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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

『まおゆう魔王勇者』1話を見て

アニメ

まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

久々に俺が文句言っても、ツッコミ入れても耐えられるぐらいにタフなアニメができた…という事にとりあえず歓喜したい。前期はめだかボックスやKを見ていたが、個人的には「ハリボテみたいなアニメばっかり作りやがって」とニコニコ動画に時々配信される京騒戯画を楽しみにするアニオタなのに、オタ充できない悲しい生活を送っていました。

さてさてこのアニメはネット上で書かれたモノであることからもうネタが割れてる人も多い。ゆえに、普通にあらすじをなぞるだけでは知ってる人も、知らない人もこの記事を読む意味がない。感想ではあるけど、やっぱり本編を見て楽しめるような補助的だが、濃厚な内容・考察にしなければ。

  • まずは簡単なあらすじ

勇者が魔王倒しに来たんだって。魔王は賢い女の子で、「今のまま戦争が終わってもあんまりいいことないよ」って(戦争)経済学の観点から説明。勇者はDTなんだって。DTな勇者をオッパイで口説き落として、一緒に旅に出てもらうことにしたんだって。

「あれ?どっかで見たことある話じゃね?」って思ったら、監督・脚本が女の子の姿をした狼が童貞商売人を口説き落として北の国までの旅に突き合わせる「狼と香辛料」ってアニメのスタッフと同じで、なおかつ声優もホロとロレンス(主役・ヒロインが同じ)なんだって。

さらに、原作のイラストを務める『toi8』さんは僕がヴィレッジヴァンガードで一目惚れして2000円位する絵物語を買っちゃう程の絵師さん。…いや〜豪華だ。

公式配信出てきたので貼っておきますね。

  • ぶっちゃけ、勇者とかヒーローって一番戦争を終わりたくない存在のはずなのよね。

真面目な話をする前に一言だけ!
おっぱいはね…夢がいっぱい詰まってるんだと魔王のおっぱいを見て思いました。(と、書かないとまおゆうの魅力を語ったことにならない気がした)

本題
天元突破グレンラガン何かがわかりやすいけど、人間を開放したグレン団のリーダー「シモン」は平和になった世界ではひたすらカミナ像を作ってるだけなんだよね。

るろうに剣心は剣心がやたらかっこよく描かれてるけど、ニートなんだよね?無駄にコネがあるニート。

昨今「明治維新」をなぞって「維新の会」なんて政党ができたけど、あの時代にお侍さんがどんだけ失業したか…。過剰に中央集権化された明治政府のせいでどんだけの地方が衰退したか…。文明開化?極論いえば、東北や北陸なんぞ田中角栄が出現されるまで本格的に開発されなかったのよ。朝鮮・台湾・北海道の方がまだ東北より開発されてたんじゃないかな?(※国内よりもむしろ防衛の必要な順番に開発された歴史をなぜか語る人が少ない)

この作品は勇者という存在そのものを懐疑する作品だ。最も体制移行に熱心な勇者こそが実は時代が変わると一番困るのではないか?そういう視点を魔王を倒す前の勇者に魔王が言って、しかも勇者が魔王の言うとおりにしてしまうという不思議な話だ。

多分、90年代までの王道なシナリオが主流の世界なら「これは勇者が魔王に負けた話だ」という解釈にもなるかもしれないが、僕はまおゆうに限って言えば「魔王が勇者のことを好きだ」というのは本気だと思う。魔王は殺されたあとのことなんぞ知らんし、むしろ魔王にとっては勇者以外から殺されてしまう危険が生じることばかりやるのだから、勇者にも人間にも譲歩したすごい良い人なプランだと言える。

ひねくれものの僕としては魔王がそういう命乞いをしたときに勇者がパソコンを開いて「魔王消滅によって生じる社会的変化について」というプレゼンをパワポ使って始め、そして「魔王が倒れたほうがいい」と結論を下してから戦いが始まるストーリーも見てみたいけど、…いいや。作りたかったら自分でやろう。

相思相愛かはともかくとして、勇者や王妃が出てくるファンタジー特有の安直なエンディングを見事に回避してスタートを始めるという新鮮なスタートを切っている。

いや〜骨太なお話だ。若干、「魔王はどうして勇者のことが好きになったか」とか「譲歩するプランを提示したか」ということが気になるが、まだ一話だからそういう事は後で説明してくれると期待して批判的な見方はしないようにしよう。

