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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

なぜ日本人は有給が取れないのか?


楽天ソーシャルニュースのトレンドが二日続けて「有給(有休)」に関する話題があがった。

日本人は世界で一番有給を使い切らない国であり(有給使い切る国の1位はフランス、日本は最下位 | 世界のこぼれ話 | Reuters 有給使い切る国の1位はフランス、日本は最下位 | 世界のこぼれ話 | Reuters)、「有給を使わせできないようになんとかできないか」とネットで相談する人までいる(一般職が有休を取りすぎて困る! 何とか阻止できないか | ニコニコニュース 一般職が有休を取りすぎて困る! 何とか阻止できないか | ニコニコニュース)。

問題は大きく分けて2つ。1つは認識の問題。もう1つは文化の問題。

  • 部下は君の奴隷でも、子どもでもない

よく勘違いされてるのが、「有給が取れない、労働環境が悪いのは経営者の責任だ」というご意見。

ワタミみたいに公式の発言があればまだしも、実態はできる経営者(上司)ほど「働きに来ていただいてる」「手伝ってもらってる」なんだ。経営者は特に、労働者ありきだもの。世界の構造を上と下で「我々は搾取されている」とか考える人がいるけど、それは違うよ。確かに上司や経営者や官職や…要するに「人を使う人」の方が有利ではあるよ。だけど、それは法治国家で高度情報化された現代には過剰な支配は損失の方が大きくなる。

じゃあ、労働問題…特にこの場合の有給云々は誰が問題なのか?それは「監督者(上司)」が問題なんだ。

これはビジネスの世界でも問題になることだが「上司の上司になれるかどうか」がサラリーマンの出世できる限界を決める。「上司の上司」…つまり、自分が全部見ることができない人の権利を守り、成果を上げさせるように上司に指導する役職。

「上司」の中でも出世志向(もしくは責任感)が強い人の合理性は「成果」なんだ。成果を出すために履き違えるのが「部下は会社に雇われてるものであって、自分が雇ってるものじゃない」って事。『経営者意識』(責任感)がそれをわすれたままが間違った方向に働く。

一般職・派遣社員・アルバイト・研修生など「手伝ってもらってる」だけの人は会社と契約してて、上司はたまたま俺だったり、お前だったり…そんなレベルでしか見てないの。(どっちもやったことあるからわかるけど)

「年上の部下」とか持った日には悲惨だぞ?新卒ペーペーの俺が棺桶に片足突っ込んだジジババにああしてくれ、こうしてくれって頼んでどれだけ嫌な顔されたか…。

昨日紹介した「生きる悪知恵(西原恵理子)」では西原さんが「使えない部下はネジだと思えばいい。当てはまるべきところに当てはめてやればいいし、それ以上のことはできないと期待しないほうがいい」とね。これはウチのオヤジも同じことを言っていて「期待するから腹が立つ。他人全部(もちろん、家族まで含む)に期待しない。それができるようになると平穏な心でいられる」と当時15歳の【青少年TM2501】にはとても虚しい思想を説いたことがある。

例えば、「有給を取りすぎて困ってる」と相談してきた入社三年目のペーペーは戦力として一般職の社員に期待をしすぎている。人が足りてないなら、増やしてもらうよう掛け合うべきだし、成果を出すための「欲にまみれた仕事」を排除して、仕事が回るようにすべきだ。自分が上司と掛け合う根性もないのに、【部下なら聞かざるを得ないだろう】と部下に指図する。

部下は給料が少ない分、能力も責任もないの。能力あったら、同僚か君の上司だし、責任もないの。部下に「売れねーじゃねーか!!」とか言っても売れないよ。僕より売れたら、そいつ一人で仕事したほうがいい。僕だって一人で売れたんだから。結局尻拭いするのは自分。貰った部下が不服なら、雇った人に言わないと。「あいつ言うこと聞かない」「よく休む」「彼にお金を出すなら別の人雇ったほうがいい」…要は勇気がないんでしょ?それを言う勇気が。

