読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

『なんで、税金を払わないといけないのか?』という疑問への回答〜国家のあり方、国家の存在意義、国家の仕組み〜


余りにも根本的な議論だが、よく友人から『なんで税金払うの?特に所得税は頑張った人程たくさん払うところがおかしくない?』と聞かれるので、その話をしたい。

『いまさら聞けない事』に見えて意外と知られてない。【友達が創価学会で頼まれたから公明党】とか【民主党に入れるとお金がいっぱいもらえるらしいよ】とかあまり国家のあり方を分かっていない人が愚かな理由で投票するのに、政治に期待する人が多すぎる。

  • そもそも、納め先の国家とはなんぞや?

根本的すぎて、論じられないので、この話から行きたい。
経済学には『規模の経済』なる言葉があります。結論だけ言うと【産業によっては大きければ大きいほど効率よく生産活動が出来ますよ】ということです。*1

身近な例で言えば、小売り店(スーパー・靴屋・飲食店など)がたくさん出店することで、メーカーに対して【たくさん買うから、ちょっと安くしてよ】と交渉権を持つことができる。また、OEM(相手先商標生産)を頼む時に【うちのブランドを使えば、たくさんのお店に置けるからたくさん作ったものを買い取れますよ】ということが言える。

国家の最も大きな役割仕事とは一人ではできない【大事業】や【危機への備え】をする事で共同体の利益(国益)の増大を目指す事です。例えば、【大事業】には自動車や自転車が通りやすいために道路を舗装があります。ライフライン*2を通す経済を活性化させるための事業への監督・委託・予算の策定。危機というのは日々の治安・天災・人や家畜に感染する疫病への対応・テロや戦争などですね。それらの対策のために予算・法律の作成・国軍や警察や対策本部などの組織の形成を行う。また、対策のための予算は国民全員で共同出資し、後世にバトンタッチしていくリレーこそが国家の仕組み・存在意義なのです。

これらは一人で投資するよりもみんなで共同でお金を出し合ったほうが効率がいいのです。【自家発電をして、カセットコンロで料理をし、井戸水を使い、道路も自分のうちの前だけは舗装し、手紙は自分で届けに行く。】という国家がない生活を送ると今の便利な生活には到底及ばない。

どうしても税金を払いたくない人は山奥で自給自足の生活を送れば、おのずと払わなくて済むようになっていくがやっぱり不便だろう。それに、住民税とか公共料金とか自動車関連の税金は自分が国家の道路や行政官にお世話になるだけやっぱり払うことになる。

ちなみに、この【日々の治安の安定】という分野には警察や裁判などのものだけではなく、広義には社会保障も含まれます。乞食が町中に倒れこけているようなところがあると、彼らには法律が通じない。犯罪が多くなる。一般の人を襲う・たかるなど色々と危ない。仕事を与えて工場の従業員として働かせるということが産業革命ぐらいのイギリスで行われたのが社会保障のきっかけ的な存在です。

経済史の話を少しだけ。もっと昔の乞食(貧民)はどうしていたかという話を数行ほど。
キリスト教の教えに【貧しきものは幸いなり】という事から貧しい者にモノを与えることが良いことだという価値観がありました。

それ故に、欧米(特にアメリカ)ではお金持ちが使いきれないほどの大金を手に入れると、大部分を寄付します。寄付に対して好意的な社会制度・慣習があるため本当に貧乏な人でも社会の恩恵を受けることができるようになっています。(日本の場合はこれがないため、お金持ちは攻撃され、お金持ちも攻撃する貧民を救う気がない。)

でも、寄付だけではフリーライダー問題(ただ乗り)が生じます。例えば、ある有名タレントの発言にこういうのがある。
『俺はすごくたくさんの税金を払っているのだから、俺が救急車に乗るときは他の車は自動車を横に除けて、いち早く俺を病院に行けるように配慮すべきだ。』
社会インフラを活用して生活・商売してる以上は納税は必須なのです。そして、『お金を沢山稼ぐ』ということはたくさんの人を動かすという事。人が動く・生活するためにはインフラを使う。人を動かして儲ける以上は人を動かした分のコストを負担しないといけない。

しかし、一理ある主張です。

『乞食に見せかけて、お金や食べ物をもらう人』とか『働けるのに乞食の振りをしている人』への対応が当時の欧州では問題になり、産業革命で人員が必要になるまではそういう人たちの扱いに苦しめられました。フリーライダーが本物の貧乏人や労働ができない人の代わりにお金を取ると『貧しきものは幸い』というキリスト教や社会道徳の前提が崩れてしまいます。

税金でもそんな『フリーライダー』はいます。子供・老人・学生なんてのは税金をほぼ払っていないため、そういう部分もあります。しかし、それ以上に問題なのは手当や保護だけで生活している人です。
国家は税金を集めるためには高額納税者の『私は働いているのに、働かない奴らにばかりお金が行くのは不公平だ。』という不満の声を解消しないといけない。そのために、手当を支払うと政治が言い出すと『働かなくてもお金がもらえるならそれでいいや』ということになりかねない。事実、地方自治体には生活保護が財政の圧迫の原因になっていて、フリーライダーが税金を食べているという現状がある。
社会保障の本来の目的は『一人では稼ぐ事ができない人』の救済や待遇の改善というものが一つ。もう一つが『フリーライダーを出さないために、乞食やその予備軍(若者)に職を与える。』事です。ここらへんを履き違えて『お金を配ってもらうこと・手当を増やしてもらうこと・公共サービスを安く受けることこそが社会保障のある国家だ』と考えることはただの阿呆か、国家観のない左翼的な思想と言わざるを得ない。

