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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

【ネタバレあり】映画「何者」なんか、ちっとも闇が深いと思えない!!

くねくね 映画の話 映画の話-邦画

正直言って見に行くに値しない。
この映画に対する世の中の好評化も、理解に苦しむ。

 

だから、この映画についてはラストシーンらへんまでももれなくネタバレする。
ネタバレした上で、どこがどう気に食わないかを語る。 

あらすじ

 結論から言うと…現代っ子には普通のお話。

 

就活浪人した主人公の周りに、少し手伝ったらすぐに内定する子、内定が出なくて自己嫌悪や八つ当たりに走る人それぞれが出て…という話。
あるいは、学生時代を終えることで家庭の事情に巻き込まれたり、学生時代にやっていたことに見切りをつけようとしたり、学生時代にしてたことに結果を求められ始めたり…そういう話。

 

そんな登場人物達を見ながら、主人公はTwitterの裏アカウントに「何者」と名づけて、周囲の勘違い君、勘違いちゃん達の行動をツラツラと書きなぐっていた。

 …それが、ラストにバレてしまい、バレたくない人達にもバレていることがはっかくして主人公が号泣する。

 

典型的な若気の至りで、「主人公もバカにしてた奴らと同じく勘違い君でした」というだけのお話。

 

ただ…予告が神がかり的なカッコよさなので、ついつい見に行ってしまった。

 

 


予告以上でも以下でもないものを2時間ほどに希釈されて見せられ、ありふれたその作品を世間で「闇が深い」「好評化」だと言われるのが、我慢ならなかった。

 

ネットしてたら「口は災いの元」であることぐらい当たり前の話

主人公がSNSの使い方がポイントになる作品だが…とても杜撰な主人公だと思った。

 

根拠は大学生入ってからずっとSNSを使いこなして、酸いも甘いも噛み分けてきた自分自身の体験だ。
主人公と違って裏アカウントは作ってないものの表のアカウントに悪口や角が立つこと書きまくって友情を自分から何度もクラッシュしたことが何度かあるから共感もしつつ、おバカだとも感じた。

主人公や僕が特別だと言いたいのではない。
mixiTwitterをしたことのある人には一定数いる層の話。
だから、僕も「ネットに闇を書き込むこと」の表も裏も知り尽くしてるし、してるからこそアレを闇とか言ってる人間がぬるく感じてしょうがないね〜♨

 

「表のアカウントで喧嘩になるなんて、主人公以上のバカじゃないか」

と思われるかもしれないが、コレにはキチッと計算と前例がある。

僕がサブ垢で悪口を書かないのは、サブ垢で悪口ばかりのアカウントを作ると、アカウントが見つかった時に「悪口だけの、印象がものすごく悪いアカウント」がひとり歩きして炎上する。
だから、悪口専用のサブ垢の炎上はちょっとづつ悪口を書ければ、「たまにはこういうこともあるよね」で済む話も済まなくなってしまう。

 

バカであると同時に、リアルでもある。

いや、ありふれたリアルだからこそ「闇が深い」「ぞっとした」「強く揺さぶられた」という感想を多く聞く人が意外に感じ、見聞が狭い人が多いことに驚いた。

 

それこそ、岡田斗司夫の裏アカウント騒動みたいに、実際に「被害者」がいたわけでない。乙武洋匡さんみたいに実際のお店(企業)の評判を左右したわけでもない。

何者なんて、ただの悪口。
誰も大きな損も危害も被ってないただの仲違い。
闇と呼ぶには、あまりにも甘酸っぱい青春の1ページじゃないですか♨

 

…なぜこんなにむくれているか?
それはこの作品を闇だの刺さるだの言ってる人の中に、「嘘だろ!?」と言いたくなる大物人物が混じってたからだ。

 

例えば、この人とかね。

 

言わなくてもわかると思うが、この人はエヴァンゲリオンシリーズの主人公である「碇シンジの中の人」だ。

エヴァが好きな僕は、彼女の演技には病んでる時に励まされた。
同時に、エヴァほどきちっとした闇…就活とか友達がどうだとかそんなつまんない闇じゃなくて、一生涯付きまとうだけの闇を…繊細に演じてみせた人が…なんで!?という気持ちになる。


この映画の事を考えると、僕の中で真っ直ぐでありたい気持ちがちょっとやさぐれてしまう。
こんな映画をよりにもよって緒方さんが…と、個人的に凹んでる。

 

ただ、このツイートが全部悪いかというと…それは違うよ!
凹んだと同時に、1ツイートながらこの映画がどういう映画かをきちんと説明されているツイートだとも思った
さすがは人に感情や声を伝えるお仕事をしているだけのことはあるわ…。

 

若い子よりもむしろ、中高年が見た方が刺さるかもね。

緒方恵美さんのツイートに「年代・柔軟性によって賛否が分かれそう」という言葉があったが…年代によって評価が分かれる映画であることは確かだと思う

 

それこそ、緒方恵美さんは私の親世代の人間だから…若い頃にはネットもケータイもなかった。

極端な言い方をすれば、ファミコンが発売された時にまだ学生してた人」だよ?
ネットがない・パソコンがないどころかまずゲーム機が出たばっかりとかそういう時期の世代。

 

そんな時代の人に「裏垢で友達の悪口を言う根暗男」が同級生にいるなんて想像できるはずがない。
いいとか悪いとかじゃなくて、影響の受けたものが違いすぎて、センスが違いすぎる。だから、きっと受けるショックも違うのだと思う。

 

現代っ子の僕にはスケバンが都市伝説にしか思えないのと似たようなもん。
また俺らはブルマが消えた世代だから、ブルマの良さがそもそもわからん。
それをおっさんらに「え?」と怪訝な顔をされるのと同じ。

 

そして、もっと致命的なところでも感性が違う。

緒方恵美さんの同年代の人が大学を普通に卒業しても、今のような喪服っぽい服を着た何千人の人が合同説明会に出たり、就活生として同じ動きをする光景なんかなかったんだよ!!そりゃ、不気味にも感じますわ。
(※女性のリクルートスーツが黒一択になったのは2004年。80年代-00年代『JJ』におけるリクルートスーツの変遷 を見てもらうと、80年代・90年代はまだまだスーツの色は自由だったみたい)

 

「緒方さんを年増呼ばわりしてるお前こそ何者だよ?」

 と思われるかもしれない。

僕は、この映画の原作者である朝井リョウくんと同じ89年生まれの若者だよ。

で、彼も僕も現役合格者だから…彼と僕が就活した時期も一緒。

 

…だから、わかるんだ。

リーマン・ショック東日本大震災と戦後最低と言われた菅直人政権下での終わりの見えない就活と、社会と同化する虚しさがね!!
フィクションの世界みたいな闇を、俺も朝井リョウも見てるんだ!

 

特に俺さ。やっこさんよりもさらに深く、生臭いものを見ちまってる。
地方の学校から早稲田入ったドエリート様でかつ、在学中に作家としてもう「桐島部活やめるってよ」でけっこうな成功を収めてたからつぶしも効くし、そもそも内定だって普通の学生に比べて取りやすかっただろう。

 

癪にはさわるが、それはやっこさんの努力と才能で勝ち取った権利。そこに対する妬みはない。

 

でも、やっこさんと同じ世代で、より怖いものを知ってる分だけ

「そんな奴どこにでもいるわ」

「在学中に気づいたのはすごいけど、ただ早熟なだけで何の天才性も闇もない」
「作家と言えるほど、すごいことに気づいたわけでもなんでもなく、ありふれたことを手早く的確に表現しているだけ」

としか、思えなかった。

 

これが、「桐島部活やめるってよ」では、映画演出の力で「すごい映画かも」と思わせてくれたんだが…『何者』はありのまま過ぎて、かえって当たり前すぎて…ダメだった。

 

だって、あいつらそのまんま俺なんだもん。

同世代のやっこさんが、自身の小説を再び映画化して中田ヤスタカとコラボしてるその頃、俺がしてることなんか地道に地道にネットの片隅でネット民しか見ないようなブログを「拙いなりに作り続ける」ことだよ。

 

昨日、日本一になった日本ハムの四番打者「中田翔」も俺と同じ歳だけど…俺の書いた記事が、日本中に見られることなんか1回もない。

せいぜい、札幌ドームを満席にできるぐらいのアクセス数を1日で叩きだしたのはブログを5年間やって…10回ほど。
別に表彰されたことも全国的なニュースになったこともない。

 

そう考えると、俺は作中に出てきた

「ヘタクソな演劇を就活もせずに続けている人」でもあるし、

「アピールしようアピールしようと何もない自分をべらべらとしゃべるイタイ女」と変わらないし、

「斜に構えて、ネットに他人の醜態を書きまくるわりに自分は何もできてないし、できないと思い込むことで逃げようとしてる主人公」とも重なる。

このブログの大したことなさを自覚しているという意味では「内定もらってすごいね。と言われても実感も何者かになれた気になれない友達」でもあるのかな?

 

俺が俺の闇を何等分かに切ってなおかつ人々が見られる程度のサイズにしたそれらを見て「闇が深いね」なんて思えるわけないし!!

登場人物3人とか4人ぐらいの闇を全部携えて、醜態を晒しながら生きているんだから、あんなことで大声出して泣く役者もストーリーも、スクリーンを見て「闇が深い」と感じる人がわからない。

 

「共感」はしたよ?
でも…「闇」ではないよ。
「ありふれた現実」「89年生まれの学生時代にはよくある話」だもの。

 

 さぁ、あなたは何人のあなたの闇の姿を見るでしょうか?

 

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これは僕の闇ではなく、「こういう闇の描き方もあるのか」と関心した作品。
この映画みたく楽しくないことからシリアス感を出す映画もある。
でも、シリアスじゃなかった人が本格的に病んでいくことで、闇そのものに感情移入して泣いてしまったり、あまりにも深い闇を前に、その人のためについつい祈ってしまう。…そういう映画でした。