読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

絶対に負けられない戦いで知恵を絞って何が悪いんじゃボケ!

野球

超スローボールを使う高校生が今年の甲子園に現れた。そのことについて元フジテレビのアナウンサーがこんな発言をしたことが話題になった。

 

東海大四のピッチャーのスローカーブ…ダメとは言わないが、少なくとも、投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやってると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がするが。ハハハ。」

出典・甲子園西嶋投手の超スローボールは「世の中を舐めている」 岩佐フジテレビ元アナ、ツイッター発言で袋叩きに 

つぶやきは消されたが、大炎上。その後もリテラシーが低い発言を幾つかしてるから本質的でないので割愛。確かに、マスコミ関係者にネットリテラシーがないこともかなり根深い問題だ。

 

しかし、野球を通じて「高校生らしさ」を求める問題はネットなんか普及する前から存在し、もっと根深い。 

…それこそ松井秀喜が高校球児だった頃から 。*1

 松井秀喜「敬遠があったから伝説になれた」

甲子園に出場すると過度にフェアプレーを求められて、ルールに反してなくても「卑怯だ」「ろくな大人にならない」と批判される。

 

その中で最も有名なのが「松井秀喜5打席連続敬遠」だが…古い話なので、動画も貼っておく。

 

 全打席敬遠に実況・解説が「勝負して欲しい」「こんなのは初めてだ」と焦れたのはもちろん、高校野球では異例のメガホン投げ入れと帰れコール!

 

マスコミは松井を語る時「嫌な事件だった」と言いたげに何年も使われる事件だが、当の松井は

「当時の松井秀喜に敬遠する価値はなかった。それでも敬遠してくれてありがとうと言いたい。アレがあったから伝説のバッターになれた。敬遠されたことに恥じないように頑張ろうと思った」

 と(プロ入りから一貫して)語り、外野が語っているほど嫌な事件だと思ってない。しかも、松井だけではない。実際、敬遠された星稜側の選手が野次や罵声の飛び交う中で球場に投げ込まれたメガホンをボールボーイと一緒に拾いに行くシーンが映像の終盤の方に残っている。試合の負けも見えてる嫌な流れ、ほろ苦い試合を演じさせられていて、拾いに行く必要なんか全くないシーンにも関わらず、選手がメガホンを客席に投げ返すシーンが残る。(今のテレビでは全く触れないが)

 

敬遠も超スローボールもプロ野球で使う立派な戦術である。それどころか最もポピュラーな戦術の1つだ。

 

特に今回の超スローボールが「なめた少年を育てる」発言は軟投派投手全面否定とさえ受け取れるような言い分なのに、そのことをスポーツ報道をやってた人が自覚してない。個人的な感想?スポーツ報道携わった肩書と本名出してした時点で、その発言をどれだけの人が見てるか考えたら?

 

80キロのシェイクボールをプロの舞台で投げてた小宮山投手、90キロのスローカーブと130キロ程度の速球を豪速球に見せてたオリックスのエースになった星野伸之投手ら軟投派投手は世の中舐めてたから投げたとでも思ってるの?最近だと多田野投手が有名だが、別に軟投派もスローボール系の魔球も昔から系譜があるんだよ!

 

遊び心だとか解説した人もいるが、プロも生活かけて投げる・高校野球も「負けたらおしまい」だから遊べねーよ!あんたらみたいな舐めた大人にはなりたくないわ!

 

超スローボールや松井秀喜問題だけじゃない。何年かに一度ルール内の戦術を「卑怯」だと言って議論を巻き起こり、「高校生らしくない」と普通の高校生なんか誰一人いない甲子園の場で謎の倫理観を振りかざすバカがたくさんいるので、根本的な話をもう1つだけしたい。

 

それは「戦術と卑怯は紙一重であり、よりハイレベルになるほどその境目は曖昧になる」ということだ。

なぜ清原和博が一番ボールを当てられたのか?

