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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

『進撃の巨人』はなぜヒットしたのか?〜6話視聴後『10年代の輪郭』が見えた気がした話〜

アニメ

◆まずは、挨拶と原案記事のご紹介
ご存知の方もいると思いますが、私は以前『進撃の巨人』について言及をいたしました。

エレンはなぜ、外に出たいのか?〜やかましくて、無粋な「進撃の巨人」論〜 - とある青二才の斜方前進 エレンはなぜ、外に出たいのか?〜やかましくて、無粋な「進撃の巨人」論〜 - とある青二才の斜方前進
言及した長文を一言で申し上げれば、『「外に出たい」という主人公の動機からあのアニメを検証すると、とてもヒットするに値するだけの論理性がない』と言う趣旨のものです。その後、進撃の巨人ファンからも様々なヒットの理由を言われたのですが…最も納得したのがこれでした。

シモンは「力を持つ者」、エレンは「力を持たざる者」〜「天元突破グレンラガン」と「進撃の巨人」を比較するのはやかましくて無粋〜 - ふわふわスマイル シモンは「力を持つ者」、エレンは「力を持たざる者」〜「天元突破グレンラガン」と「進撃の巨人」を比較するのはやかましくて無粋〜 - ふわふわスマイル

この元ネタは是非とも素晴らしいから読んで欲しい。持っている主人公と、持っていない主人公という全然違う切り口から進撃の巨人グレンラガンを斬る…発想は僕が用意したものだが、まるっきり違う結論や切り口を用意した名作です。質は僕が保証する!自己最高の2万アクセスを4回やり遂げ、今やブログ界では新聞記者やタレントに引けを取らない程のブクマ数・購読者数を持つ僕が「この記事は面白い!」と太鼓判を押し、推します!!

そんな、偉大な元ネタに遠く及ばないかもしれないが、僕が6話を見て確信した事をつらつらと語っていくとしよう。…6話も動画を貼っておくが、無料期間が終わってしまうかもしれないから早めに見て欲しい。とてもいい内容だ。今まで口先ばかりだったエレンが初めてまともに活躍し、彼の自信と誇りの根拠がわかる初めて見た神回でした。

  • 「答えなきものへの選択」「やっと引き分けるぐらいの勝負」「対価のない勝利」

イメージを膨らませてもらうために、思いつく範囲内で、「こっち系のアニメ・コンテンツ・事件」を挙げてみよう。スカイ・クロラ東のエデンマルドゥック・スクランブル、魔法少女まどかマギカ、鋼の錬金術師パワプロクンポケット11〜12のツナミシナリオ、3.11、口蹄疫、新卒の就職活動、躁鬱病(いや、メンタルヘルス全般)、政治、(子どもから見た)大人…。

なんとなく言いたいことがふんわりとでもイメージできた人・できない人いると思うが、『進撃の巨人』の話からやろう。

※原作読んでないなりに、アニメと読んだ人が語る『進撃の巨人の面白さ』から類推していく話なので、僕が考えていることと原作者・原作での展開に違いが生じることはしばしばあるでしょう。ですが、僕が見るに『進撃の巨人がヒットした理由』を説明できる人は読者でさえ少なかったので、そういった事はさして問題のないことだと割り切って「土足で踏み入る」考察をしたい。


◆「持たざる者の反逆・抵抗」…要は「勝てないのに戦う」んです。
「一人じゃ絶対に勝てやしない」ので、協力するとか、仲間を犠牲にしてたり、一人の力じゃどうしようもない敵と「戦わざるを得ない」のが、進撃の巨人という作品の本質なんだ。

外に出たいとか、巨人を駆逐したいとか…エレンが語る欲求は常に抑圧感・閉塞感から出るものなんだろう。外に出たいのではなく、『外に出ることを考えることさえやめたあの空気が許せない』というのがエレンなのかも。

