゃう