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かくいう私も青二才でね

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ラノベ評論【僕は友達が少ない6巻】 平坂読/小鷹から見るラノベの主人公の心理

ラノベ

「このあたしが気に入ってる人間が、つまんないヤツなわけじゃないじゃない。」(出典・僕は友達が少ない6巻 柏崎星奈の台詞)

僕は友達が少ない 6 (MF文庫 J)

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この台詞って二つの意味があると思うんだ。1つは「私への絶対の自信」だよね。高飛車キャラらしい好感度の上げ方で、ワザと強くモノを言う所が「こ、この私に…。」という印象を残す。良いも悪いもなく「自分が好き」な彼女に取ってその自分が他人に関心を向けるのは当然だと思ってる。重要なのは彼女に関心を向けてもらえる行動って言うのは「賛美」ではなく、「指摘」なんだということ。

2つめの解釈はこのセリフの一般的な解釈「自信を持ちなさい。」という事。これは目の前にいる人に言っているようでいて、実は読者に言っている部分が強いように感じる。

記事の内容

  1. 単体だと最も評価しにくい作品(伏線回収・伏線貼りの回)
  2. 夜空と理科の真逆のジレンマ
  3. 小鷹という主人公について
  • アマゾンで最も評価が低い続編シリーズ。

僕がブログの中で心がけている事は「自分の判断を優先しよう」という事。だけど、それが人と言った事と被っていると面白みが半減するから、ハードルを上げるために読み終わったら密林を見る。

主観的な部分・客観的な部分の両立です。

主観的にこの6巻を読んだ感想としては「僕の思っていたとおりだなぁ」と。だいたい8割方読めた。今まで薄々こうなるんじゃないかなぁと思っていたこと、僕なりに性格の解釈をやってきたことが表面化してきた。(夜空・理科については中盤で話す)

肉についてはあんまり多く乗ってないからここで書くと6巻を読む意味がなくなるから、書かない。
面白いと思ったのは「夜空・星奈」の関係なんだけど…。これも5から1、2,4から行動として出ていたものをやっと明文化してくれただけで、別に目新しいものではない。

6巻は7巻を読むためのつなぎのような部分が強いと思わずにはいられないところがあったというのが僕の本音です。

これは6巻を読んだ時点では「まだ結論でてない事は7巻に行くのね…」という程度に思っていたが、7巻を理解しようと一晩、布団の中で納得いくまでぶつくさつぶやいていたときに結局は6巻の知識がないと解けなかった。

客観的にAmazon・世間大衆の評価を見ていくと
「つまらない」「ハーレム化」「急ブレーキ」という言い方をされているが、これは全部つながってきます。

ジェットコースターが落ちる力を利用するために高く、高く登っていく。それが6巻の有用性です。

  • 夜空の服装・理科のげんなり感に注目

夜空について
3巻の評論で夜空が「世間の常識から見たら明らかに合理的じゃない行動をとる「合理的な」ヒロインだ」という言い方をしたが、この「私の考えてきた合理性」への判断の迷いが出てきているように思える。

「友達」って立ち位置にこだわりがあった夜空が「恋人」という立ち位置に少し興味を持ち出して踏みとどまっていると言う微妙な立ち位置。

5巻の評論で理科が夜空にゲームをやらせた理由について色々言ったのだが、その延長戦の展開としてこの「迷い」とも「興味」ともあるいは「本音」とも取れる行動が出てきている。

・理科について
5巻の終わりの理科の行動があってから6巻になってから「シリアスなキャラ」に変わってきたように思える。
5巻をちゃんと読み込んだヤツは6巻は読める。…うん、俺でもできるんだから「やる気のある奴」ならだいたいみんなわかる。

理科の場合は台詞が少ないけど「刺さる」。僕が思うにという話をするなら、彼女は「恋人志向」じゃないんだけど、「どうなって欲しい」という願望はあるんだよね。それは小鷹・夜空両名に対して。(6巻までの発言から察するに、とりあえずこの二人。ここまでは読み解けるけど、これが「どうなって欲しいか」という答えの先に「自分がどういたいのか」という所があんまり鮮明に出てこないところが6巻のもどかしいところ。)

…7巻読めば、かなりわかる部分もあるが、7巻でもやっぱりわからん部分がある。結構長い尺の伏線を貼っていて、それが今回の理科のキャラクターだから、7巻のあらすじ部分に「隣人部のジョーカー」と書かれるのがわかる気がする。

…ぼくはこれ書いたやつが例え作者本人、編集者でも関係なく「違う」と言い切るけどね。ジョーカーは夜空だよ。結局のところ、1-5巻の流れを守ってきたのは夜空で、6巻の話をメイクしてるのも夜空。理科の力じゃ話を変えることができない。その証拠が6巻の中盤部にあるんだけど、それは読み方をどうするかの問題。

…ネタバレをしないようにしつつも、はがないを深く・楽しく欲しいから僕は1言だけ。
「夜空を見ていると、その先にある者がわかる。夜空を見て理科が動く。理科が動くと夜空が動くときもあれば、時折動かないときもある。理科が何か言っても聞くとき・聞かぬときがあるから、結局メイクしているのは夜空。」

…幸村にはもともとその気がないし、肉もね…。

  • しっかりものなのに卑屈なキャラが多い理由。

ラブコメ系ラノベの主人公像を見ていると、やたらと「しっかりもの(何かしらの特技がある)のに、卑屈な人」って多い。

個人的にパッと浮かぶのが「とらドラ」「まよチキ」「はがない」。(広義で言えば禁書もそういう部分があるかな?)

