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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

第七報。村ノ長老、東京ノ若造ニ教エヲ説ク


前回までのあらすじ
いわき市海岸沿いの被災地巡りの旅』はついに久ノ浜港までたどり着いた。そこに広がる絶望感と壮絶な被害状況を見て、狼狽しそうな胸の辺りのざわめきを言葉にすることもできず、港から市街地へと引き返すのであった。

初めから読みたい人は↓からどうぞ。(したの『続く』から最後まで読めます)
http://d.hatena.ne.jp/TM2501/20110508/1304780529

今回のお話(今回はインタビューが中心)

火災の焼け跡に一人の老人が立っていた。ちょうど帰り道だったので、挨拶をするとお話を伺う事ができた。

老人は地元でも有名な商売人で、彼の話こそが久ノ浜地区の住民の最も本音に近い部分である事は話を聞いていてわかった。(それ故に、にらみを聞かされている可能性があるので、営むお店の話や経歴についての話は私の一存で自粛させていただく。)←菅首相の特使・工作部隊が来ても教える気はない!!

  • 今の80歳前後の日本人はすごくまともな人が多く、実は彼らこそが再生の鍵を握っている。

この老人も自分では『80を越えている』と述べていたが、私が尊敬する評論家日下公人氏も80歳を超えている。
亡くなった父方の祖母もこの人たちと同世代だが、彼らは非常に肝が据わっている。というのも、少年時代に戦争を体験して、日下氏は戦闘機に追いかけられた経験があるし、祖母についても原爆投下の数日後の広島をその目で見た一人だ。

そして、何よりも『戦後の利権の構造』について通じている。若い人たちがネット経由で情報を集めて、紐解いてやっとたどり着く利権や選挙に勝つ政局の仕組みを彼らの世代はよく知り尽くしている。
団塊の世代とは異なり、安全保障の問題にも関心を持ってみるため、メディアの嘘にも引っかからないで、本音を語ってくれる。しかも、驚くほどハイテク好きな人の割合が多く、技術にも新しい文化にも理解がある。それも高度経済成長世代と異なり、リスクの存在や人間のミスによる災害の存在を理解したうえでの技術理解がある。*1

なんで、こんな話をしているのか?それは東大卒の評論家と街一番の商人が話している事が違っても、結論として同じ事を言っているからだ!

  • お待ちかね、インタビューの時間がやって参りました!!

彼は私が『東京から来た』というとまず始めにこういった。
老人『あなた達東京都民は福島のおかげで自由に電気を使って華やかな生活・消費ができるのだ。福島の原発のおかげで、その事ができるのだ。』

一見すると嫌味のように聞こえるが、私は取材で原発問題に言及したのは彼が始めてだった*2から、まなこは見開いて、手はポケットからペンを取り出した。

老人『山の向こうに太い送電線が通っている。それを見たら、送電線手を合わせてに拝みなさい。それがあなた達の生活を豊かにしているものだ。

ごもっともだ。私も頭が下がる思いで拝聴した。*3

被災当時の出来事についてうかがうとこうだ。
老人『携帯と財布だけをポケットに入れて、そこの路地に入って逃げたよ。』

被災者ならではのコメントがこれ
老人『女の人は何でもバックに入れちゃうだろ?だから、身元の証明に手間取って、自分の財産の証明もろくにできない状況になってる。男は小者をポケットに入れて歩くだろ?だから、こういうときは便利だよ。お前さんの服も沢山あるじゃないか。』

といってへらへらとして続ける

老人『携帯電話。これもワシぐらいの歳になると不要だと言う人もいるが、こういう時に役立つ!今、銀行に登録している番号はこれになっている。免許と携帯だけはお前さんも津波にあったらポケットに入れて逃げるんだぞ。』
遭遇したくはないが、危機に備えるには必要な知識だと思ってきいた。しかし、老人は悲しそうに被災の話を続ける。
老人『しかし、もうワシも若くはない。地震・津波・火災の三重苦にやられて、この有様だ。今立っているここだって立派な館だったんだ。だが、こんな車はなかった。車が流れてきて突進したんじゃな…』

ここからは原発被害の話に戻る。
老人『みんな出て行った。わしだけが避難所から毎日ここを見に来る。ここの家は横浜、あいつはさいたま、それからそいつは赤プリ(赤坂プリンスホテル)。…みんな原発の被害が怖いんじゃよ。』
ここから空気が変わった。
老人『地震津波火災までならたくわえと根性でどうにか復活できるが、原発はどうにもならん。あれだけ安全だといっていた(言い張っていた)モノが爆発したんだろ?ワシはもう運命だと諦めている。』

