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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

アニメ評論するねん!【black lagoon】


ニコニコ動画で一話無料のサービスが出たので、見てみたところ「スゲー面白い!!」と感動して3日程かけて、食事中に見たり、ブログサボってアニメ見たり(;^ω^)…しておりました。

結論から言うと『スゲー面白い!!中身、キャラ、作画、雰囲気、声全部いい!!よっぽど嫌味な味方しない限り文句なんか言えない』ってぐらいのアニメです。

政治色があるからそこそこ歴史を抑えないといけないですよね。(ネオナチ、日本ヤクザ「任侠」の理由、ソビエトからロシアへの話…まぁ、武器の種類以外はだいたいの知識はありましたが…良くもあれだけ作り込んだものだ。)

記事の内容

  1. あらすじ
  2. 本物のワルが出てくる作品の書き方!!
  3. 作品を見るための予備知識
  4. 傍観者のような、自分探しをしているような…
  • あらすじ

世界中の悪党が集まる街【ロアナプラ】。国際的なメーカーの社員、岡島六郎ことロックはそこで運び屋をするラグーン商会のレヴィという中国系アメリカ人女性に拉致される。拉致されたことをきっかけにラグーン商会で働くことになる。黒人で社長のダッチ、技術屋で白人のベニーなどと一緒にロアナプラの中で仕事をして行くことになる。

  • 暴力モノってのはこうじゃなくちゃ!!

ここまでしっかりと筋が通ったアニメは久々に見たよ…。なんで、こんなことを先に言うのか?

熱心な読者ならご存知かと思いますが、2・3か月前に反吐みたいな萌豚向け任侠アニメがやっててそれに腹が立っていたのよ…いい意味で攻殻みたいなアニメなんですよね。(警官と悪党だから書いているものは逆だけど、リアリティーとか独自の価値観とかスポットの当て方がよく似ている)

犯罪者アニメのは自分が悪党だって自覚があって、悪党同士でつるんで、クズって呼ばれると大笑いして喜びながら「それはそうだ!お前さんには分からんだろうな」って言えちゃうような奴が出てくるものの事を言うんですよ。『あるべき姿』論を語ると「視野が狭い」と怒る人がいるけど、たいていのものにはあるべき姿があるのですよ。この場合のあるべき姿というのは「罪悪感」であって、「開き直り」であって、「劣等感」であって、「ジレンマ」であって…そういうところを描かないで「俺は被害者だからあいつを殴るのが任侠だ」ではいけない。(※どのアニメのことかはご想像にお任せしますが、あれほど悪党を侮辱したアニメも珍しい。)

悪党ってのは自分達が汚い事に対して劣等感と誇りと規律を持っているんですよ。普通の人と違う尺度をね。それを書いているのが良い。【正義の反対は別の正義】という言葉があるのだけど、簡単に言うとそういうことです。

世界中の悪党共が集まるという作品でジャンルとしては「ガンアクション」なのですが、アニメ的な作り込みもよりもむしろ世界観や心理描写といった基軸になる原作が素晴らしい。

萌豚向けの作品ではないのですが、「キャラを愛でる」という気持ちが男女問わず湧いてくるように脚本や演出がうまくスポットを当てているのもいいですね。嫌いなキャラがいない珍しいアニメです。悪役まで含めて「こいつらいいわ!」と思える作品はなかなか珍しい。(ラグーン以外だと…東のエデンぐらいかな?敵味方問わず、みんなそれぞれに言っていることが的を得ているから、それなりにうなづきながら見られる。)

  • 雑学色々

さっき出てきた話しましょうかね。

アニメオタクって多かれ少なかれ雑学オタクっぽいところがあったかつてと違って最近ではレイヤーや踊り手・歌い手みたいなリア充系のオタクが増えたので、ちょっぴり作品に出てくる予備知識の話をします。

ネオナチアドルフ・ヒトラー亡き戦後の世界にナチズムを信仰する連中。「ナチズムを復興しよう」ということを言っていた人がいたそうです。なんで、負けてなおファシズムの台頭を押さえ込む必要はあったか?色々とナチスが残した伝説があるのですが、その一つがヒトラー生存説です。

