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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

マイナビ2013の広告から見る「就活社会論」

教育論

リストカットなんて何でするか?あれは死にたいからじゃないんです。「生きていることを自分の血を見て認識して安心したい」から自分の手首を切るんです。(当ブログ管理人 TM2501)

これナースにも、患者にも確認とった話です。

記事の内容

  1. ネットで話題のマイナビの広告
  2. 安定サイト【マイナビ】が広告を出す理由
  3. 壮大な皮肉「就活でジョブス生まれず」
  4. マイナビと太宰治リストカットと…
  • 話は一枚の広告から始まった。

話は一枚の広告から始まった。

見覚えがあるポーズですね。

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I

上記の本「スティーブ・ジョブス」の表紙に似ていると思いませんか?

このことに気づいたあるブロガーさんがこんなことを言っています。

僕が見る限り、映っている就活生(もしかすると就活生じゃなくて内定者とかなのか?)皆が同じようなリクルートスーツを身にまとい、同じようなポーズをしている。しかも、そのポーズと言うのが、ウォルター・アイザックソン著の「スティーブ・ジョブズ」という本の表紙のジョブズの姿とほぼ同じだから、もう訳が分からない。「無個性」の象徴ともいえるリクルートスーツに身を纏いながら「個性」の象徴ともいえるジョブズのポーズを皆で一緒にとるという「無個性」さ。毎日コミュニケーションズの人たちも、この広告を作る際に何も疑問に思わなかったのだろうか。(出典・就活生に甘える社会人より)

出典元のブロガーさんの言う分析は確かに正しい。喪服のようなリクルートスーツは年配の方々からすれば、奇妙でなものだが、学生達はみんなと同じ、就活本に書いてあるモノをきて、安心している。
そして、スティーブジョブスを連想させるポーズを全員がとっているという不自然さに目が行くこと、それがジョブスのポーズをとっているのに、ジョブスのようなクールで知的な雰囲気ではなく、ある種の間抜けさすら感じるような「無個性」振りを感じる

だが、大きな間違いが1つだけある。それは【毎日コミュニケーションズ】がこれを意図的にやっている。それも「かっこいい広告」だとはこれっぽっちも思っていないとしたら?

では、何でこんな間抜けな広告を作ったのか?…いろんな切り口で考えてみるといい。

この広告への疑問一覧

  1. マイナビ程の大手サイトが広告を加入者増加を目的に広告を打つ必要があるか?
  2. マイナビにとって最大の利益と成り得ることは何で、広告はどのように貢献するのか?
  3. マイナビはなぜ「個性」を誇示したがる若者達を敢えて「画一化」したのか?
  4. どうしてサラリーマン出身の英雄ではなく、起業家のジョブスがポーズに選ばれたのか?
  5. この広告は学生に向けたものか?企業や親などの大人たちに向けたものなのか?
  6. そもそも、この広告を通じて何が言いたいのか?マイナビはそこにどう貢献するのか?

以上のことを考えたときにこれは就活の導き手たるマイナビによる「自戒」ではないのか?と僕は思うんです。順を追って説明しましょう。

  • 企業に学生を引き取ってもらわないと、収入が伸びない。

よく勘違いされるけど、学生は教育でも就活でも基本的には「客」じゃありません。学校も塾も就活サイトもだれか別の人がお金を払っていて、学生達はそのおこぼれとしてサービスを享受しているに過ぎない。

だから、保護者に対して説明する義務を学校・塾は負うし、就活サイトもまた登録企業にこそ貢献する義務を負う。

もちろん、掲載するだけでお金がもらえる部分もあるから登録数を増やせすことも重要ではある。
だが、就活サイトを利用する企業が優秀な学生が採れないのであれば、独自に採用活動をやったほうがいいということになる。

就活サイトが企業から求められる事は3つです。
■プラットホーム…より多く、優秀な学生にアクセスできるだけの登録者数を確保しなければならない。
■探偵…その学生が何者で、どのぐらいの能力を持っているか精査しないといけない。多くの就活サイトは個人情報の登録や性格診断のサービスがあるわけで。
■養成所…誰を採用してもある程度使えるようにマナーやペーパーテストの能力などを養成するサービスの数々。

