自由人たちの秘密基地(他) 蟹丹

「人気とか、反響とかそういうのって手段でしかなくて、結局自身が宝箱の中に住んでみたいから、いいと思ったもの・人・思い出をブログの中に詰め込んでるんだ」(TM2501)

ポエムっぽい始まり方で照れくさいけど、純100%の本音だけを言えば僕にはそれしかない。人気になって政治でもオタクでもメディアの偏見を超え「それぞれに面白いものを見つけて発信し合えば世の中がもっと面白くなる。」そう思ってるから注目を浴びることを望んだ。

ぶっちゃけ、僕自身が文章が書けるとか、面白い目線を持ってるとか思ったことはあっても、僕自身が面白いと思ったことなんかないよ?僕は面白い人のマネをしてるだけ。面白い人に面白いとは何かを教わって見よう見真似で、本当に面白い「彼ら」に「なあ、これで合ってるかい?」と問うためにブログを書いてるだけ。
僕の文章をきっかけに、面白いということの形をなんとなくつかんだ人・面白いという形や概念に興味をもった人が「いやこうだろ!」「違うよ、これだよ!」と言って、僕の周りに集めてくれたモノを僕が詰め込む。

…え?本題に入れ?
もう入ってるよ。ちなみに、今回の「自由人たちの秘密基地」はこれな。

僕が『蟹丹』という絵師のレビューを書くのは4回目だが…俺が彼のレビューを書くときには「彼を理解した」と認めてもらうだけでは、作り直したいぐらいの大敗北だと思ってる。

蟹丹が表現した事を「文章の良さ」という媒体を越えて独立した作品として同等のものがレビューとして作れたと彼にも、両方を知る人にも認めてもらえるぐらいでないと、やる意味なんかない。

  • コミティアでは君の「好き」が試される

僕と彼が出会ったのはコミティアという創作系同人誌の即売会で、僕がコミティアに作品を出すきっかけになったのも、実は彼なんです。リアルでの付き合いはほとんどないのですが、即売会に行ったときに彼が参加している時はほぼほぼ100%会いに行くし、好きそうな人を紹介するということで、消費者とスタッフさんの間みたいな立ち位置でお付き合いさせてもらってる。(そのせいか、最近は同人誌を「あげる」と向こうからくれるようになったので…結構喜んでる)

僕と彼は文章系とイラスト系で、お互いに趣味は違う。ただ、「好き」があって、その方向性が似ていて、その好きに人がかけないような大事な「重み」を通じて表現する所だけは彼と僕は共通してると思う。優劣とかは周りで付けてもらったらいい。彼と「好き」の話をするときにそんな事で心を濁したくない。

え?もっと具体的に綴って欲しい?…せっかちな奴らだね。

では、今回語る「自由人たちの秘密基地」に添えられていた文章を見てみようか。
『棄てられたものを寄せ集め、無秩序に詰め込んで作られた秘密基地。無節操なエゴの塊。ゴミの山ではない。鈍く輝く宝の山に見える。』

もう気づいた人もいるかな?彼はどうだかしらんが、少なくとも秘密基地に憧れる程度に僕は子どもで、秘密基地というタイトルと文章の中で思い浮かべたものは「宝箱」だった。

文章は前半と後半に分けて説明しよう。
『棄てられたものを寄せ集め、無秩序に詰め込んで作られた秘密基地。』
子どもの時に秘密基地をつくったり、あった場所を思い出して欲しい。だれも所有者がいなくて管理されてない「空き地」や「廃ビル」…収納スペースとしてさえ心もとないウチのロフトや階段下。

「捨てられたものを寄せ集め」とあるが、子どもが秘密基地として使っている時点でその場所自体が大人(社会)から捨てられてる。捨てられている場所に子どもが自分にとって価値のあるものを詰め込んで、詰め込んだ場所。…それが秘密基地だ。

誤解の無いようにここでの「子ども」の意味をしっかりと定義しておこう。1つは「功利的でない私的な楽しさを追求する」者。もう一つは「何ももたないが故に、何かを持ち・運用し・蓄積することにロマンを抱く」者。秘密基地という言葉からそれを作りたがる人を考えていくとそういう場所にたどり着く。

後半部分も読んでみよう。
『無節操なエゴの塊。ゴミの山ではない。鈍く輝く宝の山に見える。』
さっきの冒頭文で書いた内容がここにつながる。僕の家には500冊を超える漫画や同人誌・文庫本まで含めると1000冊ぐらいあるかもしれない。試された「好き」を好きだと言うために僕なりに研究していたらこうなっていたのだが、わかる人には宝の山何だ。多分、僕をうつ病に陥れた両親はこの本の価値なんかわかる訳がないと思ってるし、アラフォーのオタクにかかれば「ドラえもんもないオタクの部屋何か…」と馬鹿にするかもしれない。…でも、それでもなお僕がブログを通じて人とつながったり、趣味を広げたり、面白いとは何かを教えてくれた先生方の「エゴの塊」がそこにはある。

さて、絵の話をしていこう。

前半部分で「秘密基地は大人が必要としてない場所につくるもの」と書いた理由は2つ。1つは僕の子どもの頃に作った秘密基地は空き地にあったから。次に、蟹丹さんは「大型動物の骨」が集まる場所や倉庫といった、お金のある人がモノを大事に置くような場所じゃない所を絵の舞台にしたから。それも骨はヒビが入って劣化し、とても世の人々から大事にされた場所だとは思えないような描写であったため。

ただ、大事にしてる証として、その動物の骨でできた秘密基地は丁寧に飾り立てられていて、ダンボールや椅子の古びた感じも色彩や線で丁寧に表現されている。映らなそうなテレビに105円という良くのワカラン基準で値段がついている辺りが「内輪向きの遊び」っぽくて、僕は好きです。妹と工事現場跡のクギを使って、通貨経済っぽいことをやって遊んでいた人間として共感できることは多く感じてるよ。

それこそ、少女と犬が見回すぐらいに真面目に絵を見ている人たちを引き込んでいくイラスト。

…1枚のイラストで世界観を深く掘り下げる。漫画やアニメである必要がないほどの奥ゆかしい表現力。それが彼の「好き」だと僕は思ってる。

  • デザインの具体性が「こんなの」じゃ説明できないぐらいに明確さ!

