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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

日本はなぜオリンピックをやりたかったのか?~「オリンピックの経済効果」と「政治案件としての五輪論」~


読みました。

 あらためて、オリンピックに経済効果なんかないこと。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」 あらためて、オリンピックに経済効果なんかないこと。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」

 根幹は同意するのが、表面的なところで「この言い分は間違ってる」と感じるので、その話をしたい。

 

  •  経済効果をどう定義するか…

「オリンピックの経済効果」という論点についてだが、僕は経済案件だと思ってない。政治案件だ。

 

狭義と広義でオリンピックの経済効果は変わる。

狭義には「オリンピックが開催されないと起こらなかった経済効果」。オリンピック関係の観光収入・大会の商業的成功・オリンピックがなかったらなされなかった(必要にならなかった)公共事業。

こっちの経済効果についてだけども、これは日本人は「自分が世界に向けて…」というお祭りが世界の国々よりも好きな人種なので、経済効果はある。万博とか、サッカーや野球の世界大会でもそうだけど、北京やアテネなどのオリンピックとは違う。

 

東京でのオリンピックは今の60以上からすれば、カラーテレビ・首都高・新幹線などとセットで開催された「豊かさの象徴」で神聖な儀式だ。(どれも構想はそれ以前からあったが、広まったのは)

そうでない世代だって、日本人はあらゆる国際大会・国際的な博覧会が好きでその度にバブルが起き、そこで箔を付けた施設やアスリートはその後も末永く重宝される。また、新しい催し物をやり続けるだけの資金力も人口も、それだけの様々なスポーツ市場・娯楽産業もある。

 

広義の「オリンピックの経済効果」についてだが、これがクセ者。

 定義は「オリンピックがきっかけで達成できたけど、別にオリンピックがなくても必要だった各種投資」を指す。主に大規模な競技場・道路の改修、湾岸エリアの鉄道開発などがそれにあたる。

 

実を言うと、これらは別にオリンピックがなくても 必要だし、進められていたことで、厳密に言えば「東京オリンピックをしなくてもやったこと」なんだ。

  • では、日本はなぜオリンピックをやりたかったのか? 

 結論から申し上げれば、「政治案件だから」だ。

 

東京オリンピック当時の統計はなかったけど、ここ50年で首都圏の人口はこのように増えている。(1970年と2010年の人口の比較)

東京都→約200万人増

神奈川県→約450万人増

千葉県→約250万人増

埼玉県→約300万人増

 

…合計すれば、おおよそ東京都1つ分ぐらいの人口が50年で増えた。普通の速さで投資していては古いものを修繕することも、新しいものを作ることもとてもじゃないけど追いつかない。(未来的な視野に立てば今のペースだと圧倒的に遅い)

 

ところが、公共事業というとすごくイメージが悪くて、30年連続で公共事業の金額は国家予算の中で切り下げられた。バブル以前ならまだわかる。しかし、3.11のあとでさえ復興予算がろくに通らない・執行されない・メディアはそれを問題にしないと来た!

 

さらに、2年半した今では被災地のことなんか原発問題以外は誰も報じなくなった。

 

そのぐらいに公共事業への偏見があり、必要な投資についての議論がなされない。新聞も頭が悪い奴が書いてるが、もっと頭の悪い週刊誌。彼らは「復興利権」「政府の埋蔵金」などと人を焚きつけて、政治にないものねだりをさせて失脚させること自体を楽しんでいる。

 

国も東北も、本当に必要なお金が投資されない中で、首都圏だけの投資が歓迎されるかといえば…当然されない。それどころか人が密集しているため、さらに嫌がられ報じられて、叩かれる。

 

当然、内容の議論などない。

 

しかし、それだけイメージの悪い公共事業を、合法的かつ最もイメージが良く行える方法がたった一つだけある。

 

それが、「国際的なイベントの招致」だ。できれば、年を全面的に作り変える必要があるオリンピックがいい。万博では開催後に残る資産が少なく、ワールドカップでは1つの年に集中的な投資が降りない。だからオリンピックがいい。

日本人はこういうイベントが大好きだから、招致すれば喜ばれるし、準備のためだといえばどんな投資にもクレームがつかない。

 

実は2020年のオリンピック会場を決める前に2008年には大阪に、2016年の東京が候補地として名乗りを上げている。大阪→(休み)→東京→東京と言う順番で出ている。

大阪も色んな問題を解決するための予算が欲しかったわけだが…相手が悪かった。今の北京ならともかく、当時の北京ではどうしようもない。

 

東京も東京で2連続で出るほど念願のオリンピックだったが…その最大の理由が「議論やレッテル貼りを避けて、好印象に東京の公共事業を成し遂げるため」なんだ。

 

メディアは小さい事業しかしないイメージなのか都税・国税を使うはずの経済効果を歓迎している。オリンピックを招致するためにいくらの広告費・接待費などのコストを使ったか議論も推察もしていない。そういう情報が一切出てこない。

 

オリンピックをやりたい理由はわかるし、その理由は正当なものだ。

 

だが「嘘つきとバカを騙すために、ついた大嘘」だ!

一部の人はどうしても政策論議をしないメディア、そのメディアのやり口に乗っかるばかりで現状を変えない政治にインチキさを感じている。(そのため、はてなブックマークには五輪招致を歓迎しない声が意外に多かった。)

 

TBS・毎日放送は放射能問題と歴史問題にすげ替え「五輪反対」と言った。だがそんな話じゃない。

 

ただでさえ遅れていた復興をどうするか?復興とオリンピック両方に回す土木関係の人員がいるのか?「オリンピックで雇用創出」と報道されていたけど、その雇用はオリンピックが終わってからも養えるような雇用なのか?東日本で一斉に工事をやれば資材高になることも想定されるけど、それはどうなってるのか?(そして、忙しくなった人達の賃金はちゃんと上がるのか?)

 

そこらへんの議論がなんにもないからインチキ臭い。僕も五輪反対派だが、TBS・毎日放送のようなバカな反対ではない。

 

オリンピックが震災後に政治や経済を真剣に考えてきた人達の意見や言論の蓄積を水に流して、問題と向き合おうとする気持ちを奪う「目くらまし」だとご認識していただきたくて、そう言っているんだ!

 

経済効果は出るよ?持続的にインフラやスポーツブーム、消費拡大は起こるよ?だから、経済政策としては大成功だ。 

 

 ただ、被災地の再生・知的にして民主主義的な政策議論及び意思決定が著しく損なわれ、ひたすら世の中が1方向に進んでいく気持ち悪ささえ取り除けばね。 

2008年の麻生・鳩山選挙のところから大衆は何も進歩してないじゃないか!世の中が1方向に傾いて走っていく違和感と恐怖を言葉として表現しようとするやつが俺を含めた一部のブロガーとそのブロガーに近いフォロワーだけとはどういう事だ…

 

オリンピック報道で浮かれている・政治や経済に関するチェックが甘い時こそ、世の中の大事な事件・決定が報じられなくなる。ここから7年間の間、しばしばそういうことが起きると思うので、瞳を凝らして世の中を見ていただきたい。