マイナビはプラットホームとしては数ある就活サイトの中では1,2を争う程に人気がある。(たくさんの企業がプラットホームとして利用する以上、それはリクナビ・マイナビに集中するのは仕方無い訳で…。)

では、マイナビがリクナビに対して誰が見てもいいサイトとして「勝つ」にはどうしたらいいか?そのためには探偵と養成所の機能を強化しなければならない。

では、既存の就活生をどういう風に養成し、どういう風に自分をさらけ出してもらうか?考える事はそう言う事になっていく。

そこでマイナビは双方に対してこの広告でシグナルを送るのだ。企業には「学歴採用・外見採用をやめろ」と。学生には「脱マニュアルと規律のに縛られた【個性】の陳腐さ」を。

  • 今の就活ではジョブスもゲイツもザッカーバーグも生まれない

ではこの広告はどうして「ジョブス」を真似する必要があったのか?サラリーマンのヒーローならば、韓国の大統領「李明博」か、サラリーマンの出身の起業家である楽天の「三木谷浩史」の発言やポーズを広告のパロディーに仕込む方がずっと適切だ。(ここに書いた人に限らず、サラリーマン出身でいい人がいただろう…)

ちなみに、楽天創業のきっかけが阪神淡路大震災だったそうなので、今3.11のこの時期に特集する人としてはものすごくタイムリーな人物でもある。

ここで重要な事は2つ。1つは若者が真似をしたくなるカリスマ、もう1つはその人が過去の人であること。スティーブ・ジョブスという男が次の時代を作ることはもうない。だけど、そんな過去の人の本に人々はあこがれ、それこそ信仰している。

ジョブスに限ったことじゃない。日本人はありとあらゆるカリスマ達に憧れるが、そういう人に限って自分がカリスマやヒーローにならない。

何かのカリスマに憧れる気持ちはわかるが、その人達が真似るのは格好や言葉だけで、死ぬ物狂いの努力・情熱・専門性じゃない。本当にイチローに憧れるならバットを持つべきであり、ジョブスやザッカーバーグに憧れるならプログラミングの勉強をしたらいい。*1

だけど、現実にはあらゆる起業家達のように人々から「失敗する」と言われようとやり抜こうとする人間ではないんだ?規律の中でその人たちを遠目から見ている、もしくは嘲笑う人間だ。私は問いたいね。「一人のスティーブジョブス」を評価しているのか?それとも「アップルのスティーブジョブス」を評価しているのか?

就活生の世代の英雄である堀江貴文スティーブ・ジョブスになりたいなら就活なんかしないほうがいい。堀江貴文は鞄持ちとして研修しにきた学生に「そんなことせずに起業しろよ」と叱咤した。(ガイアの夜明け

…薄々分かってきた人もいると思うけど、マイナビの広告の本当の意味はそういう皮肉なんです。なんとなくかっこいいもの、なんとなくそうなのかもしれないモノを原則や根源を深く考えずに追いかけている就活生を客観的な形で映すと写真のようになるんです。

整合性もなく、自分に酔っていて、何よりそれを安心している。…そのさまが至極不気味なのです。

そして、それを生み出したのが就活サイト・大手企業の人事部OB達なんですよね。そう言った、人事・就活コンサルタント達に対する精神攻撃でもあるんじゃないでしょうかね?あれを見てかっこいいと思う人何かいませんよ。…学生たちの笑顔・真顔が余計にそれを思わせます。

  • 平和を教えたければ、まず戦争を教えよ。

最後に、マイナビの広告がどうしてこうなったのかという話を冒頭で話したリストカットの話にからめた上で、させてください。

リストカットは生を認識するために必要な行為」だと言うが、その一方でリストカット癖を直したい人もいる。生物学の専門家は「そういう時には臨死体験まで追いやってしまったらいい。」と言うことを僕に教えてくれた。