  • 敢えて批判するなら「平和」の形が違う

一応、経済のこともアニメのこともやるブロガーとして、作品の経済思想の難ある部分を書いておきたい。

戦争と経済に関する議論は経済学の間で度々話題になるんだよね。戦争がケインズ経済の正しさを証明したとか、二次大戦後のアメリカの反映を作ったとか、色々言われてますね。*1

この作品の描写で戦争と経済の関係に関して「これは違うだろう」っているからこそ指摘したい事が2つある。個人の意見だから「こういうアプローチもあるね」程度で聞き流してもらったら結構です。

1、「経済にとって」いい戦争と悪い戦争がある。
具体的には泥沼化してしまう癖に取れるものがない戦争は良くない。本編中で『戦争で国が持ってる』みたいなことを言ってたけど、これは本当であり、嘘も混じってる。沖縄が典型例で、日本は戦争する計画なんぞさらさらないけど、自衛はしているし、アメリカ軍に駐在してもらってる。仮想敵国を持つことさえ批判的な人がいるが、軍備だけはきっちりやってる。

よく「米軍基地に出ていって欲しい」という人がいるが、沖縄の主要産業は軍事基地だ。米軍が出ていって基地がなくなったら一時的には沢山の失業者が出る。ただの片田舎と同じ、いやそれ以下にもなりえる。
あ、「米軍基地がなくなったら、工場やオフィス作ればいいじゃない」って言う人がでそうだから先に反論しておきます。なんでどこいくにも流通・交通コストが高いあんな孤島に工場やオフィス作るのさ?それに癒しの南国みたいな場所で仕事する気満々になれます?沖縄県民が怠け者とは思わないけど、決して労働意欲が高い環境ではないでしょ?

って書くと「薩摩藩はどうして沖縄を占領したか」「なぜ米軍は沖縄に基地を置いた?」と聞いてきた奴がいるから加筆。薩摩は貿易のため、米軍は防衛戦略のため。でも、琉球でなくなった沖縄は別に貿易的特権があるわけでもないし、ビジネスマンは国防のことなんて考える必要ないから不便だと申し上げた。僕のことを「昭和帝国脳の亡霊」とかレッテル貼りをしてましたが、用途に応じて必要な土地が違うのは何も農業だけではないのですよ?そんなこともわからないのですか?




「戦争相手になるかも」という張子の虎がいることが大事なんだ。戦争をガチンコでやること自体は経済にいい影響が及ぼされない。

その理由は「①戦争が長引くと経済が戦争依存になって、技術革新が遅れ、戦争してない国に生産力で負けてしまうから」という論点と、「②よしんば「戦争してない国がいないという前提」があったとしても、みんなが戦争とそれに伴う生産活動に忙しく働いては誰も消費者がいないから」という論点がある。

①はベトナム戦争イラク戦争のアメリカのモデルね。②は二次大戦時の日本とかドイツのモデルね。疲弊が限界まで来て、戦争遂行が目的になってる状態。…戦争の勝ち負けにかかわらず、全面戦争が続くこと自体が閉塞感を生んで疲弊しちゃうのよね。あんまりこういうこと言う人居ないんだけどさ。


2、「平和の形」が違う。
「戦争が豊かさを生んで、戦争をやめれば貧しくなる」という前提があるなら、食糧事情とか兵士の再就職なんぞやってもそれでも戦争は続くんじゃないの?とまおゆうを見て思ってしまった。

「平和の形」については現実に勘違いしてる人が多いのよね。平和とは武器を持つ人がいない状態ではなく、緩やかな緊張状態が続く状態だ。

『仮想敵国相手にひたすらに軍備や技術競争だけを重ねて、実際に刃を交えることは少ない』という状態。選択肢としては「冷戦」みたいなモデルと、「部分戦争」的モデルがある。冷戦みたいに核兵器や人工衛星の実験を積み重ねるだけ積み重ねて、実際には戦争しない(やっても代理戦争)という状態。もしくは、スカイクロラフロントミッションみたいに「戦場」があって、そこだけは技術や投資を惜しまない空間。

本国のほとんどの人は戦争はしないが、「戦争の緊迫感」だけは共有している状態。これこそが本当は平和なんだ。

そういう意味で、まおゆうの「丘の向こうの平和な世界」というのが経済的に世直し舌先にあるものではなく、魔王という敵の親玉がいるならむしろ外交的なアプローチにしないのはどうしてなのかなぁ…と僕個人的には疑問だ。


1話しか見てないからどうとも言えないけど、フィクションのそもそも論に踏み込むならそこらへんも見てみたい気がしないでもない。


…以上が、意地悪な視聴者のまおゆうの楽しみ方です。楽しく小清水ボイスを聴きながら、冬を幸せに過ごせる、一週間がジリジリと経つのを待ち焦がれる快感を楽しめる。ツッコミどころを考えるのに必死に頭をひねることができる…そういうムラムラした感情でまおゆうを生暖かく見守っていく予定です。

