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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

電通がオタク研究をするようです〜電通の介入で変わるオタク事情を読め!〜


最近、こんな記事が出回ってる。

“ヒット探す嗅覚盗め” 電通、「オタク」を研究する「オタクがラブなもの研究所」を設立 - ライブドアブログ “ヒット探す嗅覚盗め” 電通、「オタク」を研究する「オタクがラブなもの研究所」を設立 - ライブドアブログ

産経新聞は「AKB48」や「もしドラ」のヒットから「クールジャパン」や「オタク向け」に電通が光明を見出したと言っているが…実際は違う。以下の記事を見て欲しい

電通が「オタクがラブなもの研究所」を発足 「ビューティー感度の高い女性オタク層」を「美オタ」と定義 #ブレーン | AdverTimes(アドタイ) 電通が「オタクがラブなもの研究所」を発足 「ビューティー感度の高い女性オタク層」を「美オタ」と定義 #ブレーン | AdverTimes(アドタイ)

なるほどね。個人的には電通さんの試みは応援しますな。もしも「クールジャパン」を目指すのなら、僕は電通に「アホだね」というところだが、電通の狙いは「ビューティーを買うオタクを探すこと」や「新しいアイドルに投資しうるオタクを探すこと」にある。

この二つのどちらでもない私だが、友人にいっぱい声優が好きでたまらない人・イケメンなのに何を間違ったかオタクな人、モテモテの美男子なのに人形と被服にずば抜けたオタク(そしてルパン級の女好き)がいるので、こういう人らは電通がターゲットなんだね…と。

細かいことは順を追って話しましょう。

お品書き

  1. 元来、オタクは「貴族とエリート」で編成されていた!
  2. 電通に狙われたオタクと、狙われないオタクの今後は?
  3. 必要なのは各分野からの「船頭」さん。それは増える!
  • 貴族とエリートという上流階級の文化であったオタク

※諸説あるし、例外も常にいるが、ここでは一般論としてのオタク像の変化とその過程で電通・マスコミがどう介入したかを話していく。


私が生まれてない頃の話だが、岡田斗司夫の「オタクはすでに死んでいる」が定義するところによれば、オタクの第一・第二世代(90年代までにオタクの間で面白いコンテンツが出揃い始めたけど、メディアにはまだ犯罪者予備軍の烙印が貼られていた時期に無謀にもオタクになった人達)の多くは自分達がコンテンツを知ってることに対して強い自負があったそうな。

自負の仕方が違って、80年代以前のオタクは「自分の専門分野は好き嫌いに問わず全部知ってるのが当たり前」と道を極めてなんぼだったという。(※生まれていない時期の事だったり、岡田斗司夫の周りがそうなだけだったりと不確かな部分はあるが、人数が少なく「好きな人だけが」集まったのは本当の話だろう。)
それを馬鹿にされたり、子どもっぽいと言われても「あいつらと俺らはそもそも違うからね。」と腹のそこで違う事への自負にほくそ笑みながら自分のやり方を守ってきた。(ここまで第一世代)

第二世代はというとみんなの知らない面白いものをいち早く知ったが、それが認めてもらえないことにもどかしさがあった。(むしろ、知らん人間に「犯罪者予備軍」まで言われて腹が立つのなんの…と。)
「俺達はお前らよりもずっと面白いものを知ってるエリートなんだ。」とアニメに対して高らかと語る人種(まぁ、私もそうなんだけど)が、以前よりも増えた。

第一世代の「極めるからには全部だ」という求道精神・第二世代の「お前らの知らんすごいものを知ってるぞ」というマイナー志向がオタクのベースにある。

岡田斗司夫電車男前後の「マスコミによるオタクブーム」でできあがったオタクを「第三世代」と名付けたが…ここからオタクの一部は「大衆志向」な人も出てきた。みんなが知ってるものを抑えれば良い・楽しいと思うものさえ抑えれば…という発想で、全部見よう・見た上でそのすごさをアピールしようなんて考えたりしなくなった…と語る。

