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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

コミケと陰謀論と方便と〜BL・百合かけ算以外の妄想力付けやがれ!!〜


ご存知かと思うが、昨日は後の歴史に禍根を残すであろう大事件が起こった。コミックマーケット83における『黒子のバスケ』サークル・頒布物対応に関する緊急のお知らせ コミックマーケット83における『黒子のバスケ』サークル・頒布物対応に関する緊急のお知らせによれば、こうある。

「 非常に残念かつ遺憾ではありますが、コミックマーケット83においては『黒子のバスケ』サークルに参加を見合わせていただき、また、『黒子のバスケ』以外のサークルにおいても『黒子のバスケ』の同人誌・グッズ等の頒布については、ご遠慮いただくことになりました。
 今回の対応は、参加者の安全確保・コミックマーケットの開催継続のための判断ではありますが、参加者の皆さんには大変申し訳なく、また、ご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。 」(要約・一部抜粋)

これはコミケの歴史始まって以来の大事件…らしい。が、僕が気になったのはこの事件そのものよりもむしろこの事件で露呈した「コミケと社会の距離感認識の誤り」だ。それこそ「コミケ存続(開催継続)の危機」にまで至る事件でありながら、ツイッター上には「テロに屈した」という手の警察批判の書き込みがほとんどない。(※はてなブックマークにはある。)

とりわけ酷かったのが「警察にとっても苦渋の決断」というつぶやきさえ見られた事だ。…何もわかってない。何もわかってないよ。

  • 警察がコミケを守る理由なんて「功利的」にいえばない。

商人は「嘘も方便」の部分がなければ生きていけないが、警察官・公務員は別にそうでもない。むしろ、商人から税金を取ったり、商人の「儲けるためにやる小さな違反」を取り締まる側にいる。

コミケ準備会と各権利者・ビックサイト・りんかい線他関係者各位とは利害関係の一致するところがあったからこそコミケには様々な【無茶】ができた。

コミケは大きすぎる。三日で50万人動員。…下手な野球場一ヶ月分の人数をわずか三日で動員してしまう上に平均単価が2万円くらい。これに同人作家の印刷料、参加者全員の交通費や食事代、お台場・大江戸温泉・ららぽーと豊洲など周辺観光地及び上京者が行く秋葉原・池袋・中野まで含めた経済効果を計算すればどうなりますかね?

商人からすれば、「シラフなのに浮かれていてお金を持っているお客が山のように来る」という夢のようなイベントですよ。

だけど、その分負担も大きい。「徹夜組」と呼ばれる始発前に有明周辺に居る連中数千人を誘導したり、コミケ当日が夏であれば、同じ場所から体調不良の人が何十人・何百人と出るし、マナーの悪いお客だって出てる。酷いときはりんかい線が「重さ」で止まってしまった。…まぁ、「事件」が多い。警察官に言わせれば、「厄介事の塊」でしかない。

悪意のある考え方だが、こういう考え方だってできなくはないんだよ?
「警察が犯人を泳がせ、事件を大きくすることでコミケに警察が介入できる口実を作った。(もしくは著作権問題に関心が強い政治権力からの誘導)」という陰謀論

まず、コミケ準備会には毎年のように脅迫状が来ているのに、今回だけ「自粛」になった理由は『犯行が積み重なったから』なんですよ。【黒子のバスケ】の作者や出版社・関係者など多くの関係者に届いた事が「犯人の本気度の大きさを示している」という推察へとつながる。

犯人が二次創作批判をしている以上「コミケ批判」に繋がる可能性は大いにありえる。いや、むしろそのための「準備」として犯行及んでいた可能性だって加味されるべきだろう。それを読んで「警察・会場からの要請で自粛」という筋書きなのだろう。だが、これにはいくつか無理がある点を感じる。

1つは「コミケでの犯行は本当に可能か」という事。一個人があれだけの警備・群衆の中で特定のスペースに反抗を仕掛けるのは極めて難しい。よしんば犯行を成功させたとしても何万人という人が見ているし、常に隣に誰かいる。また、あの場所にある一体感が犯人をやすやすと逃亡させるとも思えない。異変に気づいて声を上げた時点でスタッフがくるなり、参加者がその人を逃がさないようにするなり…まずこれが会場内での問題。ありえるとしたら、終盤の空いた時間だが、ほとんど人が帰ってしまった場所で事件を起こすことが犯人の今までの愉快犯的な動機を満たすのだろうか?まして、捕まるリスクを上げてまでやる価値があるのだろうか?