いたたまれない空気が流れそうになったが、老人はそれを踏まえた上で言う。

  • 農家・漁民は票になるが、商売人は票にならない。

老人『ワシは商売をやめてゆっくりするぞ!だから、この際言わせてもらおう!!』
ここから参政権をもらって60年が経つ大ベテランが、選挙権もらって1年の私に政治を叩き込み始めた。
老人『福島の原発の利権は漁民にある。漁民は今回抗議していないじゃろ?あれはあの原発周辺はよく魚が取れるところで、魚を取る権利を東電からもらう事で取引が成り立っているんだ。商売人は敵を作れないから、政治の話をできない。庶民は原発ができてもリスクはないが、政治的利権が乏しい福島では官僚と漁民が原発利権に食いつく。農民と漁民は本業に政治を主張する事で不利益をこうむる事はない。だから、その区域一体(地域の組合単位)まるごと政治の傘で飲み込んで一つの利権を作り上げてしまう。』

…なるほど。自民、民主問わず、農家に優遇的な政策を取る側面はそこだったのか…。*4

老人『福島なんか政治力がない。だから、首相も来ないだろ!この騒動の収束だって遅い。瓦礫の撤去なんか『総理大臣が視察に来る』といえばその瞬間に官僚・自衛隊が本気でやる。』

といわれて一つ疑問に思ったのできいてみる。

私『自民党政権下ならまだしも、民主党の重鎮渡部恒三を輩出する福島県が弱いはずがない!!』
老人『馬鹿者!あれは会津若松の政治家じゃ!(※福島県は会津藩と磐城藩の一部を足してできた県。意識としては別の共同体なのだ。)』

少し考えていう。
私『そういえば、岩手に視察に行く人は多いですよね。あれは例のあの人の影響ですか?』
老人『小沢か。そうじゃ、ヤツぐらい地元にお金を落とす人は全国的に評判が悪くても地元が豊かになるから地元の人はみんな彼に投票する。選挙ってのはそういうものだ。』

比例ならまだしも、地元を豊かにした人が当選させるのは地元の人間としては当然だ。地元の人が選ぶのだから。(合理的な判断ではあるのか…。)
老人『新潟を見てみろ!あそこなんか、利権だらけで電車も道路も立派に通っているじゃろ?』
私『お墓が新潟にあるからよく知ってます。設備と人口の量があってないですよね。』
老人『あっとらんよ!!だが、首相やそのクラスの利権使いを出すという事は地元を豊かにするということなんじゃ!!福島から首相を出してみろ?この原発の問題もここに散らばった瓦礫も官僚達がすぐに片付けてくれる!!

ネットで政治をかじった人は『地元の利権のために売国奴を当選させる事は拝金主義者のやることだ』と怒りそうだが、有能でも悪人にすがりたい位の権力が政治にはあり、権力にすがる人によって権力はより魅力的に不気味な輝きを増す。というのも
私『私の祖母が横須賀に住んでいた関係で、小泉さんが首相になったあとに海岸線に大きな公園が整備されたところをよく知ってます。あれは官僚の点数稼ぎだと言うのですか!?
老人『点数稼ぎじゃよ!!

立ち話ながら、30分ぐらい政治と経済と被災関係の話で盛り上がった。最後にこの老人から頂いたありがたい政治へのコメントを二つ紹介したい。
1、菅首相へ。
『小泉以降の政治家には政策をやるに当たっての『説得する・納得させる力』がない。だから、実行力が伴わない。』*5

2、民主党
『大平内閣の官房長官で会津若松出身の伊東正義って人を私は尊敬している。その人は大平氏が死んで代理で首相をやった時に【本の表紙を変えても、中身を変えなければだめだ】と。』

※あとでチェックした時に気づいたのですが、この伊東氏の発言はリクルート事件の後のもの。しかし、これは民主党にはそのまま当てはまると思ったので聞いたときは帰って調べるだけの価値のある名言だと思いました。



次回
第8報、いわき市民の親切さに心を打たれながらも東京へ去る。

あと2回で、終わりです。初めから読んでいただいている方はありがとうございます。次回からは体調を崩すような酷い画像は消えます。戦場のような場所にも立っていないので、タイトルも普通に戻します。(※何度も言うけど、タイトルの文字は戦争のような有事・惨状から来ているものです。逆読みにしてもいいのですが、打ちにくいので、そこまでのこだわりは出しません。)


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*1:団塊の世代に告ぐ!新卒を雇いまくってさっさと辞めろ。俺達20代が年金で養ってやるから、仕事をよこしてさっさとやめちまえ!

*2:何かを恐れてか、それとも強がりなのか、いわき市での取材で原発について言及したのは実は高校生とこの老人だけだった

*3:パワプロクンポケットと言うゲームの中でヒロインの一人『神条紫杏』が夜景を見たときの台詞に『この夜景が綺麗?私には過去の遺産を食い潰し、未来をも食い食いつくさんとするシロアリの群れに見えるが…』というのがあるが、実際に誰かの犠牲の上に成り立っているのが電力であり、高度技術である事は多くの人に知ってもらいたい。

*4:経団連クラスの大企業は実は与野党どちらにも保険をかけるだけのお金があります。政治的なカラーがあるとすれば、麻生財閥とイオンとブリジストンと言った親族が大企業の運営に影響を及ぼしうる場合のみだろう。

*5:評論家日下公人も実は同じことを違う言い方でしていて『政治家はわけを話さないといけない』というセリフがある。その訳について『議席と権力が欲しいだけだから参議院選挙に負けた』と彼は分析している。