だが、これは古い。

私は敢えて「第四世代型」を名乗り、定義したいと思ってる。それは「旧道的ではないが、マイナー志向。自分の好きなものしか見ないが、発信・創作する(ことに憧れる人も含める)オタク」だ。東方projectの普及・ニコ動の爆発的な普及によって増えた彼らの存在を著書が出た当時は定義されていない。

第三世代はマスコミによって「作られたオタク」だから、消費動物的な側面があり、岡田斗司夫のいう違和感は的中してる。(オタク特有の多様性が減少している部分も含めてね。)

だが、電通がそう言ったオタクを作り上げる時代はもう終わった。私の父母の世代はオタクバッシングをテレビで観て「あんなのになっちゃダメよ」と言って僕を育ててきた人達だから、大人達が「腹の底では蔑んでるんだ」と言うことを知ってる。

認めてくれる家庭は「第二・第三世代」になることができただろうさ。だがな、僕は第四世代にならざるを得なかったんだ。(だから、第三世代が嫌いでもあり、うやらましくもある。)
私は産経新聞の報道のように「大衆文化にオタクテイストを取り入れよう」というのなら「第三世代みたいなできそこないの(偏った)オタクをまた作るの?」というところだったし、痛いニュースでのリアクションはその手の事が多い。

もちろん、電車男から入ろうが、涼宮ハルヒから入ろうが、面白いものを作る人だっているだろう。諸先輩が面白いというものを順番に見てる人もいるだろう。だが、電通の力ではそういうオタクはできあがらない。それは「マス」に向けて発信する情報じゃないんだ。

そこで、電通が「美オタ」(ファッションやビューティーに関心が高いオタク)を定義したことは「流石だ」と思った。次項はその話をしよう。

  • 第四世代は「趣向」によって複数の型に枝分かれしていく

世間ではオタクというと、「アニメ・ゲーム」と「アイドル」と「鉄道・ミリタリー(など重機系)」に別れていくところだが…このイメージは少し違う。数え切れないほどの多様化をしている。

多様化の中でも「第四世代」に絞って言えば、「硬派なオタク」と「軟派なオタク」に別れる。(そして、それが趣味によって比率が変わる。)
硬い人は従来の古典的なオタクみたいに「より知らないものを求める」「作品を熱く語る」などをしたいオタク。これは評論とか絵師とか…理系オタクに多めで、彼らはアニメやゲームに引き出しを持ってる。元々のコレクター趣味・マイナー志向があってオタクの道へ踏み出した人。

逆に、第三世代以降に増えた軟派なオタクも存在する。コンテンツへの知識は大したことないのだが…自分の専門分野を持っている。従来の「人からなんと言われようと」ではなく、「友達もいっぱい」「女の子にもモテモテ」…でも、オタクなんだ。という人。

経験上、「歌い手」「踊り手」「コスプレイヤー」「ニコ生主」なんかに多い傾向。分厚い層があるのは自分の専門分野だけだが、浅く広くオタクを知ってる人。
こういうのが現れた背景には「テレビ(もとい大衆芸能)がつまんなくなった」という声がある。テレビから得ていた「娯楽成分」が不足したからオタクになり、だからといって従来のオタクの「道」へは踏み出さずに「趣味として共有されるオタク」になる。

電通が狙うのはそういう人達。「世間がある」という人。「リア充」であり、オタクでもありたい人。…私はオタ充でも良いんだけどさという人(自分も含む)はお呼びでない。

当ブログでは再三話しているが、化粧品は「広告費」が原価なんかよりもずっと多い。成分的に変わらなくてもブランド志向でいい銘柄・高いものをかってしまう。
だから、電通からすると…化粧品業界がネット広告に逃げ始めると困るのですよ。(広告の効果が明確になるため)テレビほどボッタくれないし、電通の圧倒的な優位性を失う。(電通系列のネット広告もあるにはある。だが、そうでないライバルが多すぎる上に、外国勢力・ベンチャーがテレビよりもずっと幅を利かせている。)