よくビジネス書や経営者の格言で【経営者感覚を持て】という。だが、それは自分が負っている責任感を押し付けることじゃない。【会社として与えるべきものを全ての人に与える】責任を持つことだ。お客に対して、「手伝ってくれている人」に対して。お金が大事なのは誰でも知ってるが、人や名前だって同じぐらい大事だ。会社全体の利益まで含めて考えないと経営者じゃない。自分の部門の得だけ考えればいいんだったら、そんなのただの上司だ。

部下と上司は主従関係じゃない。「たまたまネジと職人が一緒の部屋にいる」だけ。「支配されるという特権を与えればいいのだ」じゃ付いてこないよ。年上だったり、プライド高い人だったり、生真面目な人だったり…そういう部下を持ったときは、やっぱり「成果を上げよう」じゃ付いてこないよ。派遣社員でもバイトでも一般職でも…なんでもいいけどさ、自分に成果が反映されない人達は楽なほどいいんだもん。

だから、部品・パーツとして以上の仕事を任せるのは酷だよ。たまに飲みに連れていってくれるとか、差し入れをくれるならまだわかるけど、そういう時代でもないよね?

  • 日本人のお葬式や墓に対する情熱ってなんなんだろうね?

「責任を履き違えている上司がいるから有給をとらせてくれない、過剰労働を強いられる」と言うことは分かったと思う。だが、そういう人がどうやってできあがるか…という文化的思想的背景についてはもう少し突き詰めてみる価値がありそうだ。

僕がまだ【青少年TM2501】だった頃、社会科…特に歴史の授業が好きだった。歴史が好きすぎて、日本史や個人の伝記に関するマンガの学級図書・図書室の本まで読んでた。

歴史の授業を色々聞いた中で最も衝撃的だったのは「古墳には埴輪を飾る前は生きた人間を埋めてた」という未だに信じられない話を聞いたときのことだ。生きた人間(殉死者)を埋めてたにしても、埴輪を作ったにせよ、古代の日本人のお墓への情熱は歴史の教科書に載っているお墓の画像を見るたびに驚かされる。

いや、仏教が来てからだってお墓への情熱は衰えてない。具体的には日本のお葬式のコストはずば抜けて高い。「ぼうず丸もうけのカラクリ」なる本まであるほどに。あるいは、奈良、京都、栃木みたいに日本の主要観光地にはお寺を売りにしてる(日光東照宮なんかモロにお墓)ところもいっぱいあるわな。

仏教が盛んなだけでは、お墓が豪華な証明になれない?大事故・震災の慰霊碑とか、交通事故があったという場所のお供え物見てご覧。日本人のお葬式の情熱がわかるから。お葬式どころかお墓参りまですきだから。

ここから言えることって、こういうことがあると思います
■歴史・居場所・過去への執着が強い。
■見栄っ張りの権威主義。(世間体を気にする)
■システム(制度)は受け継ぐ事が前提で、良くも悪くも変化を好まない。
■感情を共有することで生じる「一体感」を強く好む。

たかだか、「有給を取ら(れ)ない日本人」という話でこういう民俗的な考察をするのはいささか仰々しいかもしれないが、お墓に対して持っている感情と、有給という個人の権利よりも「会社」という全体を持ち上げる感情は近いものがあるのではないでしょうか?

例えば、仕える会社なんてどこでもいい。地方なら15万円位、都市部なら20万くらいまともに働けば払ってくれる企業であれば、精神的・道徳的に苦痛な仕事でなければ、おおよそ大半の人は「○○社で働けないなら死んだほうがマシ」って人は居ないのでは?

ただ、就活する学生さんの大半は親・先生・自分もみんなで「(準)大手以上の正社員」にこだわるよね?別にそこに入らなくたって生きていけるのに。身の回りにあるニッチな仕事、変わった仕事は避ける傾向あるね。そうでなかったら、職人芸・農業なんぞの後継者・人手不足のところに飛び込んでいく事だって可能なのに、実際は10倍・20倍の倍率乗り越えて大企業・公務員(自衛官・警察官なども含む)受けて「どこも決まらない」って騒いでる。

決まらないのではなく「行きたいところに入れない」だけなんじゃないの?これは企業側も同じ。

経済や企業に関する報道で「人材がいない」との声をよく聞くが、それは「理想像に当てはまる人がいない」って話でしょ?過去の成功モデルに固執する。権威主義とはそういう現象のことなんじゃないの?もうすでにできてしまったモデルに当てはめて考え、運用される前例主義的制度とその追従者の総称では?