ヘルシング何かを見ている人はご存知かと思いますが、実は元ナチス党員(アドルフ・アイヒマンなど)が南米に逃げ延びているのです。そのこともあって、史説としてヒトラーが南米に逃げ延びたという説があります。作り話と決めつけるのは良くないので、説の一つとして紹介しましょう。やろうと思えばできなくないのでは?と思う理由が2つ
一つ、ヒトラーとして発見された骸骨は女性の骨でヒトラーのものでないことが明らかになっている。
一つ、アイヒマンのように実際に逃げ延びている人がいる(バチカンやスペインなどとコネクションがあったため、早期に決断していれば逃げられないこともない。)

ちなみに、アイヒマンについては戦争終結12年間をCIA&モサッドから逃げ回り捕まりましたが…彼がそれだけ熱心に追い回された理由はユダヤ人殺しのための収容所とそこへ向かう列車を監督していたため。(モサッドというのはイスラエルの諜報員。)

他にもルドルフ・ヘスという最もナチスの党務に熱心だった人が生き残っていたというのもネオナチが増殖した理由の一つだったり…。

②ヤクザの任侠の理由…田岡一雄という山口組三代目組長を例にとって説明しましょう。この人は映画にもなっているほど有名な人なのですが、実は戦後に警察が武装を禁じられた時期にこの人達が作った自警団が神戸の街を守っていた時期があった。(本当の話)
何から守っていたかというと戦後に警察官が武器を持っていないことを良いことに朝鮮人が銃火器持って暴れていたため治安が悪化し、彼らの様に武装した誰かに守ってもらう必要があった。(警察を呼ぶ理由は警官が圧倒的に強いからだが、警官よりも犯罪者の方が強いならもっと強い人を呼ぶしかないわけだ…)

ちなみに、Wikipediaの田岡一雄さんの半生を読むと面白いことが分かってきます。

住民から義援金をもらって自警団をやっていた時期がすぎると今度は芸能関連のお仕事をし始めたそうです。(紳助がどうこうというよりも業界同士が50年来のお付き合いなのですから、紳助みたいに暴力団絡みの事件が発覚するだけまだ優しいのでは?)
その後、ヤクザは右翼やら左翼やらに化ける事になるのだが、実はこれに田岡氏は乗り気じゃなかった。ちなみに、薬物追放運動なんかも【ヤクザなのに】やってる。

…何でヤクザがその後薬物やらなにやらに手をだし始めるかというと…どんどん風当たりがひどくなって警察に押さえ込まれて行くんですよね?構成員も手に入らないから朝鮮学校出て行く所がない奴を取っていくから日本人の任侠ヤクザじゃないものが出来ていく。というのがヤクザの歴史です。

警察組織が今のように洗礼されてくると御役御免で悪役になるのですけど、そうなる前は彼らは必要とされていた。だから、blacklagoonっぽい血も涙もない悪ではなく「任侠」だの「筋を通す」だのというちょっと悪党同士でも価値観が違うことになってる。

ソビエト連邦について、ゆとりだと言われる人達が生まれる前にはロシアは今で言う北朝鮮のように閉鎖的で社会主義の国でした。

というのはわかると思うのですが、よくわからないのがバラライカという劇中に登場するロシア人がオリンピックを目指すの、目指さないのという話が出てきたところ。

実は社会主義各国は自らを大きく見せるために軍事と国際的なイベントをよく使うのです。その中でもソ連とキューバはやたらとオリンピックが好きです。キューバはドーピングの話はあまり聞かないですけど、ソ連などは女性に性別が変わってしまうぐらい強烈な薬を飲ませて子供を埋めない体にしてでもオリンピックに勝たせた…という実話があります。キューバとソ連の共通している所はオリンピック級・もしくはメダル級の選手になると一生涯派手な暮らしが出来るのです。(社会主義はたいていの職業で資本主義よりも貧しいのですが、スポーツ選手だけは勲章がバカほどもらえたり、ボーナスや特権が受けられるなどで資本主義国よりも裕福になれる…かもしれません。)

ちなみに、ソ連出身の人達がロアナプラに出てきた経緯に貧困があったから説明するとソ連末期はモノ不足に陥ったため、大インフレが起こりました。「資本主義になったら自由に商売ができるようになるから豊かになる」と知らない人は思うかもしれませんが、プーチン大統領の出身組織であるKGBというのはロシアの諜報機関です。

ソ連からロシアに変わるときに国家の情報を持っていた上級役人・上級軍人や諜報・警察の関係者が富を独占したため、資本主義になったと言っても首の挿げ替えに近いものでした。(実際設備投資もろくにせずソ連時代のオンボロの設備を初期投資0でぼろ儲けしているわけですし…。)