これは外での待ち時間でも同じ。確かに座って待っている場所に入れば、一人二人簡単に殺せるでしょうけど、捕まらずに逃げることはどう考えても無理でしょう。(「人を隠すなら人の中」というが、周辺でたくさんの人が見ているし、準備会のスタッフさんが巡回してる。)
そしてこれも「犯人が主張してきたメッセージ性」が伝わらない犯行になる。わざわざコミケ前に黒子のバスケに対するネガキャン・脅迫行為を重ねる理由が少ない。

次に「犯人が姿を出して犯行したことがない」こと。確かに悪質な脅迫はたくさんしているけど、現場に出て人に危害を加えたことがない。これはオタクの気質を知っている人なら「ああ、愉快犯の可能性が高いなぁ」と思う大事な要素だ。
同人誌即売会は非常に変わった場所で、ネット弁慶で強気に書き込んでいるネットの住人がいざ会ってみると会話するどころか目を合わせただけで逃げられかねないほどの「ノミの心臓」なんだ。だから、みんな目を合わせないようにモノを売る。(※この文化は通常の接客業務の正反対ですよね。アイコンタクト取って笑顔作れって教わるけど、これをコミケの売り子さんがやると(特に文芸とエロは)ダメだと思います。)

僕が「犯人がいたとして、硫化水素送り付けることぐらいしかできない」と思う根拠はコミケという場所の特性と、オタクの気質を考えた上での事、犯人が発したいメッセージ性を発する条件の困難さなどがある。

それを踏まえた上で次は「犯人を泳がせている」というパターンの話をする。…陰謀論と切り捨てようとしてるあなた、泳がされている犯人なんていうのは世の中にいくらでもいる。ヤクザだったり、過激な政治犯だったり…警察は「海老で鯛を釣る」ために小さな罪に目をつむることだってある。

コミケを潰そうとしてる】という極端な陰謀論ではなく、ソフトに【周辺地域に迷惑被るため、警備やテロ対策の面でモノが言える状態にしたい】というレベルだとは思います。(著作権云々は親告罪の側面が大きいから当事者が黙認している限りはあんまり問題にする必要がないから少なくとも「警察は」議論しないよね。「政治」の問題になってくるから警察と政治が「一時的に利害が一致して…」というふうに考えるのが多分一番自然。)

今回コミケに於ける「自粛」の問題があったとき、こういう意見がないどころか、「警察はベストな対応をしているし、警察もむしろ苦渋の判断をした」という類の意見が多かったことには甚だ疑問が残る。

警察がテロに屈した(下手をすれば、犯人を泳がせたことでテロを間接的に誘発した)可能性だってあるのに、誰もそれに言及しようとしない。それどころか、警察とコミケ準備会の利害関係が一致しているかのような発言まで飛び出しているのだから、「ファンタジーは紙の上でやれ」とと言いたくなる次第だ。

だいたい、コミケの著作権問題について言えば、善意で守られているのではなく「功利の一致」であり、「商人の方便」があるからファンが自由にできている(後述)

俺に「わかってない」という人がいたけど、コミケ準備会の対応しか見ていない人、犯人が「捕まらない」パターンでしか考えていない人にだけはそれを言われたくない。
「大きなイベント」であるだけにしがらみも、手・首を突っ込みたがる人もいっぱいいるため、それに合わせた「陰謀」(と呼ばれてるだけで、ただ情報が非対称なだけ)だって想定していろいろ考えてみるのも必要なんじゃないのかい?

それともあれかね?萌え豚だか、ホモーだかしらんが、想像力が「かけ算」でしか働かないのかい?こういう「勘ぐり」「妄想」はオタクの得意分野だと僕は思うんだけど。

  • コミケは「商人の方便」に守られている

著作権の話を少しやっておしまいにしようかしら。

有名無実な法律というのは世の中にたくさんある。例えば、自動車。ローカルルールで法定速度よりも40キロ飛ばさないといけない地域が群馬県にはあるらしい。(教習所の先生より)
例えば、信号も東京と大阪では黄色や赤の対応が違う。

警察もとい国家公安委員会…ひいては国会議員は「安全第一」で法律をつくるが、実際のところは無理のあるものは有名無実になる。例えば、タクシードライバー。彼らの中にはバス停で客待ちしたり、交差点に車を止めて客を拾ったりするが…これは道交法から言えばよろしくない!!

コミケの話しろ?はいはい。
まず、「二次創作同人誌」「18禁・エログロ描写作品」は著作権や表現規制の問題上「これお金出して売っていいの?」「人前に出して問題にならないの?」というモノはいっぱいある。これはニコニコ動画何かでもそうだけど、「公認」ではなく「黙認」という措置が二次創作の世界ではお互いの立場から最適な措置とされている。(例えば、ひだまりスケッチの作者・出版社がゆのっちがレイプされてる同人誌をイチイチ精査して「これは合格」って言ったらどうなります?大手を振って「公式ではないけど、認められてます」って言い出したらどうなります?楽しく、ほのぼのと原作を読むファンへの裏切りですよ?逆に、俺妹の18禁同人誌なんか出すことになったら、兄妹でセックスするのを容認せざるを得ないようなケースも出てくるけど…それってどうよ?)