似たような話で、内田樹と言う学者は下流志向という本の中で「【どうして人を殺してはいけないのか?】という子供にはその子供の首を締めてやれば否応なしにわかる」という趣旨の話を書いたことがある。

人間というのは悲しいことに恐怖・痛みあるいは不愉快に対する事の方が喜びや成功よりも深く学習する生き物なのです。人間の本能は臆病で怠惰で安直です。考えないことで・勇気を振り絞らないことで変化しないことで安心している。…例え、それが「今」だけであっても、本能はそれを選択する。

だからこそ、人間に訴えかける「表現」は恐怖・違和感・苦痛に満ちていなければ、考えようとしない。…悦楽はただ飲み込むだけなんです。これは文学も映像も…ましてたった一枚の画像で表現しなければならない広告など強烈な不快感を投げ込まなければ誰も関心を示しません。

人間はショックにこそ立ち向かおうとするが、そのショックをどう与えるか?

もちろん、正論をそのまま言ってもいいのです。「働け」「頑張れ」「会社を回れ」「礼儀正しくしろ」「考えろ」…メディアという媒体が表現を規制し、法令を遵守した結果として詭弁とも取れるうんざりとした言葉が並社会に並んだ。

正しいことはみんな知ってる。その事がかえってその言葉の価値を貶める。

だからこそ、本来ならば差別と言われようともあらゆる情報媒体は言葉を曲げてはいけない。痛みを、与え続けないといけない。

私は太宰治人間失格という作品が大好きだ。人々は廃人や狂人は生まれながらにしてそのようだというが、違う。あれは誰もがそういう資質があるが、それに気づいてあげられなかった人間が居たり、そこに落ち着いてしまう当人が居るからこそ、ヤク中で精神病棟に隔離されて、自殺を繰り返す…そういう人間が出来上がってしまうんです。太宰治自身の人生をありのまま感情的に書きなぐること…それが人間失格という作品の本質です。ダメでもひどい目にあっても、一緒に死ねなくても…その事がかえって生きているという事実を痛感させる。


マイナビの広告がなぜああいう風に【酷い】のか?それは現実がそれだけ酷いのに、その酷さ・悲惨さを外野や負け組の言い分として誰も改善しようとしないからですよ。就活で儲けている連中も、就活をする学生も結局のところ口ではいろいろ言いながら自分からはみ出してルールを変えてやろうという気概も行動もない。

…そして、それはマイナビ自身が加担してきた罪の形が今の就活なんです。僕にはあの広告は彼らの「自戒」に見えるのです。


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↑あ、これ僕が就活生に言いたいことです。多分上手くいかないし、不採用の通知もいっぱいもらうと思うけどこういう気持ちでやって欲しいというお願いと、警告です。



…ある新聞社の面接で、就活に関する議論をした際に、袴で面接に来た人の話をしてましたね。…個人的に「おおやってみたい」と思ったが、袴がうちになくて断念したのをよく覚えています。

*1:僕がブログ始めた理由はね、三橋貴明や日下公人の本を読んで「こいつらスゲー!!」って思ったからですよ。この二人の本に限らずありとあらゆる人の言論をあらゆる媒体で聞いて勉強しましたとも。僕はね、密かに目標があるんですよ。それは日下公人と対談動画または本を作りたいって目標があるんですよ。そうなると憧れの人間になっちゃいけない。むしろ切り込めるぐらいの知力を、面白い発想を持ち合わせないと会話が成立しない。まして、日下さんはもう80過ぎているから僕が早くそちらにいかないと日下さんが向こうへ逝っちゃうかもしれない。だから、結構焦っているんですよ。憧れるからこそ、もっと近づきたいと、本だけの教え子になりたくないんですよ。本当にジョブスやイチローを愛するなら「会いたい、あって話したい。できれば同じ場所で仕事したい」と思うでしょう!!僕が日下公人という評論家に抱く気持ちは同じですよ。