  • 自分探し(笑)

主人公とヒロインの葛藤が物語の中心に来ている作品だと思うので、最後にこの話をしたい。

「自分探しと言って海外に出かける連中がいるけど、彼らは究極のナルシストであり、やっていることは現実逃避である。」
一つはどこへ行っても常に目の前のことよりもそれをしている自分しか見ていないという事、もう一個は自分のことを何一つ知らない人間とあって自分の評価を聞こうとするという奇妙な事故の見つめ直し。

だが、もっと酷い物言いをする人もいる
「自分なんてものが見つけられると思っているんですかね?」(水島総氏)

これだ!
この作品を読んでいて思うことは少しづつ自分というものは変わっていくということ。わからないことが分かっていく、なったことない状況に投げ込まれる、痛いところを指摘される、安定していたものが急に不安定になる、メンタルに揺らぎを感じる…色々ある。

そういう自分という器の不安定さを描いているところがこの作品の魅力だと思う。

ネタバレしないように注釈を書くが、良くネットで見ると「レヴィがロックのことが好きか*1」という問いが出るが、これは非常にこのアニメの見方を変える面白い発想だ。どう見てもふざけたガンアクションにしか見えないアニメをラブコメのように見ようというのだから、それは面白い。

もう一個は双子の話だよね。*2ネタバレするから注釈に書くが、ロックの性格の変化というのは「優しさの形ってなんだろう」っていう葛藤だと思うんだよ。
人間ほっといてもらうことが優しさの人もいるし、構ってもらうことが優しさの人がいるが、価値観がずれている人にもっとも優しい選択肢を探すことはすごく難しい。

そのことがこの話のテーマ性だと僕は思うんだよね。

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海の話なので、海の背景です。


*1:結論から言うと、好きです。1・2話で一気飲みに付き合い、あんなめちゃくちゃな作戦考えた時点で好き。ただ、潜水艦の時に拗れた際に彼女は「所詮他のと一緒かよ。こいつとはもっと分かり合いたかった」っていう気持ちになって、屋台で喧嘩する回に行く。自分のやり方を飲み込んでくれないっていうある種メンヘラっぽい精神からいらだつけど、はっきり言って銃を突きつけてもそれはいらだちであって殺す気はさらさらない。あったら、手を抑えられることに気づく。その後言い負かされるシーンがあるが、あれは痛いところを疲れて悔しいという頭に血が登っている部分もあるが、時々見せるロックの冴えたシーンの一つでレヴィ自身血の気が引いた感じになっている。個人的にはタバコの火を移すシーンがあるが、あれがレヴィから見るとキスシーンなのかなぁ…と。いや、ロックから見ても認めてもらったというキスのシーンではあるんだけど、彼女と違うのは別の感情があったかどうかというところ。それでレヴィとエダがやったのやらないのという議論をしているが、やっぱりあれも描いていない部分の会話があったのかなぁ。あるいはエダが『レヴィが丸くなっているように見えるのはやっぱりロックのせい?』と推理しているのか。バラライカに銃を向けたのもそうだけど、何よりも「やったの?」と聞かれて最後に「教えない」って答えたのを見て「レヴィ気があるだろうなぁ…。」と。邪推しております。

*2:双子編に出てくる生き残った方がスカートの下を魅せるシーンとロックと船から別れる時に笑顔で手を振ったシーンがあるが、彼は彼女自身が死期を悟っていたからだと思うんだ。ロックみたいな俗人が本気で同情して愛してしまったら、これからレヴィか、運び屋の渡す先か、バラライカか…とにかく誰かしらに殺されることになるのに後味がすごく悪くなる。無力さを痛感して自分のような狂人を増やしてしまうかもしれない。本当に生き残る気があったら、送り届けた後に出た老人の中に気づき抵抗するはずだが、そういう事をしなかったのは弟と一緒になりたかったからであり、何より一人で生き残れないという判断から来たものだと僕は思うのです。ロックがまたを見せた少女とやってしまう展開ならそれもそれでアリだったのかもしれないけど、それを嫌うことを想定していたと思うんだ。レヴィみたいに自分に対して大多数の人間が取る冷たいモノを見るような態度の方が彼女自身にとって慣れていて、居心地が良いという事も含めて。