  • 国民とは国家という会社の株を一生涯買い続ける人たちのこと。

まとめに入っていきましょう。

国家と株式会社は似ています。
株式会社というと稼ぐための元手を株券を買ってもらうことで、他の人から集める事ができる代わりにその株式を元手に儲かった利益を『配当』としてもらえるシステムです。会社を大きくするためには借金をしてでも設備に投資して、利益を増大させる事も必要なのです規模の経済を実行するためには株式会社という方式は適してますね。

加えて、株式会社の株主は株主総会で経営方針や経営者の人事に対して口を出せます。

国家の場合は株券の代わりに税金を払っていただくこと、配当のかわりに公共サービスとして還元します。社員は公務員、株主総会は選挙、社長や役員に当たる人達が政治家と置き換えるとかなり馴染みのある光景になるのではなるのではないのでしょうか?

ここで重要なのはもし『株式会社が商売をせずに、バラマキとしてそのお金を手当として配ったらどうなるか?』と言うことです。赤字も出しませんが、当然利益が出ません。民間部門への投資・公務員を増大し、防衛や公共サービスの充実に使えばそれだけ社会的利益として還元される。しかし、今の政治はそういう事を好まないばかりか、メディアですら、「バラマキ」とひとくくりに避難する始末であります。

  • 国家と株式会社の違うところ。

・まず、株式は手放すことは出来ますが、税金を払うことをやめるためにはその国を出ていかないといけません。なぜなら、ゴミの処理もあなたが歩く道路も国家が整備する計画を立てるため、税金を払わない人には社会インフラを利用する権利がないのです。

・次に、株式は儲かればいいのですが、経済と治安政策だけに特化しただけの政府に投票するだけではいけません。『国体』を論じないといけない所が、国家と企業の違いです。『国体』とは政治のあり方、国家を貫く思想、国際社会における日本の目指す立ち位置などです。
企業の場合はどんな企業でも投資という行為は儲かればそれでいいのですから、別に株主総会で会社のあり方について決めなくてもいいのです。(社会的責任として法律を守るとか、利益を出して雇用を守るとかそういうのは当たり前ですけど、その会社がグローバルだろうと、国内のローカル経営だろうと利益さえ出ればいいのです。)
日本の場合はこの国体の議論がグチャグチャになっている。ここでその話をすると長くなるので割愛しますが、『皇室』『国家的な価値観』『先祖などの縦の共同体との共存』『民主主義のあり方』『教育と愛国心』『軍事』『外交姿勢』『安全保障』『国民主権の遵守・あり方の探求』『長期的な国家戦略』『産業の分布と誘導』『人権の尊重』など利害にこすりつつも、利害だけで論じれば色々な精神性を失う部分にもメスを入れていかねばなりません。

長くなりましたが、選挙に行く人・政治を語る人・政治を報道する人には最低限度ここらへんのざっくりとした理解が欲しいものです。

  • おまけ・分かっていない人たちの発言例を少々

国家が古い。これからは市民の時代だ』と言う人は国家成立の経緯を理解してない。いや、権利と義務の関係すらも彼らは理解できていない。
国の借金がダメだ』という人は国の仕事を分かっていない。国は未来のために民間ではできない採算の薄いところに、投資するのが仕事なのだから。借金で作っても返す人も借金の恩恵を受けて生活するのだから、被害者のように言う人は全然分かっていない。
国歌、国旗に敬意を表する事は戦争の肯定だ』という人は国体についての議論が薄く、あさましい。国家や国旗=戦争という固定観念でやっているだけじゃないか!!国家は先祖から続く縦の共同体の連続と、今を生きる横の共同体が共通して暮らす社会の総合である。それらを象徴する国歌・国旗に敬意を示さないということは先祖や日本人という横のつながりの否定である!!
国旗・皇室への敬意=右翼という人も上と同じ。国家が共同体の縦の連続・共同体の横の広がりであるということが理解できてない。メキシコでは国旗は神聖なもので国旗をTシャツのデザインにすると逮捕される。じゃあメキシコが右翼なのかというと、メキシコは国際的に当たり前の水準だと思いますけどね。


総製作時間2時間かかった長ものをわざわざ読んでいただき、ありがとうございました。


少しでも労をねぎらってくれる心の優しい方はクリックをお願いします。
にほんブログ村 大学生日記ブログ 文系大学生へ

国家の正体

国家の正体
著者:日下公人
価格:1,575円(税込、送料込)

*1:経済用語辞典より  生産量を増やしたときに生産量が生産コストよりも比例倍以上増加する場合規模の経済が存在するという。自動車の組立、石油化学などの装置産業や、先端技術産業などは規模の経済が重要である。

*2:電気・ガス・水道・通信インフラ