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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

第四報、生活観ノアル廃墟ガ涙ヲ誘ヒ、心ヲモ挫ク


前回のあらすじ

四ツ倉港のからトンネルをくぐったところにあるいわき市の波立海岸通りはノスタルジックで懐かしい風景だった。自然の中はもちろんだが、そこにある生活観が私の胸を打ちつけた。全壊した建物・津波に飲まれた瓦礫の山の中でも、希望を捨てず、お店を再開しようと奮起する人を見て、編集しながら涙が止まらなかった。

今回の話


一組の初老の夫婦に出くわした。波立海岸から久ノ浜に向かう分岐点であったため、インタビューも兼ねて道を聞いてみる事にした。 だが、2対1では話も聞きにくい。そこで、人が上れるところから一眼レフで線路を撮影しているおじいさんを待っているおばあさんに挨拶をして道と身元を尋ねた。
「私達は静岡から、実家がどうなっているか見に来た。久ノ浜から歩き続けてきたが、静岡でみる報道番組よりも酷い。あなたが見ようとしているところを私は見てきたから、どんどんいってくるといい。酷いから。」
おじいさんが一眼レフをもって満足そうに帰って来た。夫婦そろったところで足を止めさせても悪いので、私は礼を述べ、久ノ浜へ向かった。

歩いていると車とよくすれ違った。始めは福島県は車社会なのだと思ったし、現に車保有率は東京よりもずっと多い。電車が1時間に2,3本通れば多いような地区だから高校生が乗客の半分を占める区域である事も事実だ。しかし、それにしてはノロい。私がドライバーを観察してみると、なにやら被災した住宅をじっくりと眺めながら低速で進んでいるではないか!?

しかも、そういう車は多い。どうやら、ゴールデンウィークを利用して被災地を見に来るような物好きは私だけではないようだ。被災地見学は日本人にとっては意外にポピュラーな社会見学なのかもしれない。(※不謹慎とか言うなよ!現実を直視しないで、腫れ物に触るみたいに接する奴の方がよっぽど不道徳だ。相手の気持ちにたっていない!)…もっとも、インタビューして歩いて、被災者の話を発信しようとする人は私しかいなかったが…。

後で気づいたことだが、その時歩いていた場所の二軒裏が海だ。今は地盤沈下したせいで、堤防がちゃんと機能しておらず、後で津波被害の恐怖を思い知らされるところだった。

ここからは何枚かの写真を写真を見ていただこう。

お分かりいただけるだろうか?車庫の向こうに海が見えるこの『距離感』を。そして、車庫の屋根が壊れていると言う事は…人間の頭よりも高いところまで波が来ていたという事が予想される。

つぎはこちら

四ツ倉海岸のマンションでの取材で『砂とガラスが家中の床に広がっていた』とおばあさんが答えてくれたが、こんな感じだったのだろうか…。マスコミは絵になるからと言う理由で木っ端微塵の町ばかりを選んで報道するが、私はこれが津波災害の恐ろしいところだと言いたい。地震と違って家中、庭中に海の砂と割れたガラスが飛び散る。これは地震よりも片づけが難しい。

いわき市にはたくさんの海岸や漁港があるため、それら全てを片付ける事は容易ではない。家が壊れてなくても、砂とガラスで住めなくなったり、農作物がダメになったりする。鉄骨しか残らないのもつらいが、これはこれでつらい。

途方もなく壊れた家の庭で、ガラスの破片を拾う老夫婦なんか見た日にはもう涙が出そうだった。

だが、私が本当にないたのはこれだ。

本当に絶句し、立ち尽くした。20秒後に落ち着きを取り戻そうとしたが、これが帰ってパニックを煽った。地震の来た時間を思い出したことで、
『まさかと思うが、ここの幼稚園児が死んだって事はないだろうなぁ!!!!』
このときは真相を知らなかったが、私は死んだと思い込んで…こうつぶやく。
『今、座敷わらしとか子どもの幽霊とか出てくるなよ?怖いとかじゃなくて、冗談抜きで…ああ!畜生!!!
早とちりかもしれないが、最悪の事態を想定した上で慎重に歩いた。建物内が見える位置と外が見える位置でシャッターを切って、心に留めながらひたすらこれが現実だと言い聞かせながらカメラを構えた。

取材に来た以上、ここで立ち止まってはいけない。職業のジャーナリストじゃないけど、カメラ持って人の話を聞きにきている以上はこの場だけでもジャーナリストだ!!撮らないといけない。撮らないと8000円の交通費と往復8時間の電車通いも無駄になる。

『私はマスコミ志望ではない。しかし、マスコミ人以上に『庶民の時代』を『既得権益の撲滅』を『世の中の進歩と変革を』望む人間だからここに来てカメラを構えたんだ!!』そう奮い立たせて歩いて行くが、行けども行けども酷くなっていった。

家の中がむき出しになって、中身もグチャグチャになっているのが道路からでもわかった。

だが、この通りの最後に見たものが最も酷かった。それは…これだ!!

女の子のお人形遊びを思い出していただきたい。家の正面だけが空いていて、小振りの人形やミニチュアのインテリアを置いて楽しむ『シルバニアファミリー』というおもちゃ。私の頭の中にそれがよぎった。普通の家じゃないんだ。あまりにも生活観を残しながら、なぜか家の一部だけ切り取られて、しかも傾いている。

…カメラを持った僕はあまりにも不自然な構図をどうやったら一番わかりやすく伝わるかと考えながら撮ったが、撮影した物を冷静に検証できるほど精神的に余裕がなく、数枚撮っているうちに周りにもっとすごい物が飛び込んできた。

次回は私はここを歩きます。今日はこの写真が最後です。



次回へ続く
第五報、久ノ浜メインストリート!!〜ソノオジイサンノ頭ノ中デシカ生キ続ケラレナクナッタ町〜


今回の取材をより多くの人に伝えたいので、バナークリックのご支援よろしくお願いします。下手な大手メディアよりも私は被災地に密着した取材をやってきたので、その真実を伝えたいのです!!
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