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  • 加筆(12/1/10)参考資料とかお返事とか

正直言ってこれっぽっちもヒットさせる気がありませんでした。

まだ、この次に書いた「アキバとスカイツリー」の方が狙って書きに行った。はっきり言って、ニコ動で配信される1月13日にそこそこのアクセス数が稼げればいいかなぁ…と言う中の人としての戦略でやっただけ。(いや、このアニメが好きなのは嘘じゃないんだけどね。)

要するに計算外のヒットだったわけ。この加筆を書く前に「アキバとスカイツリー」で「id:REVがブクマした俺の記事はだいたいヒットする」とか言ったら本当にREVさんがブクマした直後にヒットした。(id:angmarもかなり重要なトリガーであることは否定しないし、angmarさんが言ったことがブコメのなかで主題になる傾向が強いけど、割合としてREVさんの方がヒットを左右する割合が高い。)

意図としては「ニコ動とかで見た人は政治・経済方面のことをあんまり考えないんじゃないかなぁ…ぶひってるコメント多いし」という事で敢えてこういう書き方にした。はてなの人が読むのを前提にしてないから解説はシンプルめにしました。

一応僕は「戦争の経済学」の本をチラッと読んでヒント得て、ここにいつも読んでる・見てる人たちの話を上乗せして書いてるから僕の独自理論ってわけでもないのね。

戦争の経済学

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よかったら読んでみてね。僕も忙しい時期に図書館で借りたもんだから全部は読めてないんだけど、なかなか面白い本です。「戦争が損すると証明できれば…」みたいなことが本を書いたきっかけだそうです。

さてさて、はてなの高慢ちきな読者たちのコメントの中でも目を引いたのが

「なんで本当に不便なら米軍基地があるとか、なぜ薩摩藩琉球を植民地化したのかとか。>「なんでどこいくにも流通・交通コストが高いあんな孤島に工場やオフィス作るのさ?」」
…アニメの記事だから、こんな解説やりたくないんだけど、問われたからやるよ。

今と昔でまず沖縄の立ち位置が違う。薩摩藩の時代には独立国だったし、沖縄は米軍基地ある時期は日本領もしくは占領下。独立国だったから薩摩藩は目を付けた。江戸時代は藩毎に独立していた権限があったからこそその権限を大きくするために武力や経済の面で改革して、鎖国こそしていたけど進んだ経済・生産技術を実は持っていたのです。(「山田方谷」「上杉鷹山」とかでぐぐればいいと思うよ。)

そういう改革者よりも手っ取り早いのが、江戸「徳川家」が独占してて、諸侯が持てない権限を持つこと。そして、薩摩藩にとっての琉球はうってつけだった。薩摩で大々的な貿易はできないけど、琉球と貿易する、琉球の向こうに居る中国と貿易することは非常に有意義だった。

さてさて、米軍基地があってオフィスが作れないという論を僕が展開する理由だが…確かに4時間以内に東京・ソウル・北京に行けるため、沖縄は「IT特区として成長する」という見方をするニュースも流れてる。…が、民間企業が沖縄でビジネスしようと思ったら、日中韓どの首都圏からも数百キロ・数千キロというこの立地はあんまり良くない。

だいたい、沖縄県の人口って何人で、新規にIT産業に従事できるような人は何人なの?

もう言いたいことはわかるよね?沖縄に地理的利点があったとしても、沖縄でビジネスができるのは沖縄に住んでいない人にビジネスをさせられるぐらいに沖縄を開発できる資本を持つ組織だけなんだ。
それに、ビジネスは手続きが大事だから、「飛行機での地理感」よりも、「ワンコインで行けるところに必要なものが揃ってること」の方がはるかに重要なんだよね。

軍の場合は万が一に備える組織であること、取られた領地は将棋のように敵に回ってしまうことから不便な場所であっても守る必要があるけど、民間企業の場合は一番利益が上がる場所である事、商域や手続きできる場所に近いことの方が重要。どっちかというとオセロ。どこにコマを置くかなんか臨機応変だし、勝てばいいの。でも、オセロってカドに置くと勝ちやすいって言われてるように「肝心要」はあるよね?それは都市圏なんだ。