そりゃ、リスクリターンで考えれば大人の考えている事・大人が言っていることは正しい。調査兵団に入っても生き残れないのなら親の気持ちとして入って欲しくないなんてことは…『赤紙が届くと醤油を飲ませて一時的に体調不良を装う』のような逸話が戦争中にもあったぐらいだから、そりゃ当然だよ。『誰が殺したか』ではなく『殺されると知っている人・場所があったとして自分はそれに対して何ができるか?』と言えば、持たないものの多くは距離を置くのが合理的だと考える。そして、その大半は正しい。

進撃の巨人』について付き合いのあるナースにヒアリングをしたところ…『巨人が来ちゃったら食べられていいやが日本人で、肉食で好戦的なのがアメリカ人。つまりエレンはアメリカ人』という捉え方で見ていた。

そんぐらい大衆と価値観としてズレた主人公がどうして、主役になれて、周りが賛同したのか?例えば、昔からあるヒーローやロボット達が激戦を繰り広げるアニメなら「大衆と、アニメキャラはそもそも違うから一緒にすべきでない」のだが…エレンは大衆と同じで巨人に勝つことができない人だ。でも、大衆とズレてない部分も持ってる。

で、ここで大事になってくるのが「選択する」という事。勝てるとか、負けるとかそういう採算が不透明な分野でも、「行動する・しない・できることを少しだけやる・他者の行動に抗議する」…こう言った選択がざっくりとする。

マルドゥック・スクランブルもまた「生きるor死ぬ」という選択肢の中から主人公『バロット』がそれを選ぶところから始まる。家族に恵まれず、売女人生を送ってきた彼女からすれば、「生きる」と積極的に言えるほどの動機はなく、ただ「死にたくない」という答えを深層心理が出したことで、生かされた。そして「死にたくない」から「どうやって生きていけばよいか」に悩みが変わり、そのための観察をする。もちろん、答えなんかない。

東のエデンという話はこれが100億円という問題形式で出されるからもっとわかりやすい。100億円が重要なのではなく、『100億円を使った答えの出し方』が重要で、役人やフリーター、あるいは医者がそれぞれに日本を救う方法を考えて、提示した。これもマルドゥック・スクランブルと同じで、問題や選択が与えられててその中で自分の中でアプローチを見出していく作品だ。「生きたい」「どう生きる」という話ならマルドゥック・スクランブルになる。「何を救いとするか」という定義、「どうやってなしとげるか」というプロセスを描き出せば東のエデンになる。演出やジャンルは違うけど、テーマ性・問題提起はよく似ているコンテンツだと思う。

勝負が「勝つためのご褒美」として用意されて来たご時世に生き、「勝てば報われる」という勘違いに洗脳された現代人の様々なところで軋轢を生んでいる。例えば、良い大学に行き、就職する。気に食わないことがあればTwitterブラック企業だなどと被害者意識を書きなぐる。…勤めて長い人が怨念を語るならまだしも、勤めて4日でお客様気取り。

例えば、官僚や医者の中にはエリート意識が強く、人を人とも思わないような態度で仕事仲間や部下に接する人が一部そのまま歳を取り、国家運営や医療現場の場で人の上に立つ。…が、そういう人は決断なんかしない。ただただ、高圧的に患者に接し、出揃ったデータを見て証言など無視して病状ではなく傾向論にたいして対処療法で薬を出す。(友人のナースの証言が本当ならば、それで処置が遅れて殺された患者さんもいるから笑えない)

東のエデン』というアニメは間違ったエリート主義へのアンチテーゼだと思う。エリートとは「ノーブレス・オブリージュ」が伴って初めて、権力や勝利が意味をなすのに、「勝つための勝負」「エリートは頑張ったものの権利」になっちゃった。だから「答えのない問題」を『絶対に勝てない(日本という社会かもしれないし、アメリカや中国かもしれない)敵から日本を救い出す』という問題を出した。それは褒美・功利を目的とした勝利よりもずっと本質的で、目的意識や権力が何たるかを試される事だからだ。

マルドゥック・スクランブルもその点は同じ。「選択をする」所は自分があまり自発的に選んでないんだけど、自分が選択したことを人生かけて裏付けていく。選択したことに対する答えや、裏付けて貫くために必要なことが自分の人生や知識の中にない答えはない。選択が先に来てその意味を見出し、勝敗とか損得は抜きにして、ビジョンを創っていく。そして、答えに向かって(例え相手が自分よりも強く恐怖の連続でも)進んでいく。