戦術と戦略の差が素人目で見てもわかるほど曖昧になるのが「投球術」の問題だ。

 

超スローボールを緩急といえば聞こえがいいけど、それを「セコい」「卑怯だ」「世の中をなめてる」と言う人もいる。でも、この工夫でプロ野球選手になった投手もいるし、ルール違反もないのだから立派な戦術だ。

 

この議論が最も当てはまるのが清原和博への内角攻め問題だ。内角攻め自体は少年からプロまで全てに通じる基本戦術だが…清原に対するそれは度が過ぎてたので紹介。

清原は「ホームランを歴代で5番目に多く打った選手」として有名だが、それ以上に「サヨナラ打と死球と三振が最も多い選手」としても有名だ。

 

打撃タイトルこそ無冠だが、オールスターでもシーズン中の勝負どころでも類まれな強さを持ち、しかも左右どちらにも打ち分けられる打者であったため、清原と勝負するときには 「たとえ卑怯だと言われようが、清原にボールが当たるかどうかギリギリのところに投げ込む」ことを貫くことに…。

 

内角攻めを論じる上で慰留すべきポイントはボールの違いだ。野球の軟球は固めのゴムボールだが、硬球は感触上は「石」だ。素材は「牛革で覆われたゴム繊維の束の中心にコルク」だが…とにかく痛い!150キロとか出てなくてもすごく痛い。

 

それをスレスレに投げられたら、よほどの人でも怯む。「清原が内角に弱いから内角を攻められてた」という意見もあるが、本質は違う。そのぐらいギリギリの作戦を取らないと勝負どころで集中力を増した清原なんか誰も打ち取れず、なおかつどこに投げても長打を打たれる危険がある!(あの図体で、広角打法!)

 

そりゃ、観客は勝つべき選手が豪快に勝てば、楽しいよ!でも、清原や松井を相手にする選手、体の小ささや作戦の違いからほぼすべての選手が清原に見える軟投派投手は必死で内角攻め・超スローボール・敬遠…ルールの中でアレコレ考えて戦うよ!

 

僕が野球が好きな理由はこういった戦術によって強者に勝てることはもちろん、戦術として使える一芸・外から見てると見えにくい空気感が試合を動かすスポーツの中に秘められた多様性が大きいことだ。

 

「高校生らしいプレイ」をマスコミは期待してるが、僕は言いたい!

そもそも、今の甲子園は高校生らしくない。スポーツクラスだけ平均身長が20センチ高く、体重が20キロ多い彼らに「高校生らしさ」なんかないわ!

また、本来であればプロ選手に比べてビルドアップされてない高校生だから、手堅いバント、軟投派投手による投球術、ガッツあふれる守備で地道に勝ち抜いていく野球をする。今だってある。

 

そりゃ、ヒーローは清原で、松井で、松坂さ。でも、プロでも高校野球でも大半の人はそれでもそのヒーローに勝ちたくて一芸と戦術を通じて彼らと戦えるのが野球の魅力だ!

 

スポーツ報道に携わるなら偏見の目や固定観念をいの一番に殺して、その一芸を理解すべきだ!高校生らしさをより理解すべきだ。

 

 ローリングス メジャーリーグ公式球 MLBボール (Official Major League Baseball)

 

「あのぐらいでケガしてる野球選手なんかマイルドヤンキーのマザコン野郎だ」と思ってる人のために、メジャーの公式球貼っておきます。

人に当たるとかなり痛いので、ボールを使う際は場所と相手を選んでください。間違っても未経験者に触らせたりしないでください…。

 

 ・関連記事

 アニメ「ピンポン」のクオリティがハンパじゃなかった!アニメ「ピンポン」のクオリティがハンパじゃなかった! - とある青二才の斜方前進

 →スポ根繋がりで…。映画もマンガも面白いけど、アニメも面白いので是非!

 20代前半の僕には清原和博の凄さがわからなかったので、調べてみたよ… 20代前半の僕には清原和博の凄さがわからなかったので、調べてみたよ… - とある青二才の斜方前進

 →清原について触れたので。僕は衰退期の清原しか知らない世代なので…

 社会人という言葉から見え隠れしてるもの 社会人という言葉から見え隠れしてるもの - 言いたくないけど、僕が青二才です

 →「高校生らしさ」も抽象的だけど、社会人も負けず劣らず酷いと思うよ

*1:ちなみに、清原にも高校時代に変わった攻撃をされたことがあったらしいけど、知らないから割愛