読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

二人だけの教室 水あさと

同人誌

すさんだ心を癒してくれる同人誌紹介の時間です。(※企画の本旨は「僕がいいと思う作者の創作活動が少しでも意欲的・経済的に楽になれるような支援をしたい」ということなんですが、ことこの本については「僕が癒されたいから」語ります。)

文句はコメント欄に書いてくれたら「わ、私めのブログにコメントなど…滅相もございません///」と子芝居をしながら読みますo(*^▽^*)o

…だって、今回はコミティアのホームページのトップにもなっていた超有名同人誌の紹介だから、俺が紹介しなくてもとらのあなとZINがお店の中でイヤというほど)ry…というわけで、今回は「いかにみんなが有名で知ってるものをネタバレせずに、テーマ性と作家の魅力を深く掘り下げて語れるか」に重点を置いて書きたいと思います。

お品書き

  1. あらすじ
  2. 青春の正体
  3. コマの重み
  • あらすじ

…バレンタインデーにチョコを渡す話。(渡すプロセスの話ともいえるし、渡した後の話ともいえるし…)
ちなみに、コミティア99開催前にはこの絵を窓の外から見た絵(この冊子の裏表紙)がコミティア運営のトップページを飾っている。

情報は以上だ。あとは私の解説を読んで想像してくれ。(「人がおいしそうに食べているのを見ると自分も食べたくなる」作戦です)

  • 「高校時代が楽しかった」わけじゃない。

この本から学ばされたのは「青春って何歳になっても可能なんだなぁ…」という話。(※モブ込みで高校生しか出てこない同人誌です。)

結論だけ言えば、
「同人誌の紹介文読んでるようなヤツが世間のいう「甘酸っぱい女つれて帰り道を歩いて、ちゅっちゅする青春」「何かに燃えて、みんなに応援されて四六時中それをやり抜いく青春」なんか送るわけがないのです。」

だから、本当は知ってるでしょ?「高校時代なんか大人達が思ってるほど楽しくない」って。…だって、俺自身そうだもん(* ̄ー ̄)

それで、親や教師が「青春なんだ!」と言われても、ドラマで熱血教師と生徒は走ってるところを見ても幻想曲(ファンタジー)だと思っていた。いや、幻想曲をなぜ、こうも崇め奉るのかがわからず、かえって不愉快なばかりであった。

この同人誌はその「幻想の正体」を解き明かしてくれる素晴らしい作品だから、紹介した。(※こんな読み方をするのは読者の中でも3%もいないでしょうけど。)

幻想の正体とは「自分自身が妄想する」からだ。学校というところには「思春期・発情期」の人間が通うこともあり、男女の区別・意識が強く働く場所だ。おまけに同世代ということもあるし、同じ教室に30人も40人も人がいる。その子らが薄着したり、水着着たり、歌ったり、体操服をスケスケにしながら走り回ったり…。

我々の業界でいえば「存在そのものがエロい」わけだ。部活動に没頭する人間を見て投影することでもいいが、「異性」のほうがわかりやすいから異性の話で絞っていく。

エロを語らせたら、俺たちアニメオタク(特に萌え豚と呼ばれる人種)が「世界最強」だ。…実際、日本のポルノ産業は世界から良くも悪くも注目されているね。
その世界最強の俺らを育てたのはアニメではなく「学校」なんだ。学校で、クラスの女子を見てかわいいと思った瞬間を男同士で語り合って、それを絵が描けるヤツ・映画を撮れるヤツが形にしちゃう。日本人女性が世界中から人気がある理由は「男が妄想にふけって、実体から逸脱するほど女をかわいく語るから」だ。(世界一オナニーの平均値が多い国民は日本人男性だそうな…)

…同人誌と関係ある?あるよ。まずは「どういうシチュエーションでチョコを渡そうか」というところから始まってるからね。

男も女も結局は「妄想」で恋愛する。そして、その妄想は素材が近くにあればあるほど、膨らむ。この作品は「妄想」「落胆」「予想を超えること」の三つでおおよその構成が成り立っている。

その中でも衝撃的だったのが「妄想」のパートだったから、「妄想があるから楽しいんじゃないか。」という話を先にした。
当時はより露出度の高いものを欲するため、ヤング○○○○のグラビアに憧れたり、週刊○○の袋とじに憧れを抱くのだが、結局のところそれらよりも妄想力やエロさ、女性の魅力に目覚めるのは学校なんだ。

ちなみに、これは女の場合も同じ。日本人女性の外国人の評価は「かわいいし、性格もいいけど、女同士で群れるから男の理屈がわからない(逆に、男も女性から説明されないとわからない)」というもの。大奥に代表されるように女性には女性の社会があり、ほかの大陸国家とも東南アジアとも違う女性の社会が日本にはある。それが男と同様に寄り合って、男の魅力を語る。…が、欧米と違うのは日本人女性の語る男の魅力って「タフ」さじゃない。もっとソフトなところだから、あまり理解されない。

妄想があるから高校時代が楽しかった。あの子がいい、この子がいいとビジネスライクなこと・性的なことを持ち出さずに「萌える・愛でる」楽しみがあった。

…絵の話に入っていく前に言っておきたいのは「好きなものを好きだと語る場所を持っていれば、人間は何歳でも青春していられる」というこの作品から得た知恵。老いたといえば、自分から老いていく。疲れといえば、また然り。「年相応の態度」はあっても、だからと言って遠慮しちゃいけない部分もあるんだと学ばされた。

