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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

マンガ「リィンカーネーションの花弁」の偉人達の異能力バトルがアツい!!

マンガ棚

人が才能を目の当たりにして抱く感情は3つ。

「感嘆」「恐怖」ーそして、「嫉妬」

 

才をつかめるやつは3つ目がより深い奴。あたしの持論だ!!

1話を試し読みした時に、上のようなセリフが出てきて、「これは面白いでしょ!」と期待して読み始めたら、本当に面白かったから、今日はリィンカーネーションの花弁を紹介したい。

  

 

 

・概要

「輪廻返り」と呼ばれる前世の才能を現世に呼び起こす現象を通じて、元々凡人だった人達が、歴史上の人物の才能を手にした話。

 

…ただ、授かる才能は選べないため、犯罪者や独裁者などの才能を得て戦いを臨む人もいれば、逆に英雄や偉人の才能を得る人もいる。

特に、偉人の才能を得たもの達は「偉人の杜」と呼ばれる組織を作って、犯罪者の才能を受け継いだ連中を排除するなど、力を役立てようとしている。

徹底的に凡人。凡人が能力を持つからストーリーが生まれる!!

このマンガ好きな理由は…元々「天才」なやつが出てこないことにある。

 

デメリットを知らないまま、自分が知ってる才能のない人を不憫に思って役に立とうと才能についてポジティブに考え、そこで壁にぶち当たる作品になっている。

 

本当の天才…生まれた時から天才であることが当たり前の人は出てこない。
そして、そういう人特有の天才ゆえの諦めとか、ないものねだりは描かれず、凡人だった人がいきなり才能を持つ分だけ、「自分が才能を持ってる」ということに肯定的に考える作品になってる。
現実に実在する天才は、自分が天才だとか才能があるとか思ってさえいない場合や、無自覚さゆえに才能がいい方向に使われない…ということもしばしばある。だけど、作品にそういうひねくれた部分がなく、才能がある/ないってことと向き合ってる作品。

 

 

このマンガは「偉人達の圧倒的な才能を凡人がすがりつく思いで手にし、その再小納で何をするか」という話だから、凡人と天才双方の才能との向き合い方を描いている。

 

例えば、序盤。1・2巻こそ才能がない人間が才能がないこと、自分自身の嫉妬と、他人からの比較・見下しにうんざりしてる凡人達の凡人らしい凡人の話であり、凡人が自分の不甲斐なさに悩む話になってる。

 

話が進んでいくと、偉人の人格を授かる人と、犯罪者や独裁者の人格を引き継ぐ人の存在の話へシフトしていく。
…才能があっても、どう使えばいいか、そもそも使っていいのかに悩む。(※主人公の才能も「使いにくい才能」であり、偉人の杜の「才能を授かった人は才能を活かすべき」とは矛盾したものであるため、このテーマは特に掘り下げられていくと考えられる)

 

一方、3・4巻は正反対。徐々に才能を長く持ち続けた人間…つまり、「持てる者としてどう生きていくか」という話へとシフトしていく

凡人だった頃の自分を忘れて思い上がってしまったり、才能を持ったことで頼られることにも勝つことにも退屈したり…凡人だった初心を忘れる人がでてきたり、才能があることそのものが卑怯に感じてしまったりするようになっていく。

 

偉人の異能力バトルを売りにしている作品でありながら、真面目で等身大なテーマにキッチリと向き合う作品になっているとこが、好き。

 

それらは肩の力を抜いて生きてる人、そもそも負けず嫌いでもない人、親や先生にガミガミ言われて育ってない人には「子どもっぽい」「思春期引きずってる」と見えるかもしれない。 

でも、その思春期っぽい凡骨なコンプレックスと、多少大人になるまでのどこかで自分に対してきっと見出すであろう「才能」の組み合わせがただでさえ中二病っぽい「偉人達の能力バトル」というテーマを更に中二っぽくしてて好き!!

 

テーマからして他人とは思えない…世の中に対して感じている理不尽や使命感や退屈さをきっちりと代弁されていて、グサグサと刺さった。

 

偉人を取り扱ったフィクションの中ではかなりコアな作品

 偉人と言っても…他の作品が切り取りにくい偉人を紹介するように工夫がされている所が面白いと感じた。

 

…偉人の名前や能力を継承する作品はどうしても、武人や戦国武将に偏りがち。

 

だが、「リィンカーネーションの花弁」のように文化系の偉人・実際に戦争で活躍した兵士・犯罪者などをピックアップしていくスタイル。(だから、マンガを読んでいるとちょっと検索しないと出てこないような偉人・犯罪者に詳しくなる。)

これほど、思い切った事をしてる作品は珍しい。

 

…そうだなぁ…。

 

やっていることは文豪の名作やフレーズを異能力に咀嚼しなおして、イケメンキャラに落とし込んだ文豪に異能力バトルをさせるマンガ「文豪ストレイドッグス」と、
実在する歴史上の人物を機械化したりマンガっぽいビジュアルに落とし込んで、第二次世界大戦にロボットアニメやSFのテイストを加えたマンガ「ロボット残党兵」を足して割ったような感じ。

題材の拾い方、キャラクターの作り方、世界観やバトルの作りこみがこの2つの作品のいいところ・わかりやすくなるようなところをうまく取捨選択したような作品になってる。

 

 

「キャラをイケメン・萌えキャラばっかりにしなかった面白さ」の顕著な例はシュレーディンガーと、ニュートンだと思う。

シュレーディンガー」の才能を持った人は顔がネコのやつが出てくるし、「ニュートン」はリンゴの格好した奴が出てくる。

ニュートンはボケキャラで、ツッコミ役のアインシュタインの才能を持ってる女の子に殴られると、りんごの品種を言いながらリアクションする。
しかも、そのりんごの種類がほぼ毎回違うというよくわからないところで凝っているところが面白い。

 

女の子に擬人化されてるキャラも複数いるが、無機物や男をベースにキャラ化してるやつも多い。
だから、萌え萌えしてないのが読みやすいし、割と誰にでもオススメできる。

 

 

しかも、ビジュアル的にユニーク文化系・軍人系の偉人が多いことはその人が何者だか知らないことえ、出てきても展開が読みづらくする効果、キャラに興味を持たせる効果もある。
そんな時に、登場した偉人を単行本のおまけページで紹介してくれるのも僕みたいな雑学大好きマンには嬉しい。
 

普段マンガにならない偉人がマンガで異能力をふるっているせいか、こころなしかかっこよく見えたり、異能力自体が新鮮で読み応えにつながってる。

 だから、バトルマンガというありふれたジャンルなのに、独自の地位を確立してると思う。

 

もっと注目されていただきたいねぇ…。

まだ、最新刊まで読みきってない時に渋谷の大きめな書店2店ほどで探してみた時になかったのが嘆かれる…。
マイナーな所で連載しているせいか、本をおいてる所が絶対的に少ないかったり、作者のツイッターのフォロワー数がやたらと少なかったりして、話題にもなってないんだよなぁ…。

 

 置いてる書店が少ない・置いてあっても1冊しかないことがあるから、ネットで買うことを一応オススメしておきます。

 

 

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