軍隊と企業の根本的に違うけど、この場合議題にすべきは2つ。軍隊の場合は住み込みが前提(自宅勤務の自衛官もいるに入るけど、それだって近いことが大前提)。一方、企業は原則自宅から通勤できることが前提。筋としては遠方での勤務の場合、住宅手当払うか寮を用意する。そうでないと「近くで働ける企業」に人が集まるし、各事業所ごとに取ったほうが効率が良くなる。…全国一括採用じゃなくて、地方とか事業所ごとに採る企業もあるけどね。

だいたい、記者や各種インフラ系でもない限り、すべての地方を網羅してる必要もないよね?だから、沖縄みたいな糞立地が悪くて、お客も少ないところに行く必要なんぞこれっぽっちもないのよ。お客様って言うと個人のことイメージするかもしれないけど、企業もまた然りだからね。店舗やオフィスなどはやっぱり会社があって色んなものを売り込んだり、買い入れたりしやすい場所でないと困る。だから、首都圏で地方の何倍もする家賃でクソ狭いオフィスを構えてビジネスやってる会社が何百何千もあるわけだ…。

あ、これを言うと「働き者が多いくせに、時給が低い富山県は実は工場作るのに人気の土地ですよ」なんて話がきそうだけど、確かにそういう事例もあるわな。沖縄の場合はというと…時給は確かに低いから簡単な作業なら沖縄にアウトソーシング会社を作るのはありかもしれない。問題は「働きものか」…だが、これは疑問だなぁ。沖縄県民がどうこうという問題ではなく、あんな暑いところで…と。

他にも「米軍基地は経済事情ではなくロジティクスの拠点としてあるんだ」という意見があったが、これは仰る通り。なんの反論もない。強いていえば、「アメリカ様の事情なんか知らん」と言いそうな左翼に、「じゃあ、日本人でも基地反対ばかりが正義じゃないのでは?」と言いたくてこれを書いた側面が大きい。

「人権派」だの「人道主義」だの…聞こえはいいけど、幸せの押し売りだったら僕はそんなものは反対だ。
「自分が死なないことが前提なら…」というコメントもあったけど、自分が死ぬのが怖いものには反対するなんてなんて酷い話だ。

僕は女で「父がタクシードライバーだが、自動車の運転なんて命を賭すような仕事は良くない」と吐く娘を見たことがある。ちなみに、私の母もドライバーに対して同じことを言った人だが、とんでもない。

みんながやりたい仕事だけやって生きられるなら、自分が良いと思うものだけがあることが前提なら、俺はさっさとイケダハヤトさんの身分になりたいね。一応、30にはイケダハヤト・有村悠みたいな身分になるつもりでブログ書いてる人だけどさ。

生涯何百人のま○こから足とか頭とか出てくるの見て仕事する産婦人科医は?育てた生き物が殺されるのを何千と目にする畜産業は?君らが死んだ時に君らの冷めた体を棺に収める納棺師はもとい、葬儀屋・火葬場の職員は必要のない商売かな?それを肯定することはおかしなことかな?

「自分が良いか悪いか」と「社会や国家に必要かどうか」は全くの別問題だろ?よくよく「お前が関わらないこと前提なんだろ?」みたいな議論を目にするが関わったとて同じさ。

社会に必要な商売ならせめてやってない自分は彼らにお金と感謝を払うべきだし、社会に必要がなく誰もなりたくない身分や商売は消し去っていくべきだ。…まぁ、リバタリアン的発想では「社会に必要がない商売は自由(市場)が淘汰してくれる」からそんな商売は残らないんだけどさ。

つまり、どこかの時代では必要があったものしか残ってないんだよ。基地も原発も…あるいはまおゆうのアニメに於ける戦争も。だから一概に「平和がいいです」「安全がいいです」とか言われても、やっぱりそうでなかった理由を取り除かないと誰も幸せに何かなりはしない。

原作者になるなら当たり前に、アニメを見る人には頭の隅っこにそんな思考を置いてアニメを、あるいは世の中を他人の会話を見聞きすれば視野が広がるのではないでしょうか?

二話感想へ続く→ http://d.hatena.ne.jp/TM2501/20130114/1358089973

(以下、参考資料)


有名どころだけど、ヒーロー論を包括的に書いてるものはこれかなぁ…と。

この記事のいっぱいある元ネタの一つ。あんまり知られてないから敢えてこれ貼ってみた

これと図書館戦争が加筆部分の元ネタ。

*1:え?アメリカはライバルの日本・ドイツが消えたから反映しただけ?違うよ!「周りの国がダメなときは自分の国が繁栄する」という理屈が通るなら今の日本は欧州よりもアメリカよりも繁栄してるはずだが、そうなってないじゃないか!!