妄想・妄想と耳につくぐらい言ったが、やっぱり「絵も妄想」なんです。

  • たった26ページをいかに大きく見せるか。

同人誌のつらいところは「大作を発表してしまうと利益が出ない」ところにある。最近、コミティアでいろんな評論同人誌を見て「このブログで培ったノウハウで同人誌を出したい」と思い、同人誌の値段を調べたところ、作るだけではなくそれを収益化するにはそれなりの考えが必要なことが分かった。

他方、「買う」立場で言えば、同人誌を買う時の基準として「厚さ」を基準にする人がいる。僕もその一人だが、理由は2つある。

  1. 話を組み立てるだけのスペースがあるから、安直なお話で終わるリスクが少ない。
  2. つまらなくても、量があるとそれでなんとなく許せてしまう。(こっちは感情論なんだけどね)

重要なのは1の方。短いがゆえに構成力が必要になってくる。絵がうまいならまだしも、絵が下手なのに話も…となればその時のガッカリ感は計り知れない。

だから、「同人誌には20ページそこらでも十分に面白いといわせるだけの、構成のコツ」を探求する必要があると思う。
この仮説を証明するために作者の「水あさと」さんは商用漫画「電気街の本屋」を購入して、調べてみた。

すると、この作者の魅力が2つ鮮明に表れてきた。(仮説は正しかった。)
絵の質感
これは読んでからのお楽しみなのだが、不思議なクセがある。のっぺりと平面的なのに、バランスが整っている。マンガっぽい表情や演出の塊でありながら、重さやさわり心地を想像させるような絵を描く。

同人誌の売り場を即売会やアニメショップで歩いていて、致命的だと感じるのは「表紙が没個性化してる」作品。アイデア次第で何とかなる人もいるのだが、構図も絵柄も平凡で「何がしたいかわからん」作品がある。…いや、同人誌は商用じゃないから「こうじゃないといけない」というものはないよ?ないという前提で言うと「全力で「ギョッ」とさせてほしい」のに、それがないとみる気もわかない。

この作品の場合は逆。表紙の構図も不思議だし、絵柄についても数ページサンプルがあれば、没個性化のしようがない。(表紙はモブばっかりだから、わざと印象に残らん描き方をしてる。それは絵の中の「光」を見たら想像がつく)

コマや台詞の使い方
絵柄よりも重要なのはこっち。絵柄は僕みたいに「もう、見飽きた絵柄なら買いたくない」派もいれば、「逆にぶっ飛んだ絵柄なら買わない」派(ジョジョとかが苦手な人)と二つのパターンがあるから、需要はある。

絵柄よりも重要な理由はその短い尺にある。『ページ数が少ないため、いかにストーリーに感情移入できる「魅せ方」を考えるか。』という命題を解決する演出方法が同人・商用両方に共通して取り入れられている。

話の説明になる部分、プロセスの部分では小さめのコマで余白を最小限にテンポよく話を展開していく。
逆に起承転結の「転」になると、台詞を減らして惜しげもなくスペースを使う。
小説を書くときに「設定とストーリーをどうやって混ぜると書きやすく、面白くなるか」という議論になったことがあるが、漫画もその構成力で大きく変わる。

台詞がないコマを舐め回すように見てほしい。この人の面白さは台詞のないコマにこそ詰まってるから。(※あるところでさりげない受け狙いはやってくるけど、そことは違う「こみあげてくるもの」を感じながら読んでほしい。)
そして、勉強になるから「電気街の本屋」も併せて読んでほしい。何が面白いかというと、デンキ街の本屋では「ぱらぱらめくっていても目に付くコマづくり」という「雑誌媒体に合わせた書き方」がされてること

雑誌という媒体がぱらぱらと興味のないところをすっ飛ばしてめくる媒体であるのは存じている通りですが、それを踏まえて「見せ場」の台詞とコマの構成を同人誌とは大きく変えてる。

例えば、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の「一人ぼっちはさみしいもんな」「こんなの絶対おかしいよ」「もう何も怖くない」「私ってほんとバカ」みたいに、『断片的に残るシーン』を盛り込んで、作品そのものの楽しさというよりは「妄想する余白」が楽しめる構成になってる。

デンキ街の本屋のネタバレになるが「さまざまな欲を受け入れる街、デンキ街なんだよ」という台詞に天使の絵が描かれたコマがある。どういう本、どういう作品かが一目でわかる(ように想像させる)コマをズバッとそれぞれの回に盛り込んでいる1つなのだが、読んでみて「なるほどなぁ…」と感心させられた。

媒体やストーリーのつなぎ、尺に合わせていろんな演出・表現があるのだと知ってすごく勉強をさせられた。


・作者紹介
サークル「ミルメークオレンジ」から画像を拝借させていただきました、
http://mizuasato.blog108.fc2.com/

委託についてはとらのあなメロンブックスでやってます。
とらのあな
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/02/65/040030026565.html

メロンブックス
http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_212001048767_miru_kyousitu.php

さっき、話題にした「デンキ街の本屋さん」はこれです。
デンキ街の本屋さん 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)