通常の社会…とりあえず、学生時代まで教わった「勝負の意味」は「勝ち取るためのもの」だと習ってきたけど…叩き上げで血を見た人間に言わせれば、こんなのは「勝ったやつが自分のプライスを上げるために言ってるプロパガンダー」です。カタカナ語が多めに書いたのは、あんまり真面目に関わりたくない人種の選民意識だから「こうですかわかりません」と言いたげに皮肉ったら、なんかよくわかんない日本語になってた。。

僕が大人かどうかはともかく、友人共々言えることは「大人になる段階で地獄を見て『少年(少女)は一夜にして戦士になる』という経験をした」こと。それは「死にたくない程度の『生きる』」「そうなっちゃったんだから『仕方なく引き受けた』人生」をどうやって、楽しむか?

『進む意思を嗤う豚』と呼べる人っていっぱいいるよ。生きるという選択を積極的・消極的問わずそもそも自らに問わない癖、人の生き様を嗤う人。ナウい言葉で言えば、40そこいらのおじさんたちが若者を「意識が高い」と揶揄する傾向がそれだよね。…他人にとって迷惑でも、何かやろうとしてる人間にそういう言い方をする事があなた達が通したい筋ですか?義理ですか?

…いや、豚に聞いても僕は意味なんかないと思ってるから、答えは要りません。自分で考えてください。

  • 「持たざる主人公」が唯一持っているのは「戦う」という意志だけ。

倒す方法ももってないが、理不尽に感じる暴力に対して「戦おう」と決めたのがエレンが唯一にして絶対に持ってること。ここからのアプローチが前回対比に出したグレンラガン進撃の巨人は大きく異なる。

あくまで、シモンというグレンラガンの主人公は先頭に出て押し上げていく大将なんだけど…エレンの場合はむしろ組織の中では突出した存在じゃないんだよ。ガンダムでもエヴァでも…ロボットアニメは結局は主人公の決断でどうにかなっちゃうから全体を変える必要はないんだけど、エレンは「持たざる主人公」だから、周りの人を説得させないといけない。

エヴァンゲリオンなんかグレンラガンよりも極端で、「シンジにやる気があれば、勝てる相手しか出てこない」から…「進撃の巨人」とは真逆だよね。キタンやカミナが頑張って時間を稼いだり、グレンラガンに乗る相方を探したり…そういう手間さえない。

「乗せてください。僕はエヴァ初号機パイロットです」←勝ったわ。

こんだけ。…いや、この言い方は雑だし、エヴァはその前後の人間ドラマが良いんだけど、お話のあらすじを勝敗だけで語ってしまえばアレほどつまんないアニメは…ないだろうね

進撃の巨人』『東のエデン』的な「できあがっちゃった抑圧感(もしくは勝つも負けるもないような敵という存在の抽象性)」を論じてる話って多分最近の傾向で、なおかつ割と今を生きる人に当事者意識のあるテーマなんだろうなぁ。3.11とかメディアに先導された政権交代とその政権の凋落、あるいは100社エントリーしてもよくわかんない理由で落とされて「何が悪いかわかんないのに、いつの間にかクズ呼ばわりだよ」とかなんとか。

探してみると色々あると思う。仕方なく選択させられ、引き受け引き受けた意味を葛藤して答えがないものにとりあえずの結論と体裁を整えないといけない。…そんなやりきれない勝負をさせられることがね。

  • 10年代のアニメは『勝てない敵と戦って生き抜く』というテーマのアニメが増えていくだろう

巨人ほどの大層なものじゃないんだけど、僕も「躁鬱病」という病気を患ったと医師から言われてる。(まだ、確定ではないが、病状はそのたぐいで人生の中で何度も病的なほどの暴飲・暴食を経験などの自傷行為をやらかしてるため、その手のメカニズムを体に内包してるのは確かだ)