そこで、電通には「同人誌」やウェブコンテンツから「テレビ」に取り戻す研究をする必要がある。その時に最もオタクの中で戻ってきやすいのが電通の定義した美オタ、私の定義するところの「軟派なオタク」だ。

そもそも、アニメはとにかく原価がかかる。原価がクォリティーを何割か決めてしまう。(エヴァみたいにジリ貧でもいいアニメだってあるが、大多数はそうじゃない。)

化粧品や洋服にはあらかじめ「広告費・ブランド料」を盛り込む「スキマ」がある。

電通にとってはその「スキマ」が収入源だったから、「オタクの好み(趣向が変化した人)に合う新しい商品コンセプト」が必要だと考えた。

僕は理にかなってると思いますよ?深夜アニメはまだしも、ゴールデンのアニメにそれで予算・枠が増えてくれればいいし、新しいスポンサーが見つかればもっといい。電通が従来のようにコンテンツを広告によって力押しする戦略に出るなら賛同しかねるが、そうじゃない選択がいっぱいある。それを見いだせれば、軟派なオタクにも電通にもメリットがある話だろう。

  • 硬派なオタクを増やすために

電通がやってる事とは別に今のオタク見てて「これやったほうがいいなぁ。」「これが欲しいなぁ。」と思うのが、「ミクロな情報」なんだよね。

私もそうなんだけど、同人誌市場をもっと知りたいとか、マイナーだけど面白い漫画は?とか、マンガ史を変えたあの演出の元ネタは…とか。色々あるが、この手のマニアックな情報ほど手に入りにくいんだ。(アナログな場所に埋まってるか、息を潜めた年配者が持ってるのだが…なかなか機会がない。)

硬派なオタクって基本的にオフ会とかに出てこないんだ。コミュ力がないのとはまた違うけど、一人で何かしてることを苦痛に思わない連中なんだ。

アニオタならツタヤにあるものを片っ端から見ていけば、2chのおすすめアニメを片っ端から見れば、確かに完成するだろうけど、マンガはそうもいかない。同人誌なんてもっとそうだ。

量と資本がとても追いつかない。

私は多少なりその対策をみいだしたから「同人誌やアニメ・漫画も語るよ!」と言ってこのブログをやってる。やりたい事、思ったことをツイートしてそこから出てきた情報をやってみる。
気になる同人・商用漫画はクリエイターがTwitterやってたら声かけて見る。(その時に自分がその人に対して書いた記事を見せるとなお良し。)

私は「オタク悪玉論」を消したいという世代ではない。そうではなく「口を開けていれば入ってくる情報の上」を提供したいから、自分でアニメや同人誌を語っている。
「手作りのここにしかない情報」にこだわってる。
電通のマネをしても、資金力で圧倒的に劣る。アキバブログのマネをしても編集・知名度・生産力があっちの方が上。だったら、記事1つ1つに入ってくる「繊細な感覚」と「ここでしか読めない情報」で勝負しよう。

他の人のブログも含めてだが、私のような考えを持って、各々のコンセプトや道を持っているブロガーさんがここ最近増えた。増えたというよりも台頭してきた。私は今の硬派なアニメオタクに必要なのは「発信」だと思ってる。それも、手作りにこだわること。これは電通にはできないし、狙うこともできない。

ツイッターもニコ生もブログもあるんだ。そして、オタクと聞くと飛んでくる人もニコ動で増え、電通がさらに増やしてくれる。…だったら、今がチャンスだろう!


電通が入ってくることで僕はオタクは硬派な方も軟派な方も活性化していくと思うね。「世代間で違うオタク像」ではなく、「縦も横も広く、多様な「大衆文化」」になったときにより、持続的かつ有意義な文化で有り続けられる可能性があるなら、それは掘り下げる人間の存在だ。

マイナー志向の楽しさ、アニメから同人誌・他のオタク趣味に目覚めていった人達の受け皿になる場所を個人のオタクがどこまで作れるか。それがこれからオタク業界に求められていくことだと思うね。


オタクはすでに死んでいる

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著者:岡田斗司夫
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