元ネタってなんだろうって考えると僕は「エヴァ」かなぁ…と思う。もうちょっと昔に行ってもいいなら「トップをねらえ!」かな?(って、結局ガイナックス作品かよ!!)

少年漫画っぽいというか…ガイナックス作品って「逃げ腰な主人公が誰かに励まされて強気に・本気になることで道を切り開いていく作品」がすごく多い。(トップ・エヴァ・フリクリグレンラガンなどなど…パンティー&ストッキングも主役じゃないけど、居るよね?)

普遍的なテーマ性なのかな?と思うところもあるのだが、ガイナックスの場合は「結局才能があるんだろ」と反論されちゃ終わっちゃう部分がある。(主人公になるべくしてなるような特殊性をそれぞれが持ってる)

このテーマをもっと平凡にしたのが「ラノベ」の各種の作品だと思うんだけど、有名どころなら細田守監督の「サマーウォーズ」が説明しやすい。

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サマーウォーズのあのお祖母さんの台詞で「あなた達ならできる」って繰り返す部分があるんだけど、あの作品の全てって「無関心・傍観者ぶるのを辞めて立ち向かっていこう。そうすりゃ、紆余曲折あろうが最後は出来るんだ!!」ってことなんじゃないかな?

ラノベの主人公、とりわけハーレムものの鈍さを強調して書くことって「お前が思っているよりお前は出来るし、頑張れるんだよ」ってことなんじゃないかな?

冒頭で説明した星奈の台詞をもう一回見てみよう。
「このあたしが気に入ってる人間が、つまんないヤツなわけじゃないじゃない。」(出典・僕は友達が少ない6巻 柏崎星奈の台詞)

…誰に向けてかを書きそびれていたが、これは「小鷹」に向けた台詞だ。
「小鷹」という主人公はオタクじゃないけど、オタクと共通している部分が結構あると思う。

というのは彼自身は父の留守を引き受けて、他人の弁当を作ってあげるほど面倒見が良く、それでいて勉強だって転勤族で教科書の違いがあったり、重複して習うところがあってもそれを図書室で努力して勉強する勤勉家だ。

だが、遺伝の髪型によって「あいつ不良じゃね?」と言われたりしている。

僕の記憶が正しければ、今20代のオタクは中学・高校の頃「アニメが好きだ」ってだけで結構冷めた目で見られていたと思う。(今フジテレビデモを「韓流への嫉妬」だとかいうやつは90年代のオタク報道からつもりに積もったメディア不信であることにいい加減気づいて欲しいものですね。)

ただ、20代までのオタクについて言えば、礼儀正しく・規律を守る人が多い。もちろん萌え豚もいるだろうけど、作品をより細かく解釈しようと思えば芸術的・文学的センスが付いていく。絵やプログラミング、文章などの才能がある人だっていっぱいいる。世間の消費者よりも生産者・クリエイターを褒める・監視するところも経済学をよく理解した行動だと思う。

小鷹ってキャラをどこまで計算して作ったか、僕は原作者じゃないからしらんが、読み進めれば進めるほど「小鷹」を通じて表現したいものってところが出てくる。

あまり、表立って「オタクってすごいんだ」と言うと照れくさいし、勘違いしたヤツを生み出すから、もっと暗黙知的な要素としてアニメの脚本・ラノベの原稿の中で、主人公に「お前もっと自信持てよ。お前が「やる」って決めたら、今までよりももっとたくさんのことができるようになるんだぜ?」というテーマ性が出てきているように思える。

6巻までについて星奈の台詞の通りです。

「お前、自分で壁とか限界を作っていないか?」

…僕はこれを友人に言われた事がある。それが夜遊びへのお誘いの口実だったから、僕は「夜遊びなんぞ別にしらんでいい。興味もない」と言ったが、全員が「お前と遊びたいんだ」という雰囲気になっていたことに俺が自分一人になろうとしたときにそういうことを言ってくれたのは嬉しかった。

好きじゃない、金がない、踊れないと散々断ったが、結局はアメリカ村付近のクラブで夜遊びを生まれて初めてやった。

自分で壁を作っているから見えないことって確かにある。ラブコメ主人公の鈍さって僕はずるいと思っているっ半面で、彼らは「損をしている」という考え方もできる。

…ラノベ1つとってもこれだけ掘り下げられるから、「評論」や「解釈」というのが楽しくて仕方がないんだ。


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