メンタルヘルスは「完治」ではないが、「寛解」と言ってやっとの思いで改善しても、再発するリスクを孕みながら、一生を過ごす。メンタルヘルスやガンなど「完治」しない病気は、定期的に襲ってくる巨人や、津波のような存在で、自分一人では決して勝てやしない。

友人のナースさんにも、父にも家族との調整で迷惑をかけてるし、ネットで普段ブログを読んでくれてる皆様にも助けられてる。そりゃ、父が病気のことを分かってくれなかったり、ネットで励ましてくれる人が病気の片棒を背負ってくれたりするわけじゃない。だが、彼らがいるからとりあえず「生きる」という選択肢がかろうじて保てているのに、彼らの存在は大きい。

僕みたいに社会の荒波を経験して、大怪我してうんぬん…という若者は社会問題になっている。最近、共産党の山下芳生議員は『ブラック企業と若年層の雇用についての質疑』を安倍首相へ行った。若者にとっての社会はある意味、巨人や津波と同じぐらいに意味不明で、強烈に牙を剥く存在なのだろう。少なくとも僕はそう思ってる。

若者を助けるべきは国なのか、友人なのか、それとも「義理と人情」「愛と誠」なのか?そんなのはわかんない。ただ、僕らが社会を生き抜く上で「見えない敵」と戦い、「ないはずの答えを見出して生きていかないといく」事は大事な問題提起で、プロセスであり、そういったアニメがヒットする背景には共感があると思う。

「力を持たないエレンの戦い」はそういった技術や努力や出世など『一人だけじゃどうにもならない敵との戦い』と非常によく似てると思う。確かに、バカバカしい選択や人に行動を強いるにはとても納得のいかない言い分しか言わないのがエレンというキャラだ。

だが、抑圧感・閉塞感にだけはみんなが共感しているからこそ、エレンというキャラクターの闘気に影響され、エレンよりも優秀なミカサでさえも、「エレンと共に行動する」と決めたのだと6話を見て僕なりに納得した。勝つか負けるかなんか知らんよ。でも、閉塞感・抑圧感に殉じることと、乗り切って「なんとかすること」は彼らの努力で成し遂げられる。

多分、進撃の巨人の魅力ってそういう話なんだと思う。

進撃の巨人(10) (講談社コミックス)

  • 加筆(参考資料のご紹介)

今回も、反響がありましたので、傾向が近しく僕が記事を書く上で参考にした作品をいくつか紹介していきたい。


事件に巻き込まれ、殺されかけた娼婦「バロット」が『死にたくない』と自らの深層心理が訴えたことで、特殊技術によって生かされてしまう。その事件をきっかけに相棒になったドクターやウフコックと一緒に事件の解明と、自らの人生の再スタートのための選択の日々を始める。面白さは…万能そうなウフコックの不完全さと、不完全そうなバロットの見透かした目



『与えられた100億円で日本を救う』というゲームに半ば強制的に参加させられた12名がそれぞれのビジョンを見出して日本を救わんと奔走する物語。医者や官僚、フリーターや芸術家などそれぞれに全然違うことを考えて行動を起こすため1作品の中に色んな考え方を見いだせるところが面白いです。



あらすじが説明しにくいなぁ…このアニメ。僕はほむほむが主人公だと思ってて、まどかってのはほむらが積み上げた愛情だと思ってる。だから、まどかマギカのあらすじは言わない。もちろん、魅力は…これも言わない。「本筋」というのが無くて、いろんなものが積み上がったアニメだから、いろんな基軸で見ていいと思う。


この作品もあらすじは言いません。魅力も言わない。ただ、何か言うとしたら…2回以上見てご覧。そしたら、意味のなさそうなシーンが驚くほど意味深で、リアルだってことに気づいて楽しいから。

パワプロクンポケット11
これの紫杏シナリオをかなり参考にしました。パワポケシリーズをプレイ中に二回泣いたのですが、1度はこの紫杏シナリオのエンドを見た時でした。魅力は…語るのに5時間かかるから、しゃべらないことにします


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