私が好きな漫画に外天楼(石黒正数)があり、こんなセリフが出てくる。

『例えば…【人は異性と交わって生まれる。そのことを神聖視するのに、異性への興味・正行為そのも尾を恥じ・隠し・軽蔑するような様々な矛盾】を時と場合によって、出したり引っ込めたりしながら厚かましく生きていられるのは人間だからだ!ロボットにはそれができなかった。』

そう。二次創作も同人が表現規制から比較的寛大なのも「矛盾を時と場合によって出したり引っ込めたりした」産物に過ぎない。それも立場によって「黙認」というスタンスが取られた理由は微妙に異なる。

まず、作者一個人の感情としては「派生作品の存在」は嬉しい。「同人」ではないが、当ブログだってぼくの記事から新しい記事が作られるとやっぱり嬉しい。だけど、YesかNoの二元論では「嬉しい派生作品」を残し、「嬉しくない派生作品」を消すことができない。(さっきのひだまりスケッチの話じゃないけど、「原作ぶち壊し」な同人誌もまた「二次創作」だし、二次創作者の愛があってできたものなんですわ)

心情としては「嬉しいからやって欲しい」けど、実際は「(商用の場合)自分一人の作品ではない」こと、「公認・容認する形をとると作者・作品を見る目がひどく変わってしまうこと」が作者一個人としてはあると考えられる。

他方、出版社など「権利者」の場合は「将来人材への先行投資」の側面と、「原作へのキックバック」を期待する側面があるから「黙認」という措置をとる。同人出身の作家・絵師はゴロゴロいるため、同人作品や二次創作の文化を禁止することは痩せた土地の草を食べるようなもの。ニョキニョキと草が生えてくる土壌であるからこそ、日本のオタク文化は強いわけだ。(漁師が植林って「豊かな水作り、川作り」を行うようなものです)

次に、ヒットする作品は二次創作に寛大だというケースがしばしばありますね。作者が「何やってもいいよ」と言っている東方project、ニコ動の黎明期(涼宮ハルヒグレンラガンの時期)なんかも然り。エヴァンゲリオン攻殻機動隊だって比較的ネットで無料で見やすいコンテンツだったから10年経った今でも世代を超えて語り合える部分がある。(が、具体的に貨幣化されていないため、本編を無料でアップロードするのがいいのか、本編映像・音声を使ったMADぐらいまでがいいのか、それとも紙媒体の同人誌までなのか…どこが一番経済効果が出るかを証明するすべがない)

井上ひさしさんが「外来語が入ってくるということはその概念も一緒に入ってくる」と言ったことがある。これはネットの世界でも同じことで、「もうゴールしてもいいよね」という言葉をみんなが使えばAIRを見る人は増えるだろうし、「スタンド・アローン・コンプレックス」という言葉や概念がなんなのかを知るために攻殻機動隊笑い男事件編を通してみるだろう。

原作やDVDが一番売れる時期に売れなくなる危険性はあるが、拡散し、ネタとしてでも話題に上がり続ければそれは後々お金になりえる。

これらの「功利的な事情」で同人・二次創作は『守られている』側面が非常に大きい。だから、コミケには著作権的にも表現的にもグレーゾーンな代物が並ぶ横に「企業ブース」がある。金銭感覚を麻痺した状態で商売ができる場所をわざわざ作ってくれるのだから、これ以上の売り場はない。

…これがコミケや二次創作を渦巻く環境なんだけど、この「功利的な考え」にも僕みたいに考えない人もいる。つまり「二次創作や違法アップ(ダウン)ロードが商用の利益を阻害する」という考え方をする団体や個人。あるいは「黙認文化」が通じない外者の存在。

警察の介入やら、コミケ準備会が退いた歴史を詰る事でファンを「金銭のみ出す奴隷」しようと輩が今後出てこないとも限らない。

僕も今回の準備会の対応は「仕方無い」と思う部分が多い。だけど、勘違いして欲しくないのは「大きな痛手」であり、今後「模倣犯が出る可能性」だったり、「関係者全てがベストを尽くしたから出た対応」でない(そもそも事前の犯行で犯人をつかまれられなかった警察の失態だという見方だってできるし、テロに屈したという警視庁の失態だという言い方だってできる)ことも。そして何より、これを機に良からぬ規制をかけたがる輩やグレーゾーンだから成り立っていたコミケが全く別の形に変えさせられることだって大いにありえる。

煽るわけではなく、「思考ゲーム」程度には頭の隅に置いておくべき議論だ。

…おかしいと思いませんかね?今回の犯人は掲示板に犯行声明をしょっちゅう書き込んでるし、犯行が複数回に及んでいるため、証拠物件だって複数ある。それでも「捕まらない」の?それとも、脅迫レベルだと油断して捕まえなかったの?…後者なら硫化水素出てきた段階で立派な事件ですし、オンリーイベント潰しをやってる時点で損害額は計り知れないよね?

あ〜変なことだらけだよ。ほんと。

犯人憎んでどうするのさ?かんなぎのコミックぶち破ってネットにアップするようなのがオタクってコミュニティーである時点で、「過激なファン」によって早かれ遅かれ起こり得た事件でしょう?大事なのはこの事件がどういう方向に行っても対応できるように、様々な仮想ゲームをやっておくことなんじゃないの?「妄想」になったならそれでいいじゃん。「あってはならないを考えない」家に鍵をかけないで出かけたらいい。泥棒何か来て欲しくないけど、万が一があるからうちに鍵をかけて外へ行くんだろ?