もう一枚、諏訪湖のイラストを見て欲しい。

衣装も構図もデザインも斬新で、1年間(作品だけなら3年分)ぐらい彼を見てるが、「ここまで来たんだ…」と納得しながら、拝見させてもらった。

褒めている最中にこういうのもアレだが、僕は蟹丹より有名かつうまいイラストレーターさんを「多分」知ってる。だけど、「こんなの」ってだけで別にその人じゃなくても描ける既視感と一緒に彼女のイラストやデザインがあって…正直名前が思い出せない。

多分、秋葉原に行くか、Twitterでフォロワーが5000人ぐらいいる絵師を適当に探していけばぶち当たるんだろうけど…まぁ、うまいよ。普通に。「好きが試される」場所で埋もれるかもしれないが、うまいよ。

だけど、彼は一応コミティアで列ができるぐらいに盛り上がるようになってるだけあって、やっぱり「好き」を具現化する技術には特化してる。上手いとか下手とかじゃなくて、「これ」を描いてくる。そう考えさせられたのが、今の諏訪子のイラスト。

東方作品のイラストって死ぬほど出てるんだ。うまいのも・原作に則っている名作も。二次創作設定を書き加えた童顔でロリータな諏訪湖をもう「目が覚える」ぐらい見た。・・・でも、蟹丹さんのイラストって衣装や体の縮尺で表現される子どもっぽさとは裏腹に「神様」という一次設定に則した「貫禄」や「大人の色気」が表現されてる点を見て「ああ、諏訪子ってこういうことなんだ」と僕なりに納得した。

「流し目のうすら笑い」…【余裕】とか【大人っぽさ】いう一言で片付けてしまうとありがちな「加奈子」という同作品の神様とキャラ被りを起こすのだが、それを退屈でだらしのない子どもっぽいポーズの中に織り交ぜるところに諏訪子っぽさを見いだせる。

東方projectのキャラクターは「絵面だけ原作っぽい絵」がたくさんあるからこそ言おう!「くたばれ!」と。

諏訪子もそうだけど、例えばフランドール…例えば、魔理沙や射命丸…設定上結構複雑なキャラクターやデザインとのギャップや含みを表情や衣装に投影させないといけないキャラが沢山いるのにあるまま・書いたままなつまんないイラストがいっぱいある。

だから、東方projectの二次創作って記号化していて「こんなの」という意味での霊夢・魔理沙・その他大勢のキャラクターになってしまっているのが現状なんだ。それを二次創作的なオリジナリティーを衣装に持たせながら一次創作的な深みのある表現を表情とカエル、違和感のある水を被った衣装で表現していた所を僕は高く評価したい。

  • 好きだからこそ、キレてROMった。でも、好きだからこそもう一回レビューを書きに来た。

…僕は彼にイエスマンじゃないよ?僕は蟹丹さんが得意とする縮尺と表情で描いただけのイラストには「こんなつまんないもの書くな」と怒ったことあるから、もし、このイラストがそういうイラストだったら、わざわざ1000アクセス取れるブログに間貸し何かして彼の絵を宣伝しない。

※具体例を言うと昔、僕のフォロワーだったトロワルさんのCDのために書いた『幻奏クロスフュージョン』というイラストが蟹丹絵の中で一番嫌いです。「あんな平凡な絵を出すぐらいなら、トロワルの絵だけ書いてろ!ソーシャルみたいな金もらうところはもちろん、コミティアみたいに好きなものを必死で表現する場所に来るな。絶対、うちではレビュー書かないからな。」とキレて、ネタではなく、ガチで半年ROMりました。
別の理由で喧嘩したのもあるけど、「TM2501が蟹丹のファンだからCDの宣伝をしてくれるよね」みたいに言ってた時に「この人は「蟹丹絵」が好きなんじゃなくてブランドが欲しいだけで、僕と「好き」が共有できない人なんだなぁ…」とわかってからフォロー外しました。…愛って歪んでるんです。時に本人さえ「はぁ?」と言っちゃうほどの好きを持ち合わせて僕のブログを読む読者がいたり、蟹丹の絵を見てる人がいる。…来た人にしかわからん場所だし、今となっては僕が誰かの愛でモノを言われる側になったんだけどさ。
 
センスが疑われるんだよ。変なもん薦めて「君の好きってその程度だったんだ」って。そのぐらいマジになってみて、いいと思ったものしか僕はレビュー書きたくないし、仕事頼みたくないし、まして、後押しなんてギャグでもやりたくない。

…そういう嫌な思い出があったから、ROMり続けること半年、僕のうつ病をちょっといい方向に向かわせてくれる素晴らしいイラストを彼が僕の批判した部分をうまく活用しながら、反論して描いてくれたので、嬉しくなって特集しました。

最後に、
この秘密基地(ブログ)から世界を面白くしていける「面白いとは何か」をみなさまが見つけられますように。

あの秘密基地(蟹丹さんのpixiv)へ行かれる方へ。世界よ、これが「クール(面白い)」だ!

蟹丹さんのpixiv
https://www.pixiv.net/member.php?id=201008

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これが「目」で語る戦いだ
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