しかも「権威」になると「日本のお葬式高い」とか「有給取れない」と言っても、「それが文化だし」と言って変えない。例え権利だとしても、白い目で見られる。鶴の一声とか、全員が「そうだよね、ダメだよね」って言うまで変わらない。(具体例として国鉄からJRへの移行なんぞがそれ。詳しくは「明日のリーダーのために(葛西敬之)」が詳しい)


こういうのは別にいいんだけどさ…日本人って比較的個人主義者であっても、一体感が好きなんだ。「誰もやらないけど、やりたいからやります」みたいなのは好まれない。逆に「他人(または自分が一部しか携わってない事案)に人を巻き込む事がすき」なんだよね。

【会社が】出世した、自分の好きな作品が世間に広まった、日本代表がオリンピックで金メダル!侍ジャパンやりました!!

…人の事をまるで自分のことのように喜ぶのが好きな民族だと思う。しかも、それを押し付けることに対して、テレビ中心で育った世代なんかは罪悪感無いんだよね!!うちのど真ん中でテレビ付けて「日本チャチャチャ」と騒いでると「ほら、お前もやれ!」って。別にどうでもいいじゃん!バレーボールで日本代表がキューバ代表に勝とうが負けようが…。

これってお葬式もそうで、豪勢な墓を作ったり、沢山の参列者を呼ぶ遺族でないといけないの?「会社が君たちのおかげで儲かった」と手伝いに来てる非正規雇用に言ったって「じゃあ給料あげろよ!」以外の何物でもないよ?

結局、自己満足的に気分を共有することが好きなだけ。何?てめーの父ちゃんは「お葬式で1000人呼ばないと化けて出る」って言ってるのかい?と心のそこから問いたい。ちなみに我が家は二代連続で「家族葬でいいよ」です。僕も子供作ったら、「家族葬でいいよ」と頼む予定。

…話戻すか。

お墓が豪華でも、会社が儲かっても、結局自分が楽しく豊かに生きられる程度のお金がなきゃどうしようもない。成果主義から離れている人ほどそう考えるから、ドライに「決まり通りやってよ」と言える。逆に責任感を持ってもらったとしても、正しいやり方を知らない人達の行動って間違える。ネジじゃ無くて釘が必要なところで、ネジが「あそこ止めないといけない」って行っても大きなお世話なんです。(※実際に「今日儲けないといけない」「役に立ちたい」と力んで客を追っ払うわ、仕事増やすわの新人の相方と組んだことあるけど、悲惨だよ。)

一体感に浸るための努力って本当に怖い。その人自体には中身も度胸もないのに、何か持っているような全能感でモノを言ってくる。


悪意のある言い方をすれば、そういう人(または「一体感が好き」な日本人の多く)は臆病なナルシストなんだと思う。『誰が何と言おうがやる』度胸がないから会社とか慣例のせいにして『空気』通りにしか動かない、ローカルルールを啓蒙する媒介者になる。だが、媒介者として嬉々として人にローカルルールを強い時は、会社の救世主で、日本を勝利に導くサポーターなんだ

…ざっけんなよ!お前なんか一人じゃ何もできやしない媒介者じゃないか!強者に対しては批判を恐れて作り笑い、弱者に対しては与えられた権利さえも剥奪する「敵」。それ以上にお前の評価なんかないよ。



■参考資料
生きる悪知恵

生きる悪知恵

生きる悪知恵
著者:西原理恵子
価格:840円(税込、送料込)

笑いあり、涙あり。明日から使える悪知恵が沢山載ってます。


■明日のリーダーのために

若い人からしたら馴染みのない歴史の話を丁寧に書いてくれている良著

■ぼうず丸もうけのカラクリ

「ぼうず丸もうけ」のカラクリ

「ぼうず丸もうけ」のカラクリ
著者:ショ-エンK
価格:1,365円(税込、送料込)

学生時代に読んだ懐かしの名著。…と言っても結構新しい本なんだけどさ。